アゲハ ~第27話 上瀧 律11~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



上瀧はサバイバルナイフを大きく振り回した

蝶「きゃあ!」

蓮「蝶!」

上瀧「まずはお前からだ!」

香留「止めなさいよ!」

上瀧「どけっ!」

バキッ!

香留「うわっ!」

上瀧は香留の腹に蹴りを入れる
香留は衝撃で尻餅をついてしまった

蝶「香留!」

上瀧「よそ見すんなぁ!」

ズバッ!

蝶「キャアッ!」

蝶の腕にナイフの刃がかすった
制服が切れ、うっすらと血が浮き出る

蝶「っ…!」

上瀧「外したか」

蓮「このっ!」

キィンッ!

上瀧「っ…!」

蓮はナイフを取り出して、上瀧に向ける
だが上瀧もすぐに反応し、サバイバルナイフでガードした

蓮「いくら女でも…手を抜くと思うなよ?」

上瀧「上等」

蓮「!」

上瀧「ウラァッ!」

バキッ!

蓮「ぐっ!」

蓮が上瀧に気を取られている隙に、上瀧が脇腹に蹴りを入れた
蓮は転ぶ

蓮「っ…!」

上瀧「男は嫌いなんだ。先に潰すとするか」

上瀧はナイフを蓮に刺そうとした
だが

…ズガンッ!
キィンッ!

上瀧「!」

上瀧のナイフに銃弾が当たった
蝶がナイフを狙って撃ったのだ
その衝撃で、ナイフは手から離れた

上瀧「っ…!」

蝶「次は手を狙う…!」

上瀧「やれるなら…やってみな!」

上瀧は蝶に向かって走り出す
すると、上着の袖から先程とは違う別のナイフが出てきた
別のナイフを持っていたのだ

ズバッ!

蝶「わぁっ!」

香留「蝶!」

ズバッ!

香留「キャッ…!」

上瀧「ハッ、ナイフだけでその程度かい?」

蓮「お前…!武器は1つじゃねぇのかよ!」

上瀧「あ?誰が“1つ”と言ったんだよ」

蓮「クソッ…!」

上瀧「らぁっ!」

蓮「うっ!」

蓮の頬にかすかだが、ナイフを避けられる
小さなナイフでサバイバルナイフを押さえる

蓮「くっ…!」

上瀧「いつまでその体勢が保てるのかなぁ?」

蝶「蓮!」

蓮「来るな!」

蝶と香留は助けようとするが、蓮に止められた
誰にも邪魔されたく無いのだろう

蓮「早く逃げて!」

蝶「で、でも…!」

蓮「いいから!」

香留「っ…!行こう!」

蓮から逃げろと言われ、すぐに逃げ出す
だが

上瀧「…逃げられると思うなよ?」

…フワッ!

蝶「…え?な、何あれ…⁉」

逃げる途中で、上瀧の回りを見て驚いた

なんと彼女の回りに、数本のナイフが綺麗に並びながら浮いていたのだ

上瀧「逃がしはしないよ」

香留「嘘でしょ…⁉あんな数を…!」

上瀧「ジャック・ザ・リッパーは刃物を1つだけを使って殺したみたいだが、私はそこまで甘くはない。お前達をこのナイフでサボテンみたいにしてやるよ!」

すると上瀧はいきなり下に引くかの様に手を動かす
それと同時に浮いていたナイフが飛び出した

ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!
ザクッ!ザクッ!ザクッ!

蝶「キャアッ!」

香留「うわっ!」

蓮「蝶!香留!」

上瀧「チッ…!どうだ、私のナイフの雨は。仕留め損なった人間にはこれを使おうとしてる。でもこれを使わせて、避けられたのはあんたらが初めてだよ」

蓮「クソッ!」

上瀧「邪魔ばっかりすんじゃねぇよ!」

ズバァッ!

蓮「グワァァァァァアッ!」

蝶「蓮!」

上瀧のナイフが蓮の左腕に当たった
左腕から血が流れ出す

蓮「っ…!」

上瀧「チッ、予定変更だ。お前を殺してから女2人を殺すとするか」

蓮(まずい…!)

蓮が先殺られてしまう
そう思ったが

蝶「離れて!」

蝶がそこへ駆け込んできた

上瀧「チッ、邪魔をするな!」

それに気づいた上瀧は蝶にナイフを向けた
だが

…スッ!

上瀧「ナニッ⁉」

間一髪のところで蝶に避けられ、蝶は真っ直ぐ上瀧の腕を掴み

蝶「お…リャアッ!」

ドォンッ!

上瀧「ぐわっ!」

上瀧を背負い投げした