アゲハ ~第9話 スカル1~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



プルルルル…

プルルルル…

香留「…はい?もしもし?」

高校の昼休み
香留の元に一本の電話が入った

?『あ、もしもし?お姉ちゃん?』

香留「!瑞希?」

それは香留の妹だった

ー香留の妹
 須川 瑞希(14)ー

香留「どうしたの?急に電話なんて…てか学校は?」

瑞希『今日は建立記念日だから休みなの。お姉ちゃんどうしてるかなって』

香留「私は元気でやってるよ、そっちは?女学校大変でしょ?」

瑞希『全然大丈夫だよ。友達もたくさん出来てね、この前は学校近くのカフェでかわいいマカロン食べたの!』

香留「そう?それは良かったね」

瑞希『Canstagramに載せてるからさ、後で見てよ』

香留「後でね」

瑞希『あ…お姉ちゃんさ、いつまたこっちに帰ってくるの?』

香留「!…えーと…」

瑞希『今度親戚の新村さんが結婚することになって、婚礼パーティーに参加することになったんだ』

香留「え?新村さん…あぁ、あの人か」

瑞希『それでお姉ちゃんは来るのかな?って…』

香留「私は…行ってもいいの?」

瑞希『え?いいんじゃないのかな?だって…』

?『あ、瑞希!』

香留「!」

電話の奥から瑞希とは全く別の女性の声がした
香留の母親だ

母親『誰と連絡してたの?』

瑞希『え?えっと…』

母親『…香留?』

瑞希『あ…うん…』

母親『連絡取らないでって言ったでしょ?』

香留「…お母さん…」

母親『まさか瑞希、香留に結婚式のこと言ってないわよね?』

瑞希『う、うん!言ってないよ??』

瑞希は咄嗟に嘘をつく

母親『…そう、ならいいわ。絶対に言わないでね?あの子のことだから変な服で結婚式に参加すると思うから』

香留(変な服…?)

母親『全くダサいのよね。女の子なのにスカートもろくに履かずにズボンや黒い服ばっかりで、髪は染めるし、恥ずかしいと思わないのかしら?』

香留「…!」

母親『あんな子がうちの子だと思うと恥ずかしいわ』

瑞希『いや、さすがにそれは言い過ぎじゃ…?』

母親『いい瑞希?結婚式では香留の名前を出しちゃダメなんだからね。あの子は“いないこと”にするのよ』

瑞希『で、でも…』

母親『嫌なら今度新しい服買ってあげないわよ?』

瑞希『わ、分かったよ…』

母親『なら早く切って。これから…』

ピッ

香留は母親の話の途中で電話を切った

香留「…いないことにするとか…」

蝶「香留?どうしたの?」

香留「うわぁっ!((((;゜Д゜)))」

そこに蝶が現れ、驚いた

香留「な、なんだ蝶か…」

蝶「どうしたの?誰と電話してたの?」

香留「え?いや…妹」

蝶「妹いるんだ。いいなぁ」

香留「なんで?」

蝶「言ってなかったと思うけど、私はお兄ちゃんいるの。でも妹欲しかったんだよね、お揃いの服とか来てどこかに出掛けたりさ…」

香留「いやいや妹とかいると面倒だよ?比べられるし…私は逆に兄が欲しかったよ」

蝶「じゃあ交換する?(笑)」

香留「止めて(・・;」