アゲハ ~第7話 藤原 橙真3~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



蝶「…はぁ…」

お昼休み
蝶はため息をついて、学校の中庭に1人でお弁当を食べていた
だいぶ罪悪感を抱いているみたいだ

蝶「……蓮は大丈夫だって言ったけど…不安だよ」

不安すぎてお弁当も喉を通らない

蝶「……ダメだ、お腹すいてない」

蝶はお弁当を半分以上も残し、蓋を閉めようとした
すると

?「なんだ、食べないの?」

誰かに声をかけられた
だが

蝶「…うん、お腹すいてないんだ」

?「そう?顔色悪いけど…大丈夫?」

蝶「大丈夫だよ、蓮…」

蝶は振り向く
するとすぐに驚いた

?「え?蓮って…?」

蝶「!!!!Σ((((;゜Д゜)))」

そこにいたのは蓮ではなく、別の男子だった
しかも蝶は蓮と勘違いをして話してしまったのだ

蝶「あ…っ!す、すみません!間違えました!((((;゜Д゜)))」

?「あ、あー…いいよいいよ、気にしないで?」

蝶「えっと…」

蝶の前に現れた男子はかなりチャラい感じだった
編み込みされたグレーのかかった髪、着崩した制服にカーディガン、腰パンに上履きはかかとを潰しており、左耳にはピアス、さらには体の至るところから男用の香水の香りがした

ー2年生
 藤原 橙真(16)ー

橙真「あー、俺もごめんね。急に話しかけてきてさ…失礼だよね?」

蝶「あ、あぁ…(・・;」

橙真「けどめっちゃ暗かったからどうしたのかと思ってさ。暗い美人って可哀想なんだよね♪」

蝶(うわ、チャラい…(・・;)

橙真「俺2年の藤原橙真、ヨロシクね」

蝶「あ、えっと…蝶です。黒木蝶…」

橙真「蝶…いい名前だね♪」

蝶「あ、ありがとうございます…では」

蝶は早くその場を去ろうとする
しかし

橙真「あ、待って」

蝶「え?な、なんですか?」

橙真「髪にゴミが」

蝶「え?」

蝶は自分の髪を見る
するとすぐ橙真はとってあげた

橙真「ほら、取れた」

蝶「あ…ありがとうございます」

橙真「…きれいな髪してるね」

蝶「あ、あぁ…ありがとうございます…(・・;」

橙真「顔もかわいいし、髪もこんな綺麗で…それなのに元気が無いなんて」

蝶「すみません、もういいですか?係に遅れるので」

蝶はキッパリと言い、すぐに歩いていった

橙真「…しかも性格まで冷たい、もったいないなぁ」

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蝶(あーもう!何なのさっきの人!馴れ馴れしいし!)

蝶は教室に入った
6月のオリエンテーションの係の集まりだ

仁香「…あ」

蝶「!」

入った教室の目の前に仁香がいた
仁香もオリエンテーションの係だった

蝶「あ、どうも…」

仁香「…ども」

ペコッと頭を下げて軽い挨拶で済ませる

蝶(…確かこの人、蓮の隣クラスの…)

仁香(へぇ、あれが蝶って子か…。前見たときは地味なロング女だと思ってたけど、よく見ると…)

仁香は蝶の顔を見て思う


だがそれと同時に蝶に対し、憎しみを抱いてしまった

仁香(…あんな地味子が蓮くんと…っ)