蝶「…はぁ…」
お昼休み
蝶はため息をついて、学校の中庭に1人でお弁当を食べていた
だいぶ罪悪感を抱いているみたいだ
蝶「……蓮は大丈夫だって言ったけど…不安だよ」
不安すぎてお弁当も喉を通らない
蝶「……ダメだ、お腹すいてない」
蝶はお弁当を半分以上も残し、蓋を閉めようとした
すると
?「なんだ、食べないの?」
誰かに声をかけられた
だが
蝶「…うん、お腹すいてないんだ」
?「そう?顔色悪いけど…大丈夫?」
蝶「大丈夫だよ、蓮…」
蝶は振り向く
するとすぐに驚いた
?「え?蓮って…?」
蝶「!!!!Σ((((;゜Д゜)))」
そこにいたのは蓮ではなく、別の男子だった
しかも蝶は蓮と勘違いをして話してしまったのだ
蝶「あ…っ!す、すみません!間違えました!((((;゜Д゜)))」
?「あ、あー…いいよいいよ、気にしないで?」
蝶「えっと…」
蝶の前に現れた男子はかなりチャラい感じだった
編み込みされたグレーのかかった髪、着崩した制服にカーディガン、腰パンに上履きはかかとを潰しており、左耳にはピアス、さらには体の至るところから男用の香水の香りがした
ー2年生
藤原 橙真(16)ー
橙真「あー、俺もごめんね。急に話しかけてきてさ…失礼だよね?」
蝶「あ、あぁ…(・・;」
橙真「けどめっちゃ暗かったからどうしたのかと思ってさ。暗い美人って可哀想なんだよね♪」
蝶(うわ、チャラい…(・・;)
橙真「俺2年の藤原橙真、ヨロシクね」
蝶「あ、えっと…蝶です。黒木蝶…」
橙真「蝶…いい名前だね♪」
蝶「あ、ありがとうございます…では」
蝶は早くその場を去ろうとする
しかし
橙真「あ、待って」
蝶「え?な、なんですか?」
橙真「髪にゴミが」
蝶「え?」
蝶は自分の髪を見る
するとすぐ橙真はとってあげた
橙真「ほら、取れた」
蝶「あ…ありがとうございます」
橙真「…きれいな髪してるね」
蝶「あ、あぁ…ありがとうございます…(・・;」
橙真「顔もかわいいし、髪もこんな綺麗で…それなのに元気が無いなんて」
蝶「すみません、もういいですか?係に遅れるので」
蝶はキッパリと言い、すぐに歩いていった
橙真「…しかも性格まで冷たい、もったいないなぁ」
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蝶(あーもう!何なのさっきの人!馴れ馴れしいし!)
蝶は教室に入った
6月のオリエンテーションの係の集まりだ
仁香「…あ」
蝶「!」
入った教室の目の前に仁香がいた
仁香もオリエンテーションの係だった
蝶「あ、どうも…」
仁香「…ども」
ペコッと頭を下げて軽い挨拶で済ませる
蝶(…確かこの人、蓮の隣クラスの…)
仁香(へぇ、あれが蝶って子か…。前見たときは地味なロング女だと思ってたけど、よく見ると…)
仁香は蝶の顔を見て思う
だがそれと同時に蝶に対し、憎しみを抱いてしまった
仁香(…あんな地味子が蓮くんと…っ)