アゲハ ~第6話 黒崎 斗影5~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



斗影「…ハッ、髪の毛一本でも傷つけたら許さねぇか……もうとっくに後頭部殴ってるんだけどな」

斗影は蝶のスマホを立てたドラム缶の上に置いた
スマホの近くには、蝶の武器のデリンジャーが置かれている

斗影「…あぁ、息苦しくて窮屈かもしれねぇけど、我慢してくれるか?」

斗影は部屋の柱の方を見て言う

そこには、縄で拘束された蝶がいた

蝶「…ぅう…っ!」

身体は縄で拘束され、口に猿轡を噛まされた状態では、斗影を睨むしか出来なかった

斗影「悪いな、こんな扱いで。出来るのであればこんなことしたく無かったよ」

蝶(……油断した…っ、蓮も捕まって無かったし、まさかトンファーを“2つ”も持ってたなんて…!)

斗影はトンファーを2つ持っていた
1つは蝶が預かっていたが、もう1つは斗影が隠し持っていた
それで蝶は背後から殴られ、捕まってしまった

斗影「…けどまさか、あんな嘘に簡単に騙されるなんて…まだまだ甘いな、アゲハ族は」

蝶「…っ」

斗影「心配すんなよ、少ししたら蓮がここに来る。その時は…どうなるかな?俺に殺られるか、俺を殺るか……お前はそれを目の前で見ることになるんだからな」

蝶「ん…っ⁉」

斗影「…蓮を殺したら…お前のことはどうしようかな?」

蝶(…蓮…っ!)


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蓮「ハァ…ハァ…ッ!」

一方、蓮は目的地の○×廃工場に到着した
呼吸を整えるため、一旦壁に手を当てて休憩する

蓮「…蝶はここに…っ」

上を見上げ、廃工場の様子を確認する

…ガサッ

蓮「ん?」

蓮の足元に何かが当たった

蝶のカバンだった

蓮「ー!」

それを見ただけで蓮は驚きそうになった

蓮「…やっぱりここにいるんだ…っ」

蝶のカバンを見て確信し、すぐに蓮は工場の中へと入って行った

蓮(…斗影は普通じゃない…っ!まさか蝶を人質にするなんて…っ!“あの時”の言葉は…っ!)



斗影『…な、なんで…っ!なんでお前に負けて…っ!』

蓮『斗影、もう止めろよ。どうせ勝てないんだし』

斗影『っ…!覚えていろよ…!絶対タダじゃおかねぇからな…!』

蓮『…何度でも言え』

斗影『次は…!お前の大事なものを奪うからな!』



蓮(…殺るなら別にいい…!けどだからって俺らの勝負に蝶を巻き込むな!)

武器のナイフを取り出して、警戒しながら進む

蓮(蝶…無事でいてくれ!)