アゲハ ~第6話 黒崎 斗影2~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



その日の放課後
蝶はオリエンテーションの係の会議を終え、1人で帰っていた
空はすでに薄暗い色をしていた

蝶「あー、結構遅くなっちゃったな。兄さんに連絡しておこう」

『遅くなる』とスマホのLIMEに入れる

蝶「…それにしても、香留に彼氏が出来たなんて…」

昼間の話を思い出した

蝶(やっぱり香留可愛いからなぁ。それにあのナイスバディ…)

蝶は自分の胸を見る
Fカップの香留と違い、自分の胸は小さい
そのことに、少しショックを受けた

蝶(…何食べたらあんなに大きくなるの?(・・;)

そんなことを思いながら、家まで歩く

蝶(……それに、あんなことも…)

さらに蝶はもう1つの香留の言葉を思い出す

香留『…好きじゃないの?お隣クラスの山茶花くん』

蝶(いきなり何を言うんだか…)

香留から蓮の名前が出てきて驚いていた

香留『一緒にいるところ見ちゃったんだけど…違った?』

蝶(待って…いついた?一緒にいるところって…⁉殺し屋のこと聞いてないよね⁉)

アゲハ族のことを聞かれたら香留は自分の事をどう思ってしまうのだろう
想像するだけで怖かった

蝶(…何も言わないようにしなきゃ…!)

首を振って、再び歩き出す

すると

…ブーッ ブーッ

蝶のスマホが鳴った

蝶「兄さんからかな?」

スマホを取り出し、その画面を見る
そこに写っていたのは、知らない電話番号からの電話画面だった

蝶「誰だろう…?」

蝶はスマホを耳にあてる

蝶「…もしもし…?」

?『…あんた、黒木蝶か?』

蝶「!」

電話の声は、全く知らない男からだった

蝶「…あの…誰ですか?」

?『あぁ、初めましてだよな?けど、俺の話はとっくに聞いていると思うぞ?』

蝶「え?」

?『ドクロ族』

蝶「⁉」

男からの言葉にビクリとなる
ドクロ族の人間だ

蝶「あなた…ドクロ族⁉」

?『あぁ、そうだ』

蝶「ドクロ族が何の用?」

?『…山茶花蓮のことで』

蝶「⁉」

ドクロ族の人間から蓮の名前が出た
蓮に何かあったというのか…

蝶「あんた…蓮に何したの⁉」

?『山茶花蓮は俺が預かっている』

蝶「え…⁉」

?『助けたかったら地図に書かれている場所に来い。地図は送る』

蝶「れ…蓮は無事なの⁉」

?『そう焦るなよ、無事だぜ?』

蝶「っ…!」

?『…早く来いよ?来なかったら、蓮を殺す。いいな?』

そう言うと、電話の男からは切れてしまった

蝶(…蓮を…!蓮を助けなきゃ!)

蝶はすぐに走り出した


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哀幻波「…お、蝶は遅くなるのか」

その頃哀幻波は家で蝶の連絡を受けていた

哀幻波「こんな時間でも帰ってこないなんて…蝶も大人になるんだな」

ミカ「いつからが大人と認められるんですか?やっぱり20歳超えてからですか?」

哀幻波「俺は大人に見えるか?」

ミカ「…ビミョーですね」

哀幻波「そこは“はい”と言えコノヤロウ(-_-#」

ミカ「痛い痛い痛い痛い痛い痛い((((;゜Д゜)))」

グーで哀幻波はミカの頭を押さえる
尋常じゃない痛みが伝わってくる

すると、玄関に続くドアが開いた

哀幻波「お、お帰り」

ミカ「遅かったですね」

2人はその人物を迎える

その人物は…












山茶花蓮だった