アゲハ ~第3話 工藤 花7~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



蝶「…で、そんなことがあって」

蓮「バレたって訳か」

ミカ「はい」

哀幻波「いや“はい”じゃねぇわ!(#`皿´」

バコッ!

ミカ「痛い…(・・;」

あの事件が遭ったその後
ミカは花を連れて、“アゲハ蝶”にやってきた
花にバレたことを蝶達に話す

蝶「あんたねぇ…(・・;」

哀幻波「目の前でやるなって…“蓮以来”じゃねぇか」

蓮「うーん…(・・;」

蓮は何も言えなかった
それもそのはずだ
そうでなければ、蓮の親友の氷雨がここに出入りする訳がない

蝶「今回は女の子か…」

ミカ「いや一応は黙ってますと…(・・;」

哀幻波「氷雨は良かったが信用出来るのか…⁉」

蓮「てか名前…工藤さん?あの工藤さんだよね?」

ミカ「はい、いじめられっ子の」

蓮「うーん…俺からは何も言えないよ(・・;」

哀幻波「これ以上は知ってる人間が増えては困るんだよな…」

花「あのー…」

蝶「なに?」

花「私…誰にも言いません。黙ってます。ちゃんと守ります」

哀幻波「いやけど…君のお母さんってすごい人なんだよね?」

蝶「え?お母さん?」

ミカ「そうなんですか?」

哀幻波「あれ?知らなかったのか?俺…ミカの口からこの子の名前出たときにピンときたけど?」

蓮「え?…あ!」

蝶「工藤……ってまさか!」

蓮と蝶は“工藤”という名字を聞いてある人物を思い浮かべた

花「私のお母さん、“工藤早苗”って言います」

「⁉Σ((((;゜Д゜)))」

花の発言に驚く
花の母親の名前を聞いて知らない人はいない

工藤早苗
彼女は今、世間を騒がせている敏腕弁護士なのだ

蝶「嘘…工藤弁護士は知ってたけど、まさかその娘さん⁉」

蓮「ミカは知ってたの⁉」

ミカ「はい…いや2人とも知ってるのかと思ってました…(・・;」

花「まぁ知らない人がいるのは当たり前だもん。だって最近話題になったばかりだし」

哀幻波「法律の世界じゃ、“凄腕の女狐弁護士”だって言われてるみたいだぞ?」

蝶「嫌な言い方ね…(・・;」

蓮「でも…その娘さんがいじめに遭ってるって…」

花「呆れますよね」

蓮「あ、ごめん…」

花「いいんです。お母さんは全く気付いていないので」

蓮「え?」

花「毎日仕事ばっかりで…週に2回しか会わないんです。でも会ったとしても朝か夕方。あまり会話も無くなってきてるんですよ」

哀幻波「ご飯とかは…どうしてる?」

花「たまにお母さんが作ってくれますが…忙しいときはお金を置いていったり、出前を取ったり…でもそれは食べないです」

蓮「なんで?」

花「……手作りの方が好きだから…」

蝶「!」

花の言葉にズキッと心が打たれた気がした

哀幻波「…そうか、でも悪いけど俺らには分からねぇな…。母親に作ってもらえる料理がどれほど美味しいか」

花「え?」

ミカ「僕ら…親いないんだ」

花「え…⁉」

蓮「俺ら4人で住んでいるんだ」

蝶「蓮と兄さんとミカは実の親の顔を知ってるけど…私は分からない。生まれる前に…死んじゃったから…」

花「ご、ごめんなさい!私…私そんなつもりじゃ…!」

哀幻波「いいよ、気にしないで」

花「でも…」

哀幻波「それでも俺らは助け合って生きてるんだ。本当の家族みたいにな」

花「…」

哀幻波「俺らは、人の心を助けたいんだ。他人を傷つけたり、見下したり、蹴落としたり、消そうとしたり…闇の心を持っている連中がこの世には五万斗いる。だから俺らはこの相談室を通して、人助けをしてる。凶器を持ってるのは、人を殺すためじゃなくて、その心を殺すためのものなんだ。そこは、間違わないでほしい」

花「…は、はい…」

ミカ「哀幻波さん、もしかして…」

哀幻波「それでも…内緒にしてくれるかな?」

蝶「兄さん!」



花「…はい!」