蝶「…で、そんなことがあって」
蓮「バレたって訳か」
ミカ「はい」
哀幻波「いや“はい”じゃねぇわ!(#`皿´」
バコッ!
ミカ「痛い…(・・;」
あの事件が遭ったその後
ミカは花を連れて、“アゲハ蝶”にやってきた
花にバレたことを蝶達に話す
蝶「あんたねぇ…(・・;」
哀幻波「目の前でやるなって…“蓮以来”じゃねぇか」
蓮「うーん…(・・;」
蓮は何も言えなかった
それもそのはずだ
そうでなければ、蓮の親友の氷雨がここに出入りする訳がない
蝶「今回は女の子か…」
ミカ「いや一応は黙ってますと…(・・;」
哀幻波「氷雨は良かったが信用出来るのか…⁉」
蓮「てか名前…工藤さん?あの工藤さんだよね?」
ミカ「はい、いじめられっ子の」
蓮「うーん…俺からは何も言えないよ(・・;」
哀幻波「これ以上は知ってる人間が増えては困るんだよな…」
花「あのー…」
蝶「なに?」
花「私…誰にも言いません。黙ってます。ちゃんと守ります」
哀幻波「いやけど…君のお母さんってすごい人なんだよね?」
蝶「え?お母さん?」
ミカ「そうなんですか?」
哀幻波「あれ?知らなかったのか?俺…ミカの口からこの子の名前出たときにピンときたけど?」
蓮「え?…あ!」
蝶「工藤……ってまさか!」
蓮と蝶は“工藤”という名字を聞いてある人物を思い浮かべた
花「私のお母さん、“工藤早苗”って言います」
「⁉Σ((((;゜Д゜)))」
花の発言に驚く
花の母親の名前を聞いて知らない人はいない
工藤早苗
彼女は今、世間を騒がせている敏腕弁護士なのだ
蝶「嘘…工藤弁護士は知ってたけど、まさかその娘さん⁉」
蓮「ミカは知ってたの⁉」
ミカ「はい…いや2人とも知ってるのかと思ってました…(・・;」
花「まぁ知らない人がいるのは当たり前だもん。だって最近話題になったばかりだし」
哀幻波「法律の世界じゃ、“凄腕の女狐弁護士”だって言われてるみたいだぞ?」
蝶「嫌な言い方ね…(・・;」
蓮「でも…その娘さんがいじめに遭ってるって…」
花「呆れますよね」
蓮「あ、ごめん…」
花「いいんです。お母さんは全く気付いていないので」
蓮「え?」
花「毎日仕事ばっかりで…週に2回しか会わないんです。でも会ったとしても朝か夕方。あまり会話も無くなってきてるんですよ」
哀幻波「ご飯とかは…どうしてる?」
花「たまにお母さんが作ってくれますが…忙しいときはお金を置いていったり、出前を取ったり…でもそれは食べないです」
蓮「なんで?」
花「……手作りの方が好きだから…」
蝶「!」
花の言葉にズキッと心が打たれた気がした
哀幻波「…そうか、でも悪いけど俺らには分からねぇな…。母親に作ってもらえる料理がどれほど美味しいか」
花「え?」
ミカ「僕ら…親いないんだ」
花「え…⁉」
蓮「俺ら4人で住んでいるんだ」
蝶「蓮と兄さんとミカは実の親の顔を知ってるけど…私は分からない。生まれる前に…死んじゃったから…」
花「ご、ごめんなさい!私…私そんなつもりじゃ…!」
哀幻波「いいよ、気にしないで」
花「でも…」
哀幻波「それでも俺らは助け合って生きてるんだ。本当の家族みたいにな」
花「…」
哀幻波「俺らは、人の心を助けたいんだ。他人を傷つけたり、見下したり、蹴落としたり、消そうとしたり…闇の心を持っている連中がこの世には五万斗いる。だから俺らはこの相談室を通して、人助けをしてる。凶器を持ってるのは、人を殺すためじゃなくて、その心を殺すためのものなんだ。そこは、間違わないでほしい」
花「…は、はい…」
ミカ「哀幻波さん、もしかして…」
哀幻波「それでも…内緒にしてくれるかな?」
蝶「兄さん!」
花「…はい!」