アゲハ ~第2話 金糸雀 氷雨7~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



氷雨「…で、昨日はあのままでよかったのか?」

蓮「うん」

翌日、蓮と氷雨は一緒に登校しながら昨夜のことを話していた

蓮「でも…こういうときは、お祖父さんに話すんじゃないんだね」

氷雨「あのなぁ…俺お爺ちゃんっ子じゃねぇし。仮に話をしたら大事になるの間違いねぇだろ?」

蓮「確かに」

氷雨「何もなけりゃいいけどなぁ」

蓮「あー大丈夫大丈夫。“自分から言ってくれる”から」

蓮がそう話すと校門が見えてきた

校門の前には、高杉がいた

高杉「おはよう、これから抜き打ち検査をやるぞぉ?」

目をギンギンにさせている高杉
頬には蓮が付けた大きな傷は無かった
様子からして、昨日の事は忘れているようだ

高杉「おっと!金糸雀ぁ!」

氷雨「な…何ですか?」

高杉「なんだぁ?その前髪は!」

氷雨「え?」

高杉「そんなに目が隠れるくらいの長~い前髪は校則違反だ!直ちに切ってこい!出来ないなら俺がやるぞぉ!」

そう言うと高杉はどこかからハサミを取り出した

氷雨「…!」

蓮「先生、それはやり過ぎでしょう?」

高杉「はぁ?山茶花、お前は何なんだその金髪は!学校は髪は染めてダメなんだよぉ!今は金糸雀の相手をしてるんだからすっこんでろ!」

氷雨「れ、蓮…!」

蓮「大丈夫だよ」

?「おやおや、何の騒ぎだね?」

と、そこにある先生が現れた

それは、桜田門高校の校長先生だった

蓮「あ、おはようございます」

氷雨「校長先生、おはようございます」

高杉「あぁ、おはようございます!」

高杉はサッとハサミを隠す

校長「高杉くん、これは一体何の騒ぎだね?」

高杉「あぁ、いえなんでもございません。ただー」

校長「ただ?」

高杉「つい先週金糸雀の奴が俺に恥をかかせましてねー」

氷雨「え?」

高杉(…あれ?なんだ?なんで口が勝手に…⁉(・・;)

蓮「…効果出たみたい(笑)」

蓮は高杉の様子を見てクスッと笑う
高杉は続けた

高杉「先週の学年集会で俺のスーツに値下げシールが貼られていたことを金糸雀が1年全員の前で言いましてー、それで俺が大好きな長谷川先生にも笑われてしまい、長谷川先生の前で俺に恥をかかせた金糸雀が許せなくてー!(な、なんで…⁉なんで口が勝手に…⁉)」

氷雨「え?あ…そういやそんなこと…(・・;」

高杉「すごくムカついたので、ノート集めだの色々パシりをやらせたり、難しい難問を解かさせたり、今も抜き打ち検査だとか言って、このハサミで金糸雀のうざったらしい前髪を切ってやろうかと思ってました!」

と、高杉は隠していたハサミを取り出す

高杉(え⁉手も勝手に⁉や、やめろ!((((;゜Д゜))))

校長「…その話、本当なのかね?」

高杉「はい!その通りです!(違うぅ!止めろぉ!((((;゜Д゜))))」

校長「はー…昨日君の酷い話を生徒達から聞いて、まさかかと思ったが…そういうことだとは」

高杉「え?」

校長「生徒が集めたノートを持っていったというのに何の感謝の言葉もなく、しかも怒鳴りつけて、物にまで当たったらしいじゃないか」

高杉「そ、それは…」

校長「挙げ句の果て、生徒の前髪を切ろうだなんて…教師がやっていいことではないよ。これは立派な犯罪だよ、傷害罪だよ?」

高杉「あ、いえ…えっと…!」

校長「後で校長室に来なさい、そこで君の処分を決める!」

高杉「そ、そんなぁ~!((((;゜Д゜)))」

高杉は地面に膝をついた

その後ろを蓮と氷雨は歩いていく

蓮「…口が裂けても言っちゃったね。まぁ俺のナイフはそういう効果だからw」

氷雨「蓮、ありがとう」

蓮「しかしまさか…長谷川先生が関係していたとは…」

氷雨「俺も悪かったけど…長谷川先生はとっくに結婚してるって知らなかったのかな?」

蓮「まぁともかく…暗殺完了(チェックメイト)」

蓮と氷雨は笑いながら教室へ迎えのであった


その後、教師・高杉信之介は懲戒免職となり、桜田門高校を追い出された
また、蓮と氷雨のクラスには新しい担任がやって来たのであった



ー第2話 金糸雀 氷雨ー  


 完






○NEXT●
→次の舞台は中学校!
 ミカがいじめられっ子と遭遇…⁉