アゲハ ~第2話 金糸雀 氷雨4~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



氷雨「……え?」

昼休みの委員会が終わった直後
氷雨の机の上には、山崎に渡したはずのノートの山が置かれてあった

さらに、自分の机の目の前には高杉がいた

高杉「金糸雀く~ん?これはどういうことかなぁ~?」

氷雨「え?い、言ってる意味が…」

高杉「俺お前に頼んだはずなのになんでお前が持ってこないの?」

氷雨「え?」

高杉「山崎に押し付けてさぁ、すんげぇ迷惑してたぞ?」

氷雨「え?いや押し付けてません。山崎が委員会に行けないから…」

高杉「なんか反抗的だな」

氷雨「え?」

高杉「あのなぁ、頼まれたことはきちんと責任持って自分でやるんだよ。なのに他人に任せるとか」

氷雨「だ、だから俺は…」

高杉「そこは“すいません”だろオイ!」

バンッ!と高杉は氷雨の机を叩く

高杉「謝ればいいんだよ!何反抗してんだよ!習わなかったのか⁉目上の人には反抗してはいけませんって!」

氷雨「で、でも…」

高杉「おかげで昼休みまでに間に合わなかったじゃねぇかよ!」

バンッ!

氷雨「!」

高杉はげんこつで氷雨の机を叩く

蓮「おいおい…」

山崎「ちょっと…何の騒ぎですか?」

そこへ山崎が戻ってきた

折原「山崎、お前どこ言ってたの?」

山崎「え?いやちょっとトイレに…」

折原「お前いなくて氷雨大変なことになってるよ?(・・;」

山崎「え?」

氷雨「あ、や、山崎!」

高杉「あ~、山崎。お前さぁ、金糸雀からの頼み事受けなくていいからね?」

山崎「え?」

高杉「自分が頼まれたことは自分でやるって言ってるから、余計なこともしなくていいから」

山崎「え?余計なことって…?」

高杉「他の皆もそうだぞ?金糸雀からの頼みは受けないことだ!分かったな?」

「えぇ~…」

「何あれ…酷くない?」

高杉「返事は⁉」

「は、はい…」

高杉「ったく…間に合わなかったし…。おい金糸雀」

氷雨「!」

高杉「罰として今日の教室掃除はお前1人でやれよ?」

氷雨「え?」

高杉「え?じゃねぇよ!やれ!」

氷雨「は…はい…」

高杉「他の皆も手伝うなよ⁉いいな⁉」

そう言うと高杉は教室から出ていった
教室に漂っていた緊張感が一気に解放された

氷雨「…はぁ…」

蓮「氷雨…大丈夫?」

山崎「あ、あの…僕よく分からないんですが……」

折原「山崎がノートを持っていったけど、それが頼まれた氷雨がなんでやらないんだって怒ってたんだよ」

山崎「え?そうなんですか?ごめんなさい…」

氷雨「いやお前は悪くねぇよ…」

山崎「でも…お願いしたから余計に……」

蓮「それにしてもあの怒り方は無くない?山崎だって事情があって代わったのに……」

氷雨「最近なんだろう…目の敵にされてる様な気がする……」