創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



輝人「他のアビリティの、影響を受けないだと?」

クロノス「あぁ、お前も実際に見たろ?俺には炎も酸も効かない。あの実験で新しいアビリティを手に入れられると思ったが失敗し、逆にどんなアビリティでも、影響を全く受けなくなった」

オクトパス『見た目が酷く歪んでいると思ったが、その能力を手に入れたと言う代償か』

茉莉花「そう言えば、この迷宮と化した水族館から1番早くこの巨大水槽前に戻ってきたわね。それが理由なのね」

この名古屋港水族館を迷宮にした時、クロノスもあの迷宮の中にいたはずだ
だが迷宮と化した直後に、難なく巨大水槽前に戻ってこれたのは、この能力が身についたおかげだ

クロノス「俺にとっては、迷宮前の水族館と同じだったからな。迷いなく戻ってこれた。見た目は酷くなったが、この力を手に入れた事には感謝しないとな。まぁ、残念なのが…他のアビリティの影響を受けないと言うことは、回復も出来ない事だが」

優作「っ…」

クロノスと優作の眼が合う
アビリティの影響を受けないと言うことは、優作のアビリティである“回復(healing)”の対象にもなれないと言うことだ

輝人「…その力を持ってんのは、お前以外にいるんだよな?」

クロノス「あぁいるさ、あの実験に参加したメンバーは皆、他のアビリティの影響を受けなくなっている。我々は、この能力を持ったネクロを…“バロウワイト”と名付けた」

輝人「バロウワイト…塚人か」

ゆに「あんな能力を他にも持ってる人がいるなんて、聞いてないんですケド〜!」

始「塚人…ってなに?」

ニコール「いわゆる不死の怪物、アンデッドクリーチャーの事よ。要は、死体や死者の骨に憑依して操る悪霊のことね」

航平「悪霊⁉︎」

エドワルド「死体に憑依して、人々に襲い掛かり、塚…つまりは墓に引きずり込んで、呪い殺そうとする事が得意だと聞いています」

カンナ「塚って…そう言う意味なんですね」

輝人「呼び方なんて、どーでも良いが…アビリティが効かないってのは厄介だな」

そう言うと、輝人はサーベルを取り出す
素手で持ち手を握っているため、刃に火が灯される

クロノス「ほぉ、そのサーベルは…」

輝人「気付いてないと思ったか!?アビリティの影響は出なくても、物理は効くみたいだな!」

クロノス「!」

クロノスは他のアビリティの影響を受けない
だが物理は別だ
先程から輝人が様々な攻撃を仕掛けては、多少ではあるがダメージは喰らっている
サーベルを使ってクロノスに攻撃を仕掛ける輝人だが、クロノスはダガーナイフでそれを受け止める
キィンッ!キィンッ!と刃物がぶつかり合い、火花が飛び散る

クロノス「よく観察したもんだな。攻撃を続けるとは、流石だ」

輝人「俺だって何も考えていない訳じゃないんでね!」

クロノス「なら、これならどうだ?」

クロノスは輝人が向けたサーベルを流し、その流れに乗って、輝人の頭を掴む
同時に輝人の頭に、衝撃が走ったような感覚が襲いかかる

輝人「ぐぅっ!このっ!」

サーベルを横に払い、クロノスを遠ざける
サーベルの刃が、少しクロノスの手に当たったが、クロノスは気にしない

茉莉花「っ…!」

輝人「今のは……てめぇ、何しやがった!?」

クロノス「なぁに、ちょっと記憶を読んでみただけだ。そんで…“覚醒した”俺のアビリティは、こんなことも出来るんだぜ」

そう言うとクロノスは自身の両手の掌を合わせる
そしてまた掌を同時に広げると、キラキラキラ…っと何か光が現れた
その光は集まり、形を変え、人型の様に変わってきた

日奈子「なに?」

ニコール「人…?」

輝人「…!その大きさ、まさか…!」

輝人はその光が人型になっていき、大きさですぐに分かった
光が収まると、その下からまさかの人物が出てきた

ツバサ「…え!?」 

東郷「嘘…だろ!?」

薫子「えっ…!」

茉莉花「あっ…!」

輝人「…!嘘、だろ…?」

その光から現れた人物を見て、輝人や檻の中の一部の者達は反応する
現れた人物が、よく知っている人物だったのだ

ルチア「…久し振りね、輝人」

輝人「し…!師匠!?」

それは6年前に骨喰影近に殺された輝人の師匠である、舞白ルチアだった
衣装も当時のままで、腰にサーベルも下げてある

ツバサ「ルチア!」

東郷「嘘だろ…!?本物か!?」

薫子「ルチアちゃん…!」

茉莉花「本物…なの?」

輝人以外の者も、ルチアの登場に驚く
栗栖達から話を聞いていた日奈子達は、初めましてだ

日奈子「あの人が…ルチアさん?」

始「写真で見た通りの人だ…」

サミュエル「人を、生み出した?そんなことが出来るの?」

エドワルド「待ってください、今“覚醒した”と言ってませんでした?」

クロノスが言った言葉に気付くエドワルド
質問をしようとしたが、その時とんでもない光景が眼に入る

ルチア「…輝人、覚悟は出来てるわね?」

輝人「…!師匠…?」