ローマのキタラ |  ランゲンディンゲン便り

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 Brief aus Rangendingen

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「キタラ」が短く、

 

お里帰りをしました。

 

 

 

「キタラ」とは聞き慣れない名前、

 

そう思われた方があることでしょう。

 

 

「ライアー」「リュラ」と言った方が

 

若干馴染みがあるかもしれません。

 

 

 

「ライアー」というと

 

日本では

 

シュタイナーの楽器だけが知られていて

 

 

でも、実は色々あるのです。

 

 

 

割と近年、

 

ここランゲンディンゲンから

 

それ程遠くない場所

 

そこでも、

 

「アレマーニュ」*のライアーが

 

発見されました。

*ケルトの後、移り住んだ人達

 

 

もちろん、

 

 

同輩エリックはそれも復元しています。

 

 

 

 

さて、お話を戻して、

 

 

 

「ローマのキタラ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランゲンディンゲンの外れ、

 

 

隣町に入ったすぐに、

 

 

「ローマ遺跡」があります。

 

 

大きな規模で、

 

王族か、豪族?

 

 

 

それなりの、宮殿のような立派な遺構です。

 

 

 

Villa Lustica 

 

 

 

 

 

 

 

ここに納められた一台が

 

お里帰りをしていたわけです。

 

 

もう、10年ほどになる楽器、

 

 

チェックをしなければいけません。

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに見る、

 

 

「ローマのキタラ」です。

 

 

 

 

 

 

「ハープ」と似ているようですが、

 

弦の長さが一定であること、

 

弦の胴への接着点がどうなのか、など

 

 

違いがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの「キタラ」は

 

「アポロ」の「キタラ」でもあります。

 

 

ローマ帝国の境界線は

 

「リーメスシュトラッセ」と呼ばれ

 

中国の「万里の長城」ほどではないけれど、

 

 

それなりに築かれています。

 

 

 

 

 

 

この写真、境界線の右寄り、

 

 Weissenburg

 

 

ここでたくさんの「神々」

 

ブロンズ像が発見され

 

 

その1つがこの「アポロ像」

 

 

 

小さいけれど、

 

 

驚くほど、美しい、「神々」

 

 

紀元0〜500年程のものだと言います。

 

 

 

他にも

 

「ヴィーナス」が

 

「金」の腕輪をしていたのが印象に残っています。

 

 

 

 

 

Weissenburg Museumにて

 

 

 

 

このブロンズ像に基づいて、

 

数々の議論、セッションが続き、

 

 

やっと完成した楽器でした。

 

 

 

「神々」の時代、

 

 

古くは、この楽器は

 

 

「未婚の若い男性」だけが

 

 

弾くことを許されたそうです。

 

 

 

 

「アポロ」は音楽の神でもあり、

 

 

「キタラ」の名手だったようですが、

 

 

 

実はその「アポロ」に挑んだ人間もいる。

 

 

「マルシアス」

 

 

彼は負けてしまい、

 

 

刑にて、吊るされてしまう。

 

 

 

彼の一派である、グループが使った、

 

 

「アウロス」

 

 

2本の笛を同時に吹くような形態、

 

 

この笛の彫刻も

 

 

この場所から見つかっています。

 

 

 

 

 

 

 

オリジナルの土台の上に、

 

 

復元されている建物

 

 

 

びっくりするほど、

 

 

大きな遺構の数々

 

 

彫像など、

 

 

ここに来ると、

 

 

一体ここはどこだろう、と感じます。

 

 

 

 

 

 

 

<ブルグホーエンツォレルン>を

 

 

遠くに眺める丘の上

 

 

背後には、森が続くシチュエーション

 

 

 

下には、川も流れていて

 

 

住むには絶好の場所だったのでしょう。

 

 

 

 

今日は、

 

 

ほんの少し、

 

 

「古」のお話。

 

 

 

 

ついでに言えば、

 

 

古の響き、音は

 

 

やはり、ハープとは違う、

 

 

どこか、

 

 

「男性」の楽器だったとうなづける、

 

 

でも、面白くて、

 

 

しばらく弾き続けてしまいました。

 

 

 

 

ローマの香り、

 

 

「アポロ」の愛した楽器、

 

 

 

今日はそんなお話でした。

 

 

 

 

❤︎