キツネ! |  ランゲンディンゲン便り

 ランゲンディンゲン便り

 Brief aus Rangendingen

南ドイツの街、からのお便り
季節のもの、伝統、歴史、豊かな自然、気持ちのまま綴ります。

 

 

先週、出かけようと、走り出した時でした。

 

 

「キツネ!」

 

 

 

同輩が、息を吐くように言いました。

 

 

 

え、どこ、どこ?

 

 

 

 

動物を見つけるのには、動体視力がいりますね。

 

 

 

すぐ消えてしまって、私たちもしばらく行ったのですが、

 

 

「戻ろうか。」

 

 

 

 

Uターンして戻ってみると、

 

彼は茂みの中。(冒頭の写真です。)

 

 

 

さらにUターンしてくると、もういない。

 

 

 

「いなくなっちゃったね。」

 

そういった途端、

 

 

あ、あそこ!

 

 

 

 

 

 

堂々と道を横断していました。

 

 

 

ここは日本でいう「県道」のような道。

 

スピードは100km制限ですが、

 

 

 

ということは皆120kmくらいで飛ばしていきます。

 

 

(アウトバーンにはところどころ、制限なしの場所がある国です。車の国。)

 

 

 

 

「あぶないよ。」

 

 

 

そんな私の声は聞こえたか、聞こえなかったのか、キツネさん。

 

 

 

 

 

 

何度も目が合いました。

 

彼は怖気ず、堂々としたものです。

 

 

犬と違って、初対面で愛嬌を示すことのない、自然児の動物です。

 

 

 

 

でも、お互いに、敵意はないな、と感じる一瞬でした。

 

 

 

 

 

 

お腹がすいているのに、違いありません。

 

 

普段は、ネズミだのを探すらしいのだけれど、

 

 

雪に閉ざされている、この日々。

 

 

 

 

「きっとランゲンディンゲンにも来てるよね。」

 

 

 

この茂みの向こうはランゲンディンゲンです。

 

 

来てもゴミを漁ることはありません。

背の高いゴミ用の箱、コンテナは完璧です。

収集は月2回だけですが、不便ではなし。

 

キツネはニワトリだのを探すんでしょうね。

 

あったら「油揚げ」なんてあげたいけれど、ここにはなし。。

 

 

 

 

この日、

 

シュトュットガルトまで行くと、

 

雪は少なく、

 

 

また、晴れていました。

 

 

 

ランゲンディンゲンでは

 

<ホッホネーベル>といわれる、霧、

 

地上にはないけれど、雲のように高い位置に霧が立ち込み、

 

 

日が射すことがないんです。

 

 

 

 

もう、これが嫌になるほど、続いています。

 

 

 

この日は帰り道、久しぶりに見るお日さまを

 

しげしげと見つめました。

 

 

色があるって何て素敵なんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

*今日は厳寒です。朝、マイナス14度。今、お昼で、マイナス6度。

 

キツネはどうしたかな、と思いつつ、

 

みな、寒い、

まだ寒い、

「冬の日々」です。

 

 

この前の「Fingerhut」=指のお帽子には

 

裏側に、疾走するキツネがいました。

 

ちょっぴり、前よりずっと、親近感を持った「キツネ」でした。