時々呼び出しがかかる、この自動車作業場。
ここの車はオールドタイマーならぬ、ヤングタイマークラシック、
いわゆるユーズドの車だけれど、もちろん普通の乗用車より、
もっと垢抜けた素敵な車ばかり。
(ここバーデンビュルテンベルク州はメルセデス、ポルシェのお膝元。
あ、アウディもかな。)
車音痴の私は車は車でいい、そんなのんきな認識しかないけれど
ここに来ると、それなりにふーん、素敵だな、スタイリッシュだな、と思う。
日本からもメルセデスだのポルシェだの逆輸入して、手を入れて再び売る。
(日本での車は走行距離が短くとてもいい、という。
でも、ポルシェはほとんど、事故車とか。)
その時、車検証書の日本語を訳すため、わたしが呼ばれる、というわけ。
専門用語はちんぷんかんぷんだけれど、読み上げるだけでもいいらしい。
「去年は災難だった、」とオーナーの彼;夏、7月かな、
契約を済ませた車が輸出を前に、横浜だか、品川だかに停めてあったのだけれど、
なんと車の窓が全開だったそう。そこへ大きな台風!!
雨が振り込み、中がずぶぬれになってしまった。
その状態でヨーロッパ、ドイツのハンブルグに到着した車はカビだらけ。
そりゃ、そうでしょう。南を周り延々の船旅。
彼の嘆きもわかる。
今回の頼みは、日本製のナビの音声をドイツ語に変えたい、というもの。
いろいろ、試みたけれど、うまくいかず。
日本のメーカーに問い合わせてみるね、と私。
とても穏やかないい感じの<車マン>なので、私は「お礼はいらない。」といって
のんびりの付き合い。
その時々の珍しい車をみるのも楽しい。
手前はポルシェ、向こうはBMWのZ3。
この後、私たちのZ3に乗って、私の運転練習に出かけたけれど、
スポーツカーの運転は初心者向きではない。座面は低くよく見えず、カーブが
どちらに曲がるのか、道も知らない私はゆっくりになる。
このあたり、標識がないところは100キロで走らなければならない。
(日本でのいわゆる市道、県道)(アウトバーンの所々はスピード無制限!)
うちの両親は免許がなく(父はバイクとスクーターに乗っていた。)
いつもバスと電車に乗って育った私はスピード感音痴!
同輩にしかられ、今日は落ち込み。。
おまけによったカフェでは散々、じろじろ見られさらに落ち込む。
大きな都会ではあり得ないが、他では露骨にやられる。
人間を見る目、ではない。
私はこれが苦手で、10年経った今も慣れることができない。
ヨーロッパの白人優位意識は、今もれっきとしてある。
そう思っていた方がいい。
わかっているけれど、あまり気持ちのいいものでもない。
ツーリスト、旅行者、留学生はいい、けれど定着する人間に対してはとてもシビア。
少し、緑が増した牧草地。
緑いろが目にしみた……



