小さな宴 |  ランゲンディンゲン便り

 ランゲンディンゲン便り

 Brief aus Rangendingen

南ドイツの街、からのお便り
季節のもの、伝統、歴史、豊かな自然、気持ちのまま綴ります。

昨日はまた、雪になった。

春の寄せ植えにしようと思っていた植物もご覧の通り、雪帽子。

 

夕方からやってくる二人の姉妹を心配したけれど、大丈夫!

ドイツの道路は確実に、きれいにされているので、安全にやってきた。25.02.16

姉は私たちと共に日本を旅したこともあるけれど、妹はまだ日本食を食べたことが

ないというので、スタンダードにお料理しました。

初めのお口取り。

ドイツは海が遠く、おサカナ事情が悪い!

今日、使ったのは<ヘーリング(にしん)のジュレ>のジュレ部分を取り、

お大根の桂剥きで巻いた。

 

 

”シュバルツヴルツエル”のきんぴら、椎茸の肉詰。ねじり梅の人参。

すこ~し、日本情緒が出せたか、どうか。

 

後は、鳥の唐揚げ、ちょっぴりお魚団子を入れたミニ茶碗蒸し。

デザートに<ココスジュレ>、あ、もちろんお寿司も。

(作りながらバッハを聴いていたので<バッハ寿司>なんて!)

作るのに忙しく、写真を撮ることを忘れた。

 

二人からは、海苔が珍しいらしく、

「水につけて使うのか?」との珍質問。

ドイツ人は巻き寿司がお寿司と思っているらしく、スモークサーモンの

箱寿司に?これは何?(私は愛知出身なので箱寿司をいつも作る。)

いくら はないので、いつも<フォレレ>(マスの卵)を使うのだけれど、

妹が「なくてもいい。」というので、(ははあ、嫌いなのね。)

レモンと<クレッセ>クレソンの小さな芽、を飾った。

巻き寿司は人参とインゲン、卵、そしてハム。

 

今日のお客はよく食べてくれた。

プラクティカンのヤコブも「自分はラッキーだよね。ハープ作りは置いておいて

ご飯だけ食べに来たい」これにみんな、大笑い!

 

日本食初めての妹も、全部写真に撮って、「どんなものか、と思っていたけれど、

おいしかった、、」と言ってくれてやれやれ。

日本と違って食材が難しい。

お醤油もお酒もけちって使っているし、食材、

お豆腐なんてまったく別物!固すぎるか、柔らかすぎるかのどちらかだ。

次は自分で作ることを考えねば、、、また、お米!

いかに日本のお米がすばらしいか。トルコ人のお店でお米を買えてやれやれだけれど、

冷めるとおいしくないし、お寿司にもイマイチ。日本は遠い!

 

日本から見れば、<真似っこの日本食>

 

お料理はほかの人へのプレゼントだと、思っていたけれど、昨日、思う。

違う、自分への回帰かもしれない。

人参をねじり梅にしながら、お正月前、いつも実家で作っていたことを思い出す。

ご飯を終えた後、テレビを見ながら、家族と談笑しつつ、人参を削っていたっけ。

遠い思い出。

 

また、お料理は音楽をすることとも似ている。

私にとっては回路は同じ。

いろいろなことを取り去って最後に残るもの、それがエネルギーの源。

キザだけれど”愛”かもしれない。

ほかの人へも自分へも、物も含めて、、、

 

後かたつけをしながら、二人からのプレゼントがうれしかった。

 

24.2.2016

次なる季節テーマは、<オースタン>イースターだ。

かごに植えられたムスカリ、こちらでは<ぶどうヒヤシンス>というそうだ。

いつだったか、野原がこのムスカリだらけだった。

行けども行けどもムスカリ野原。淡い紫、小さな原種のムスカリ。

踏みたくないのに、踏まないと歩けない、、、

ウサギさんもオースタンの主人公。

 

外で<マイセ>四十雀、しじゅうからが鳴いている。

春を告げる鳥。

春までもう一息!