昨日は、うちの婆さんの老人ホームへと
前回ブログでも好評だった→とろんとろん豚バラシチューを下げて出かけました
お箸がスッと通るほど柔らかく煮た豚バラは歯の悪い婆さんでも美味しく食べられるだろうと思って作ったのです
ホームはいつも静かで、どの部屋の扉がきっちりと閉められてプライベートは守られています
お見かけしたのは食堂で
介添えが必要な入居さんが皆さんよりも前に職員に見守られながらおやつを食べておられました
どことなしか表情が固いのは認知症が原因なのかもしれません
とエレベーターの前でお綺麗なご婦人と出会いました
白い肌はきちんとファンデーションが塗られ唇は綺麗な赤で彩られ、髪はきちんとセットされていて美しい
手押し車にもたれかかるようにして
降りてくるエレベーターを待っている様子
「こんにちは」と声をかけるとにこやかに会釈して下さいました
施設の中でも、入居前までの自分のスタイルをやめることなく自分軸を守っておられる人もいる
その後に見たうちの婆さんときたら相変わらず、シャツの前が食べこぼしで地図を書いたように汚れている
着替えるように言っても、意に介さず平気な様子
だらしなさに拍車がかかって、同じ女性なのにこうも違うのかと思いました
すると廊下から「ぎゃーっ」と女性の叫び声がして出てみると
浴室の方から、言葉とも声とも取れぬが
言い表しようのない叫びが続けざまに聞こえてきて
部屋に戻って「なんか嫌なんやろうか?」と婆さんに尋ねると
「いやーいつもそう言わはんねん」と慣れっこの様子
週三度の入浴の度に介護される方もする方も大変な事がいっぱいあるんだろうなと感じるのです
本当はダメだけれど、小さなパン屋さんの
季節限定の桜餅あんぱんを婆さんに渡しました
親の介護では時には他人の何気ない一言が心に引っかかったりします
あの人、親を老健に入れたんだって、なんで自分で世話しないんだろう?
なんで仕事を続けるのだろう?お金に困ってる様子もないのに…
私は、親との時間の長さを考えたら出来るだけの事はしてあげたいと思うのよ
と仕事関係で知り合った女性
介護未経験者の何気ない一言ですが、もしその時がきたら介護離職できるのかしらと思います
介護の大変さはまだまだ認知度が低く周知されていません
介護事由も千差万別
人それぞれ性格が違うように老い方も違う
あの綺麗なご婦人も、無表情な食堂の人達も、全身の力を振り絞って何かを訴える女性も、そしてうちの婆さんも、それぞれ事情があって入居しているです
今日は息子は職場の送別会があるそうです
遠距離で暮らす親御さんが認知症になり大企業を退職
単身で戻り再就職した先が息子の勤める会社です
置いてきた家族と、介護と二重生活をしつつ働くものの一年で生活が破綻
一番の原因が減収だったそうです
自分の生活を守りつつ、親の介護をする難しさ、元の職場に戻られる事に‥
経験してみないと分からないのが介護だと思います
夜に婆さんからお礼の電話がありました
とっても元気な明るい声で
「今日はおおきに」
「あのパン美味しいかったわぁ」
「ほなお休み」ツゥーツー
切れてる
シチューは⁈お気に召さぬようでした
月に2回コラム書いてます