日曜日だというのに

 
出勤するより早く家を出て
 
不用品買取業者と実家の家財道具引取りの
 
見積もり作業
 
妹が20年前に置いていった
 
3LDKのマンション分の家財道具は
 
一年ほど使っただけで
 
実家に放置
 
 
 
ほぼ新品のソファーやテーブル等
 
フランスベッド等
 
傷一つないのに
 
買取不可能=粗大ゴミ
 
 
 
実家にあったもので買取できたのは
 
TVのみ、3000円
 
 
 
うちの婆さんは
 
我が家に来る時、着の身着のまま
 
実家を片付ける事をせず
 
流し台にはお茶が洗い桶に置かれたまま
 
冷蔵庫には食材が入ったままやってきた


 
それから四年の時は経っているが
 
実家だけが帰らぬ家主を待ち続け
 
時が止まったようだ
 
 
実家の冷蔵庫の中身を始めとして
 
5DK+納戸に置かれた負の財産は
 
2tトラック3台程で一気に処分する事なるだろう
 
見積もり金額は25万円
 
他の業者にも見積もりを取るつもりだ
 
 
業者さんと話ていると
 
隣のおばちゃんがやってきて
 
 
要介護5のおっちゃんの特養での様子や
 
近況報告を止まる事なく話始めた
 
 
隣のお家はうちの実家の親と同年代
 
子供は息子2人
 
うちと子供達は実家を離れ独立
 
おっちゃんが特養に入ったので
 
老老介護も終わり
 
おばちゃんは独居老人となったのだ

今年75歳になるおばちゃんは

花壇に四季折々のお花を咲かせ

お洒落な手編みのベストを作り

数キロ離れたショッピングモールに

自転車で買い物に行き

暇があればスマホでゲームをしている

自分で楽しみを見つけ

日々暮らしているのだと言う




 
この隣合わせに建つ家を見る度に
 
堅実に丁寧に日々を送るか否かで
 
こうも違いが出るなかと
 
つくづく思い知らされる
 
 
おばちゃんはとても堅実な人だと思う
 
 
家を建てて数年後まだ働き盛りの頃
 
おじちゃんがクモ膜下で倒れ
 
一命を取り留めるも
 
脳に障害が残り
 
とってもやりにくいおじちゃんになった
 
そのおじちゃんを自宅で介護しながら


縫製の内職をして暮らしの足しにしていた
 
 
おじちゃんが一生懸命働いて建てたお家だからと
 
夫婦で寄り添うように
 
いつも綺麗に掃除をしていた
 
 
お庭もなかったのに
 
コツコツと花壇を作りお花や木を植え
 
何年もかけて門とアルミの柵塀を建てた
 
いつの間にベランダまで後付けして
 
上から声をかけられびっくりした事がある
 
 
おじちゃんの介護をしながら
 
毎日を丁寧に慎ましく
 
大切に家を守っているようにみえた
 
築32年程のお家だが
 
その古さを感じさせないように手入れが
 
行き届いている
 
 
それに比べて我が実家
 
築40年
 
傾きも歪みもないのに
 
本当におんぼろボロボロ
 
うちの婆さんが
 
家を愛しんでる姿を見た事がない
 
 
生き物同様
 
 
愛がなければどんな物も錆びる
 
 
 
 
この隣合わせた2つの家を眺めるたびに
 
日常生活の小さな手間の積み重ねが
 
長い年月を経て
 
暮らしの質に大きく差がでる
 
まるで教科書に載っているような
 
うちの実家とお隣のさん
 
 
不用品回収業者から見積もりを受取り
 
次に向かった先は不動産業者
 
 
でもその前にタリーズでお茶
 
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このふんわりピザとシャキシャキレタス
 
美味しく頂きました
 
親の家を片付ける

まだまだ先は長そうだためいき

 
 
 
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