19日は亡き父の誕生日
生きていれば82才
朝から婆さん(母)が
『今日はお父さんの誕生日やからケーキ買いに行ってくる』と
『もう亡くなってるねんから、お饅頭でもお供えしたら』と私
『誕生日はやっぱりケーキやから!』
この炎天下の中
杖をつきつつ
家からバス停まで婆さんの足で15分
バスに乗って駅に着き
駅にもケーキ屋さんはあるのに
自分の地元まで
電車に乗って4駅
その駅の高架下モールにもケーキ屋さんはあるのに
そこから又婆さんの足で30分近く歩いて
お目当てのケーキ屋さんまで行ったらしい
そこは生前の爺さんが大好きだったケーキ屋さん
ケーキ屋さんは、杖をついてる婆さんを見て
頼りないと思ったのだろう
ケーキの生クリームは箱から出したら
5分程で溶けると言ったらしい
30分歩いて来た道を
また同じだけ時間をかけ駅まで戻り
近くのダイエーで氷を貰い
ケーキが溶けないように(そんな訳ない)冷して
又同じ時間かけて帰ってきたらしい
そのケーキがこちら
6号ケーキは婆さんの腕の力では均等に持てなかったのだろう
箱に当たってへちゃげていた
帰って直ぐに爺さんお供えをして
5分で溶けるから(笑)すぐに冷蔵庫にしまったらしい
お夕飯後、切り分けたケーキを家族でいただく
お皿によそって爺さんに供え
また5分程したら下げて、婆さんがそれを食べた
物心ついた時から離婚したらいいのにと
思っていた
40代
余りにも喧嘩ばかりし
50代
婆さんの更年期のイライラを爺さんに
酷い位にぶつけて
60代
束縛し合う夫婦となり
どこに行くのも常に一緒
70代
束縛は寄り添い合うという変化をとげ
金婚式まで後少しのところで永久のお別れ
亡くなった夫のお誕生日ケーキを買う
亡くなっても尚、愛おしいのか
亡くなってしまったから、愛おしいのか
さっさと夫婦道をリタイアした私には永遠に分からない
ケーキを頂きながら
私には人としての修行が足りませんかな?
と爺さんに聞いてみたくなった
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