通夜・葬儀の手配は、近親者としたのでス
ムーズに進んだ。周到だった父は連絡先や写
真などきちんと机の上に準備してあった。
介護施設の母に父の訃報を報告する。家族
の認知もままならない状態が7年も続いている
ため反応薄く。。そんな母もケア担当の報告
によると飲み込む力が弱まっており誤嚥性肺
炎の可能性があるとのこと。みな同じ道をた
どる。父のように苦しんで欲しくない。
自宅の目の前が祖母の実家で血縁があるた
め、葬儀の知らせを持参する。家長のおばさ
んは叔母よりは遠い親戚になるが、出身高校
が互いに一緒なので話が合う。教員を務め上
げ、56歳で父親(祖母の甥)の介護のため、
早期退職した。父の世話をしていた私を気遣
ってくれる。
母の妹にも連絡し、通夜に来てもらうこと
に。この叔母はにぎやかな人だ。父と同い年。
前段のおばさん同様、職業婦人で洋裁の技術
をいかし、プレタポルテの洋服を都内の裕福
なご婦人向けに仕立てる仕事を続けて来た。
父への思いを述べてくれる。私への気遣いも。
おばたちと話をして気持ちが落ち着いた。
こんな時、心の頼りになるのは先を歩いて来
た女性たちだ。