関節症性乾癬から乾癬性関節炎へ

関節症性乾癬との病名を、世情に従って乾癬性関節炎と書き変えることにしました。感染性と間違われるので関節症性という旧名を使っていたのですが、今はどこも乾癬性関節炎との記載が多いです。すべて変更済みです。

 

乾癬性関節炎(AS/ arthropathic psoriasis)とは

自己免疫疾患。膠原病に分類される。乾癬性関節炎は、世界人口の0.3%~1%が罹患する。男女共に同等の頻度。アジア系やアフリカ系には一般的ではなく、白人の有病率が高い。

 

皮膚疾患である乾癬に合併してみられる関節炎。男女比は同率で30~40代の発症が多く、乾癬性関節炎は乾癬患者(有病率0.3%)の10%程度と考えられている。

乾癬は炎症性角化症で、刺激を受けやすい肘、膝、腰部、頭部などに生じ、表皮細胞の異常増殖により鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑局面で、半数はかゆみを伴う。

 

爪乾癬を呈することも多い。乾癬性関節炎での関節炎の炎症の主座は付着部であり、付着部炎から皮下や関節に炎症が及んでいく。乾癬の部位では頭皮、爪乾癬、臀部/肛門周囲、3カ所以上の皮膚病変、などで乾癬性関節炎の発症が多いと報告されている。また、乾癬患者には肥満が多く、乾癬、関節症状、肥満の間で相関が指摘されている。

 

原因

遺伝と環境的要因の組み合わせといわれる。罹患者の1/3~1/2は乾癬を患っている親戚がいる。約25%~50%がHLA-B27遺伝子型を持っている。肥満や高血圧とも関連している。

 

症状

関節炎、非対称の少数関節炎、関節リウマチ様の多関節炎、脊椎炎、ムチランス関節炎の五つに分類されたが、進行とともに多関節炎となることが多い。関節リウマチと同様に関節破壊から機能障害をきたす。罹患関節の発赤、付着部炎、脊椎病変、圧痛などの特徴がある。

 

乾癬性関節炎で見られる末梢関節炎は同一指の複数関節が侵されることが多い。非対称性の関節病変分布となりやすく、左右の同一関節に症状があらわれやすい関節リウマチと異なる。付着部など骨周囲の炎症から指全体に炎症が及ぶと指趾炎となる。

 

乾癬性関節炎の40%に脊椎炎が見られることから脊椎関節炎※に含まれ、前部ぶどう膜炎や大動脈閉鎖不全症などの関節外病変を伴うことがあるが、これらは毛様体や大動脈弁の付着部炎とも考えられている。

 

※脊椎関節炎

脊椎・骨盤・胸骨の炎症が主体の病気の総称。

強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、掌蹠嚢胞性関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎等が含まれる。欧米諸国と比較し、日本では人口の0.05%といわれ、稀な疾患と考えられてきたが、MRIやエコーを用いた分類基準の改訂により、0.1 %(関節リウマチの10分の1)はいるのではないかと考えられている。治療は、十数年前までは消炎鎮痛剤しかなかったが、生物学的製剤が有効であることがわかり、日本でも2010年から投与可能となり、改善が期待される病気となった。

 

乾癬が先行することが大部分で、爪乾癬(点状陥凹、横縞、爪の剥離、肥厚と破壊)を伴うことも多く、その爪郭部ではダーマスコープにて毛細血管末端の回転や曲りくねりを見る、これらは関節リウマチとの鑑別になる。

(後半へ続く)

 

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