3/13(日)サントリーホール。
「公演は予定通り行います。本ホールの耐震は万全です。ご安心ください・・」
開演前のアナウンスです。
東芝グランドコンサートに行ってきました。
この日はチョン・ミョンフン指揮 による チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、
演目は
チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調。ソリストは10代のピアニスト、チョ・ソンジン。
そして、もうひとつは
ドヴォルザーク 交響曲 第9番 ホ短調 Op.95 「新世界より」です。
すばらしい内容です。
当然、チケットは完売になりました。
でも、
席を埋めたのは8割に届いたでしょうか。
こんなに空席の目立つコンサートは初めて経験しました。
18日に予定されていた仙台での公演は中止、
19日のミューザ川崎は地震の影響で使用不可能になってしまい、中止が決定していました。
当日まで私たちはサントリーホールのHPを何度も見て、公演決定を確認し、会場へ向かいました。
観客の私たちもそうですが、
異国での惨事を目の当りにした外国人である演奏者たちは、はたして冷静でいられたのでしょうか。
「新世界より」は
ドヴォルザークが滞在中のアメリカから祖国ボヘミアを懐かしく思い作られた曲です。
演奏者たちも
それぞれの故郷を思い、早く家族のもとへ帰りたい気持ちであったのではないかと思うのです。
もちろん、演奏は完璧でした。
チョ・ソンジンのピアノは滑らかで、私たちの震えた心を優しく包んでくれました。
チェコフィルもゆとりある、かつ熱い演奏でした。
アンコールを終えて、
観客が徐々に席を離れていくなか
指揮者チョン・ミョンフンが再びステージに現れて
そっと手を胸にあて、静かに一礼しました。
それに私たちも拍手と笑顔で応え、
言葉こそありませんでしたが、互いにいたわった瞬間でした。