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gentle sunshine

かわいいお花と大好きな音楽とほっこりすること。






(2014.6.13-6.22 ウィーン・パリ旅行より)

パリのパサージュ、ギャラリーヴィヴィエンヌです。




NHKの「世界ふれあい街歩き」で見て以来、いつか行きたいと思っていました。



ガラスのアーケードから感じる薄曇りの太陽とオープン前の静寂・・・
現実から抜け出したようです。



パリっ子に憧れたひとときでした





旅行から2ヶ月過ぎてしまいました・・・
ブログ作業に気持ちが向かない日が続いています。
でも、やっぱり残しておきたい・・・これから旅行される方のお役に立てれば・・・
簡潔になるのは本意ではないのですが、残すことを優先したいと思います。



(2014.6.13-6.22 ウィーン・パリ旅行より)

この日は夜にオペラ・ガルニエでバレエの予定があったので、遠出など無理をしないでパリ市内で過ごすことにしました。

旅行中のパリは、朝曇って昼頃から晴れという日が多かったように思います。
曇ると気温は低め。レザージャケットとストールは欠かせません。




まずはオランジュリー美術館。肌寒い中、少しの間openを待ちます。ほかの美術館に比べると待つ人の数は少なかったです。
ここでは、モネの睡蓮を観るのが楽しみでした。
睡蓮を描いた作品は多数ありますが、オランジュリーの睡蓮はこの美術館のために描かれた特別な作品です。
それは楕円形の展示室いっぱいに大きなキャンバスで複数描かれています。朝だったり日没だったり、晴れていたり曇っていたり・・・舞台となっているジヴェルニーにある彼の邸宅の庭の風景ですが、彼のメッセージが伝わってきます。


「労働で疲れきった人々の神経が私の絵の中の水のように穏やかになり、花の咲き乱れるアクアリウムの中で穏やかに思索に耽ることができる場となるでしょう。」


・・・・・・とっても素敵でした。

撮影は禁止です。
それでいいと思います。
旅行中自身でも感じたことですが、目の前のものをしっかり見て感じるまえについカメラを構えてしまい、記憶に残るのがカメラ越しの風景・・・これではいけませんね。
絵葉書のよさを改めて実感しました。









(2014.6.13-6.22 ウィーン・パリ旅行より)

メスから帰ってきてホテルで休憩をしたあと、今夜のメインイベントへ向かいました。
パリ管弦楽団。場所はサル・プレイエル、指揮は主席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィです。

時間にゆとりをもって凱旋門から歩くことにしました。



しかし・・・。
放射状に12本の通りがあるのですが、対角線上に逆を歩いてしまって・・・
(写真は本来とは真裏の凱旋門なのです。)
いつもなら地図を見直すのですが、ひどい時差ボケと疲れから二人とも頭がポンコツ状態。
(そもそも私は銀座や札幌、京都など整頓された道は油断をするとこのようなことをしてしまいます。涙。)
途中で夫が太陽の向きが変だなと思っていたころ、親切なパリジャンに声をかけてもらい、発覚。
あー、ゆとりをもっていたはずなのに時間がない!
というわけで慌ててタクシーに乗りました。

ここでちょっと楽しい出来事が。
上の写真の通り、凱旋門は車でいっぱいです。そして、古い車が多いせいか結構騒がしいです。
運転技術が未熟だと12本の通りのなか目的の道へ行けなくてグルグル回ることになると聞いたことがありますが、ほんとうにそんな感じでした。車の他にもバイク、おまけに歩行者も自由に歩くもんですから大変です。

タクシーの運転手さんはベテランの方のようで慣れた様子で自由な人たちの流れにまかせつつスイスイと対角線上の道を目指します。まるでアトラクションのようで、クリアしたときは拍手しちゃいました。
映像をお見せできないのが残念ですが、パリで楽しかったことのベスト3に入る体験でした。

おかげで無事ホールへ到着し、コンサートに行く人のみが予約できるカフェ プレイエルで軽めの夕食をとりました。
・・・・・・・・こちらもほんとに驚いてしまうメニューというかお味というか・・・・・パリは一体最低いくら支払えば普通においしい食事ができるのでしょうか・・・・そして、さらに残念なのは、やっぱり「セ ボン?(おいしい?)」とウェイターさんは聞いてくるのです。
私たち日本人はノンとは言えず・・・ウィ!と。

海外から東京を訪れる人たちはラッキーだなぁとつくづく思いました。
6、7ユーロでおいしいラーメンが、20ユーロもあればそれなりに美味しいお寿司が食べられるのです。
私の想像では東京の倍は支払う必要がありそうです。

話がコンサートからどんどんずれてしまいますが、ついでに。


こちらはBread&Rosesというお店のキッシュです。
日本にも出店しているパリのRose Bakeryよりもう少しリッチな感じのお店でテイクアウトもできます。
高級ブランドが立ち並ぶ通りにあり、日本人スタッフの方もいらっしゃいました。

とっても手が込んでいて美味しかったです。お値段ひとつ9.8ユーロ・・・・。
サラダやフルーツと一緒にテイクアウトすれば、だいたい5000円くらいでしょうか。
ほんとうになかなかですよ、Paris。


気を取り直してコンサートへ話を戻します。



ホールはシンプルな作りでした。
ウィーン楽友協会の記憶が鮮明のなか、東京に帰ってきたような気分にもなります。

演目のメインはベートーヴェン交響曲第7番。
ちょっとテンポが早くて、もう少しはんなり感があってもいいかなぁとウィーン好きな私は感じました。
でも、何度聴いても素敵で心が澄んだ気分になります。





ホールの玄関もこのようなシンプルに。
2015年にジャン・ヌーベルデザインのフィルハーモニックホールが完成します。
こちらに模型や施工中の写真が載っています。
とくにこの模型、萌えます。私も模型の中に入りたい・・・・。
いつか行ってみたいなぁ。


コンサートで気持ちがほっこりしたところで、今度は道に迷うことなくたどり着いた凱旋門です。








(2014.6.13-6.22 ウィーン・パリ旅行より)

この日も快晴!
竹笠からイメージされた屋根のてっぺんにフランス国旗が映えます。

これはパリから高速鉄道で1時間半ほど北へ向かったドイツ国境に近いメス(METZ)という街にある美術館、ポンピドゥーセンター メスです。

建築会のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞した坂茂さんのデザイン。
夫の仕事の影響もありますが、以前「たけしアートビート」で北野武さんが訪れたときの放送がとっても印象に残っていて、
東京にもこんな伸びやかな建物があったらいいのになーって思いました。

旅行計画の中で、パリから少し離れたところの美術館として、
・ポンピドゥーセンター メス
・ジヴェルニー(モネ晩年の邸宅と睡蓮のある庭)
・ルーブル ランス(日本の設計事務所SANAAのデザイン)
この3つは行きたいねと話していました。

この日、そのひとつのジヴェルニーに行く予定で朝サン=ラザール駅へ向かいました。
ところが・・・目的の列車がストライキ!
パリはストが多いということは知っていましたが、やっぱりショック。
つぎは2時間後。これでは夜パリ管弦楽団のコンサートに影響が出ないとも限らない・・・・。
はっと翌日予定してたメスなら行ける!と気づいて慌てて東駅へ向かいました。
朝の通勤ラッシュの中、迷路のような(というかほぼ迷路です。落ち着いていれば楽しいですが・・・どんな構造してるんだろう。)地下鉄を乗り換えて、こちらはストがなくてなんとか乗車できました。

この日以外にも、地下鉄の駅がストライキで地上に上がれず隣駅まで乗りなおしたり、乗換案内のHPにはストやるから信用できないよーと書かれていたり・・・もう、パリは自由だなぁ。結局今回ルーブルランスは諦めました。
フリーで旅をされる方はゆとりをもった計画をおすすめします。

そして、もうひとつ。
高速鉄道への乗車がギリギリだったせいもあるかもしれませんが、チケット売り場やホーム、車両の中でチケットを買いたいと言ったのに、結局買えぬまま目的地メスへついてしまいました。(車両では英語が通じなかったかも。)
駅にもともと改札はないのでそのままスルーです・・・・もう、自由すぎる!

無事に無料で(払うつもりはあったのです!)駅に着いたのですが、美術館がある方向には何もない・・・どうやらこれから開発していくようです。
美術館のopen前だったので、撮影大会になりました。






にゅーっと飛び出した中央の箱、ここは展示室です。





すべての美術館で見た光景ですが、小さな子供達と学芸員の方。
退屈している子もいるけれど、みなおとなしく学芸員の話を聞いています。
東京では見たことないですね。





伸びた箱の展示室は二つ、2階と3階にあります。
左側の窓からは、駅の逆側の街が美しく見えるよう設計されています。
これを体験するのが楽しみだったのです。


パリのポンピドゥーもそうですが、こちらは現代アートが中心です。
撮影OKでしたのでパチリ。

こんな感じ。




ピカソもありました。






そして、こちらにはなぜだか東京の夜景・・・・(上の写真の伸びた右の展示室の窓です。)
ほかの作品も「??」の感じでした。





さて、目的の絶景が見える展示室は・・・・

なんと準備中で入れない!!!




しかもパパラッチの展示だったら分かりやすかったのに・・・残念!!
またの機会は・・なさそうですが、仕方ないです。

坂さんの自由で可愛いデザインは遠出をした甲斐がありました。
夜の美術館も素敵だと思います。→坂茂HP

気を取り直して駅の逆側の街を歩くことにしました。
途中の高架線下です。等間隔に空が見えます。





かつてドイツ領だったこともあり、雰囲気がパリとは違います。





これらが美術館のあの窓から見えるはずだったのにー!!





こちらは郵便局です。




建物が随分綺麗で、ゴミひとつ落ちていません。まるで映画ロケのセットのようです。
観光客もいました。ランチで寄ったパン屋さんのサラダはちょっとドイツ風?じゃがいもがたくさん入っていて美味しかったです。





石畳もキレイ!




駅もこんなに可愛いのです。↓
歩いているうちにパリの喧騒を忘れました。
「フランス人はパリが嫌い」というのも分かる気がしました。

いつか南仏などパリから離れた旅行もしてみたいです。





さぁ、駅へ帰ってきました。
今度はちゃんと駅でチケットを購入しましたよ!







雰囲気のある構内。
短い滞在でしたが、とっても気分のよかったメスの街でした。






(2014.6.13-6.22 ウィーン・パリ旅行より)

夕方一度ホテルに帰って休憩し、21時を過ぎて私たちはエッフェル塔へ向かいました。
15歳のとき初めてエッフェル塔の上から見た景色と感動は25年を過ぎても鮮明で、夫にも話をしていました。





22時を過ぎても真っ暗にはなりません。
8月の猛暑の東京にいてはこのとき6月パリの気温を思い出すのは困難ですが、
でも、気温も下がりつつあって風がとても強くて写真をゆっくり撮る気分にはなれませんでした。

向かう電車の中から1時間に一度花火のようにキラキラ点滅するエッフェル塔がとても綺麗で声が出てしまいました。
しかし・・・
エッフェル塔からの眺めは15歳の時の方が素晴らしく見えました。
景色そのものは変わっていないと思うのですが・・はぁ、歳をとるということはこういうことなのかしら・・・。残念。


・・・・ところで。

最寄駅からエッフェル塔へ向かう途中にも、エッフェル塔から降りた直後にも、チープに光るエッフェル塔を売りつけようとする人(おそらく移民)たちがいました。エッフェル塔観覧料金の何分の一の値段ですが誰も買う人はいません。一度相手にした後に断ったご婦人に暴言であろう言葉を発していました。

24時のキラキラしたエッフェル塔を見たあとの地下鉄の車両の中では、うまいとは言い難いポップスを壊れたカラオケで熱唱、その後チップをもらいに回るおそらく移民もいました。

「治安が悪い」とまでは言いませんが、昼の様子とは随分変わります。
写真やテレビ、ましてや映画ではこのような風景は見たことがありません。想像することも難しいでしょう。
他に地下鉄によっても乗客の雰囲気は変わるし、国鉄にいたっては何故こんなに?と思うほど暗くて、これじゃぁ事件を助長すると思えるほどでした。事実ひったくりなどが多発しているのです。

東京・新宿のイメージではダメ。もっと暗いです。

旅行前に調べたブログなどで何度も目にするパリ旅行者のスリや強盗の被害。私は随分と準備し、お金もかかりました。
結局被害にはあいませんでしたが、心の準備をしておいて良かったと思っています。

でも、まさか空港や観光スポットに大きな銃を持った兵士が巡回しているとは・・・ウィーンからついた直後目にした私は静かに硬直してしまいました。
帰国して改めて日本が世界一安全と言われる意味を理解できます。
東京やウィーンとは明らかに違ったパリ。こうしてブログがなかなか進まないのも、なんだかパリに気持ちが向かないからです。
ひどい時差ボケのせいもあったとは思いますが、パリに恋する人たちを今回の私たちには理解ができません。

これからパリを含め観光大国へ行かれる方は現地のいまの状況を把握されることをおすすめします。損はないはずです。
でも、団体旅行中やその自由行動程度では大丈夫かも。向かう場所は限られているし、そこはもはや「現代のパリが作り上げたテーマパーク」なので広告媒体から得られたイメージは壊されないかもしれません。

これ以降はパリのマイナスなことは書きません。
でも、書かずに先へは進めなかったのでここだけでも。