今回は物語ライターの(美味しいお店の紹介も素晴らしい)りんさんに書いて貰った物語を沢山の方に読んで欲しいと思います。

 

 ちょうど2年前、好きを仕事にする かさこ塾で同期だったりんさん。

 

第1回目真ん中の一番前りんさんの隣が空いていたので、お隣同士でした

 

その1回目いざ私の自己紹介の番になり、前に出て部屋の様子が分かるとびっくり!!

さっきまで、それほどいなかったはずの人がいつの間にか部屋いっぱいに。

すっかりビビってしまい、しどろもどろで制限時間の1分間。

 

それに懲りて私は次回からは部屋の雰囲気がわかるように真ん中列の端っこに席を変え、緊張を和らげようとしました。

 

 りんさんは全ての回で席を変えること無く、凛として超集中していました。

話しは殆ど出来なかったけれど、

何事にも動じない、そんな空気を放っていて羨ましく思っていた人です。

 

 その彼女がFbであなたの物語の冒頭を書きます。と企画していた。

私の事を覚えているはずは無い...と躊躇しているうちにすぐ一杯になり締め切りに。

 

ところが今回は物語を最後まで書いてくれるモニターを募集してくれた。

有料だけどそこが面白い。

りんさんの欲しいものリストの品からお礼を送る、と言うもの。

思い切ってお願いしてみた。

かさこ塾最終回、緊張しすぎて呼吸困難になりそうだったあの…3分間プレゼンを覚えてくれていた。

 

 プロフィールにも使えるほんわか可愛いお話を希望し、ちょっとのメールのやり取りだけで書いていただきましたよ。

 

私の言いたいことをこんな可愛い言葉で…こんなに!嬉しい...^^

書いて貰ったお話が下記に載せてあります。

もう…優しい気持ちになり泣けました。

こんな活動が出来たら最高。逆に近づけたいな。

 

私が感動したお話を読んでもらえたら嬉しいです。

こんな活動を続けて行けるようこんな優しい気持ちを持ち続けたいと思います。

 

 

 

 

 

…*…ゆるやかに、ほがらかに、春の訪れを告げるように…*…


 春めく陽射しに見守られ、さらさらと風が花々と私たちの頬を撫でていく、そんな穏やかなある庭園の真ん中。
 鳥かごを模した東屋が、今日の私の教室となる。
 友人の輪がすこしずつ広がって、いつのまにか繋がっていった人たちと、私はここで、おしゃべりしながら心も体もほぐれる方法を伝えていく。

 そのひとつが、あいうべ体操。
 簡単にできる口の体操。

けれど、ひとは呼吸のやり方ひとつで、そして簡単な訓練で、自分で自分のことをちゃんと整えてあげることができることを教えてくれるものなのだ。

「こんな簡単なことでいいの? うちの子たちともやってみよっかな」
「あ、なんだか楽しくなってきたわ。旦那にも教えてあげなくっちゃ」
「ねえねえママ、あたし、ちゃんとやれてる?」

 陽だまりの中でかわされる会話はどれも、ふわふわほわりと、とてもあたたかく、やわらかい。
 菜の花や菫のように互いに寄り添いながら笑顔をかわす彼女たちの姿を嬉しく感じる。

「ここにくると、なんだかホッとしますね」
「そうなのよ! “とにかくなんとかしなきゃ”って、以前はすごく焦ってたんだけどねぇ」


 そんな言葉にも、じんと胸が熱くなった。
 そう、こわばった体も心も、むりやり動かそうとすれば痛みを伴う。
 時に、大きく負荷をかけたその反動で、以前よりもぐっと辛くなることもある。
 けれど、焦らずにゆるりゆるりと優しく触れていけば、ゆるりゆるりとやわらかくほどけていくものなのだ。

 彼女たちとのやり取りに微笑みながら、ふと、かつての自分を思い出す。
 その昔、不調とそこから来る不安感に揺れていた私は、いま思えばかなり薬に頼っていた。
そんなときに出会ったのが、アロマテラピーという世界。
代替医療という存在を知ることで、薬から離れ、自然のものや自然なことで自身と向き合える、そんな自分へと変化していくのを実感できた。
そうして次に出会えたのが、さとう式リンパケア。
 ゆるめることは癒しにつながり、原因がわかれば対処もできる。

 自分で自分を良い方向へと変えられるという経験は、なによりも自分自身が前向きになれるキッカケともなった。
この学びは、やがて息育指導士へつながり、いまの私を形作っている。
 あの当時はできなかったこと、あの頃には気づけなかったことも、ゆるりゆるりと楽しみながら伝えていけば、つながった先の誰かの手助けになると信じられるようになった。

「こういうのって、もっとむずかしくて大変なものだと思っていたのよ」


 大切にしたいのは、誰にでも、どこででも、かんたんにできる、ということ。
 高いお金を払わなくても。
 難しい課題をこなさなくても。
 自分にやさしく、大切な人にもやさしく、毎日を過ごせるようになること。


 そんな私の想いは彼女たちへと伝わり、そしてここにはいない別の誰かへと伝わっていくのだと感じられた。

「ねえ、その子はどこの子? なんていうの?」


 いつのまにか女の子が、少し照れながら、私が連れていたバッグチャームを見つめていた。
ルルベちゃんという、針や糸を使わないドールクラフトは、彼女の心をも射止めたらしい。
 素朴で愛らしい世界でひとつだけの自分の人形は、作れば作るほどに愛しさも増していくから、本当に不思議。

 ルルベちゃん認定講師にもなった私だけれど、チャーム作りを通じても、優しい時間は作られるのだと知っている。
 キラキラとした女の子の好奇心に丁寧に答えながら、またひとつ、世界が好きなものでつながったような気がして嬉しくなった。

 健やかでいられるように。

 穏やかでいられるように。

 自分で自分を癒せるように。


 人とのつながり、心のつながり、時を経て、やさしくやさしくつながりゆくものを胸に抱く。


 思うようにいかないことを、「どうして」と嘆いて、そこで終わりにしないために。

 好きなことを好きだと言える、好きなことに好きなだけ取り組める、そんな輪が波紋となって誰かのもとにまで届くように。

 私は春の陽だまりのなか、緩やかな幸せに気づく存在でありたいと願い、伝え続ける。



  了                                                                                                                                                                    Copyright 物語ライターりん