この本で、ヒルデガルトの巡礼の道を勉強中。いつかはこの本を携えてヒルデガルト・ウェイを歩きたいと思っています。

巡礼路に沿って、要所となる場所にタブローと呼ばれる案内板が設置されており、その案内板にはヒルデガルトの著書「スキヴィアス」のビジョンの挿絵が描かれているそうです。

これはその一つ、「天地創造と罪」のビジョンの挿絵です。

本にはビジョンについても次のような解説があり、ビジョンの挿絵を見ながら解説文を読むと、ビジョンの意味が分かって興味深かったので、一部を訳して紹介いたします。

天地創造と罪(Creation and the Fall)

「そのとき私は、燃えるような輝きを帯び、曇りのない輝きをまとう、非常に明るい多数の生ける光を見た。そして、見よ!非常に大きく深い穴が現れた。それには悪臭を放つ火のように赤い煙を吐き出す井戸の口のような口があり、そこから忌まわしい雲を広げて、血管の形をしたようなものに接した。そしてそれは、明るい部分に美しい人の形をしたものから生じた、内部に多くの多くの星を含んでいる白い雲に風を吹きかけていた、そうしているので、白い雲も人の形をしたものも、その部分から追い払われる。これがなされた時、その部分を取り囲んでいた光り輝く燦然たる輝きや、それまで大いなる静寂の中に存在していた世界のすべての元素が、これ以上ない動揺を起こし、恐ろしい恐怖を表した。」

「スキヴィアス」第1巻の第2のビジョンで、ヒルデガルトは天地創造の始まりを見ています。そこで彼女は、このビジョンの下方におり、生命の木と知識の木の2本を見ています。それらの木の上には、最初の人間であるアダムが横向きに配置されています。アダムは右の耳で、左の黒い形のものから聞こえてくる火を聞いています。この黒い形のものは、私たちや私たちの間にある暗く邪悪な面を象徴しています。これは天空に向かって伸びる木のようで、そこからは蛇の頭が枝のように生えています。この蛇の頭はアダムの脇から生じた緑の雲に触れています。この緑の雲は「すべての生き物の母」であるエバを表しています(創世記3:20)。彼女はその胎内に未来のすべての世代の人々を星として宿しています。このように、彼女が「邪悪な蛇」に触れられたように、エバの息子や娘、つまり私たち人類すべてが、悪によって危険にさらされているのです。

The Hildegard of Bingen Pilgrimage Bookより