ドイツで参加したヒルデガルト式断食セミナーで、断食後の回復期に出されたホワイトアスパラガスのスープです。

春にアスパラガス料理を食べるのは、ドイツ人にとってことのほか楽しみなようです。断食セミナーで、あと数日で断食が無事に終了というときに、断食終了後の回復期の初日に出されるスープが、ホテルのシェフのはからいでホワイトアスパラガスのスープになったと聞いた参加者たちは、歓声を上げて喜んでいました!

アスパラガスはユーラシア大陸が原産で、地中海東部沿岸の国々、エジプトや他のアフリカの国々では、少なくとも2000年前からアスパラガスの栽培が行われていたそうです。古代ギリシャでは、アスパラガスは催淫作用のある神聖な植物を考えられ、ヒポクラテスは下痢や泌尿器のトラブルに使用していたそうです。

ローマの将軍カエサル・シーザーの軍隊が、アスパラガスを中東からローマにもたらし、古代ローマ人はアスパラガスをアントレや魚料理の付け合わせとして好んで食べていました。しかし中世になるとヨーロッパではアスパラガスは食べられなくなり、忘れられた野菜になってしまったそうです。「フィジカ」にアスパラガスについての記述がないのは、これが理由のようですね。

ドイツでは、アスパラガスは、カロリーが低く利尿作用があるので、痛風や腎臓病に役立つ春の美味しい食べ物と考えられています。だからでしょうか、それとも春が旬のアスパラガスを食べたいからでしょうか、現代のヒルデガルトの食事療法では、健康に役立つとして勧められる野菜のリストに加えられています。