こんにちは。
ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
東京北区のアロマテラピーサロン&スクール「アロマベーネ」かわせゆうこです。
昨夜受講した「精油の体内動態を考える」との関連から依然掲載した記事を思い出し、まとめなおしてみました。
わたしはアロマセラピストですが、自分の部屋でディフューザーなどを使うことはありません。
それは、この子がいるから。
残念ながら、猫のいる部屋で精油は使えません。
使っても精油入りの化粧品を使う程度で、部屋に香りを拡散するような使い方はしません。
ネコ科の動物は肉食獣です。
肉食動物の猫には植物の成分を分解する酵素がありません。
犬も肉食ですが、少し人間に近く雑食寄りなので、猫より耐性があります。
ネコ科の場合は、100%肉食です。
精油は植物の芳香成分を濃縮した脂溶性の物質です。
植物をそのまま食べるよりも、はるかに濃い成分を取り入れることになります。
猫は特に脂溶性の化学物質を解毒するのに必要な酵素、UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ(肝臓においてグルクロン酸抱合を行う酵素)をもっていません。
猫の体にとっては、想定外の成分なのです。
ノミよけにティートリーのシャンプーを使うのも危険です。
脂溶性の化学物質を解毒するのに必要な酵素が欠如しているということは、精油はNGですが、水溶性のハーブウォーター(芳香蒸留水)は比較的安全です。
部屋に香りをただよわせたい場合、ハーブウォーターを使うことができます。
ただ、ハーブウォーターについても未解明なことがありますので、長時間使うことは避け、猫の体に直接スプレーするなどの使い方はおすすめしません。
フレグランスジャーナル社 aromatopia 133号に獣医師の田邊和子さんの記事がありました。
それによると、雄猫と、雌猫でも違いがあるとのこと。
それは、薬物などの代謝に重要な働きをするCYP3Aという酵素の活性が、雌猫では雄猫の5分の1程度しかないのだそうです。
また、ヒトでも、動物でも、体内に精油を取り入れると、肝臓で代謝され、水に溶けやすいかたちになって、尿から排泄されます。
アロマテラピーの化学を勉強された方ならお分かりですが、極性が高い成分は比較的水に溶けやすく、無極性の成分は水に溶けません。
精油成分でもアルコール類などは多少水に溶けるのですが、一番水に溶けにくいのが炭化水素類です。
モノテルペン炭化水素類は、柑橘系の果皮の精油に含まれるd-リモネン、針葉樹の葉の精油に含まれるα-ピネンなど、一般的に使われる機会の多い様々な精油に含まれています。
ブレンドでは、トップノートに分類されるように、分子量が小さくて揮発性が高く、拡散しやすい成分です。
そのため、ディフューザーをつかうとお部屋全体に広がり、呼吸器に入りやすくなります。
これらの成分は疎水性がきわめて高いため、容易に水に溶けず、この物質の代謝に必要な酵素を欠く猫では、体外に排出されにくいのです。
”柑橘の香り”、”森の香り”が、猫ちゃんには特に注意が必要な理由です。
精油成分のなかでも、特にフェノール類、ケトン類、モノテルペン炭化水素類が、猫には危険性が高い成分になります。
フェノール類を多く含む精油(オレガノ、クローブ、シナモン葉など)
ケトン類を多く含む精油(セージ、ペパーミント、ローズマリー・カンファーなど)
モノテルペン炭化水素類は、(サイプレス、ジュニパーなど針葉樹の葉や果実の精油、オレンジ、レモン、グレープフルーツなどの柑橘系の精油)、そのほかにも含有量の多い精油は多数あります。
柑橘系の精油は、人間には安全性が高く、広く好まれますが、モノテルペン炭化水素類の比率が高く、猫には要注意なのです。
みかんの皮をむくと、猫は嫌がって、逃げてしまいます。
本能的に、自分にとって害があるにおいを避けるのでしょう。
猫は、薬などの化学物質への感受性もとても高い動物です。
家庭の芳香剤、消臭スプレー、布地についた柔軟剤の香りなども負担になることがあります。
犬は猫よりは耐性がありますが、人間よりもはるかに嗅覚が敏感な動物です。
犬への精油の使用についても、十分注意してください。
また、猫のほかに、フェレット、小鳥なども精油を避けた方がいいことを申し添えておきます。
もう一つ付け加えると、猫のいる家庭では、部屋に花を飾るのも注意が必要で、中でもユリ科は特に避けがほうが安全です。
食べたりしなくても、体にユリの花粉をつけて、それをなめて死んでしまった例もあります。
動物にとって毒になる植物はありふれたものにもたくさんあって、猫のいる家庭では、鉢植えをいただいても、置き場所に困ることがあります。
こちらのサイトも参考になっさってください。
今日も笑顔の一日になりますように。
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