2023/8/18、その知らせは突然やってきた。
ポニョが死にました。
昨年亡くなった叔母の猫である。
叔母は末期がんで先がないことはわかっていた。
できる限り自宅で。という本人の希望と、そうならざる得ない事情。
トイレと床の行き来しかできなくなった叔母の介護で毎日のように通いながら、
遺していく猫の貰い手を探していたのは昨年の夏だった。
10歳超えの猫3匹。
飼い主にしか慣れていない。
避妊手術もしていない。
予防接種していない。
どう考えても貰い手など現れない難しい条件。
近隣の動物病院にもチラシを貼ってもらった。
NPOに連絡したり、WEBで貰い手も探した。
叔母が亡くなる2日前。
1匹が突然亡くなった。
まるで先を案じて「先に逝ってるから」と言わんばかりに。
しかし、叔母の葬儀を済ませても、まだ残された猫の行先は決まらなかった。
部屋を引き払う都合上、タイムリミットが迫っていた。
もうダメだ。
最後の選択肢として、保健所行きを覚悟した頃、突然に貰い手が見つかった。
しかも2匹ともに引き受けてくれるという。
その日、前後、なぜかバタバタと「うちでも引き取れるかも」という知らせが、
他にも2か所から上がった。
最終的に、保護猫を貰いたくても条件的に断られたという、高齢で一人住まいの女性に引き取られた。
猫にはとても慣れている人で、その点は心配なかったが…
2匹のうち1匹のグレーのポニョは、盛りがついていて夜鳴きが酷く、トイレの粗相も酷かった。
もう1匹の黒猫ジジは人慣れしておらず、叔母の介護で出入りしていた親類で、その姿を見たのは私しかいなかったくらいだ。
そんな難しい猫たちだったが、病院にも連れて行ってもらい、腎臓数値が悪いと言われつつも、1年もったのがポニョだった。
猫は何匹か見送っているが、だいたいが死期が近づくと、死に場所を探す。
冷たくて暗いところだ。
ポニョも例外ではなかったらしく、ずっと2Fを棲家としていたのに、1Fに降りてきて部屋の奥まった冷蔵庫の前で寝るようになったという。
亡くなる1週間前からほぼ食べなくなり、ずっと寝てばかり。
姿を見せなくなったポニョを心配して黒猫ジジは、それまで呼んだこともないポニョをニャーニャーと呼んでいたそうだ。
そこで、飼い主は「1Fにいるから見に行っておいで」というと、
1Fになどまず降りたことのないビクちゃんのジジだったのに、スタスタと1Fに降りてポニョを確認しに行ったという。
今までそんなことは一度もなかったので、飼い主さんは不思議に思ったと。
夜鳴きのようにポニョを呼ぶジジとの同じようなやり取りは、数回続いたらしい。
その都度、1Fに行くよう促すと、ポニョの様子を確認しに行った。
飼い主さんの言っていることを理解していたようだった。
ポニョが亡くなった朝、ジジが鳴いて呼んでいるので、
「もう死んじゃったから見てきなさい」というと、またスタスタと降りていき…
ひとしきりポニョのところにいたが、死んだと悟ったのかその後は鳴かなくなった。
18日、その日はお盆も終わっていた。
けれど、遅れたお盆に一緒に連れて行ったのじゃないかって。
生前、叔母は自分の寿命を悟ってこんなことを言っていた。
3匹とも10才越えだし、私が逝く前に安楽死させて虹の橋で待てってね。
みんなばあちゃんだし、同時に皆おさらばできれば。
先に逝った子はひとりだけど、順に迎えにきたのだろうか。
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