フレグランスジャーナル社 専門領域の終焉で私たちが失うもの | アロマ&心理カウンセリング 心とからだのセルフケア @東京 調布

アロマ&心理カウンセリング 心とからだのセルフケア @東京 調布

心とからだの健康はセルフケアから。セルフ・カウンセリング、AEAJアロマテラピーアドバイザー・アロマハンドセラピスト資格認定教室 アロマシオン主宰
セラピストのためのweb制作も承ります。アロマ、カウンセリング、自然療法、Web制作のこと語ります

    

そのアロマの使い方 危険です

一日中・毎日アロマ、ベビーにアロマ

料理にアロマ、直塗りアロマ、猫にアロマ
なぜ危険? その答え教えます↓
東京 調布 アロマスクール アロマシオン

 

『精油の安全性ガイド第2版』が完売されたらしいです。。。
フレグランスジャーナル社の書籍販売終了日の前日。
そんなお知らせを受けました。
 

2023年4月。
『精油の安全性ガイド第2版』の訳者でもある池田朗子さんと初めてコンタクトが取れたのは、奇しくもこの時期、安全性ガイド第2版の3刷増刷に至った頃でした。
池田さんは、アロマテラピー業界の黎明期を支え、現在はR・ティスランドの授業を日本で学べる「アロマテリ」を展開されている一人です。

そんな池田さんに厚かましくもFBでお友達申請したのが始まりです。
実に多くの業界人がFBを利用しているにも関わらず、なぜに池田さんにお友達申請したのか?
私の記憶が正しければ、FB内の記事で「精油の飲用と直塗布」危険性について熱く語っておられたからだと。これを由々しき問題だと捉えて、影響力のある人が多くの人に語ることで、多くの人の心を動かすことができる

 

多くの方がこの件については思うところがあるわけですが、公のシーンではみなさん語りたがらないのです。
なぜって、その手のことを広げている人たちからアンチターゲットにされることを危惧しているから。というのが一番の理由だと私は分析していました。


このことが騒がれてもう10年以上は経っているかと思いますので、当初はターゲットにされまいと話題にしなかった人々も、今では随分と変わってきたと思います。
「アロマテラピーを危険なものにしたくない」という思いは、多くの人にあったからだと思いますし、リスクを冒しても、果敢に「No」という勇気を持つ人が多くなったからだと。

そして、また、もう一つ、池田さんにコンタクトしようと思った理由があるとすれば、池田さん「安全性ガイド第2版」の翻訳に携わったからだと。
私は、亡くなる直前の高山林太郎先生に出会って、アロマテラピーの翻訳活動のことを随分と聞かされました。
1985年に日本で初めてのアロマ専門本として出版された「アロマテラピーの理論と実際」から始まり、その後、90年代には次々と翻訳されていきましたが、翻訳の難しさの一つは、専門的用語のことだと言っていました。

高山先生も懇意にしていた英アロマ業界では有名な方の翻訳本が残念な「訳」だったというエピソードを高山先生から見聞きしていました。
その具体例は聞かされていなかったのですが、先日の池田さんのお話で知りました。
rose woodの翻訳がなんと「バラの木」だったそうです。

つまり、こんな言葉さえも、業界知見がないだけで全くの「べつもの」になってしまうのが翻訳です。

他にも、高山先生からは医療用語に悩まされた「アロマテラピー大全」のことも耳にタコができるほど聞かされました。ただ翻訳するだけでなく、それが日本語として伝わる言葉になっているか?というのも精査が必要です。

「日本語として伝わるか?」は、他の方とやりとりする時も感じます。
日本から離れて、海外が長いと、そこでの固有名詞での表現が通常になってしまうと、日本語で意訳されていたり、日本語的な表現に変わっていると、同一のものだと判別できないこともあります。

例えば、ニゲラオイル(ニゲラサチバ)。
日本ではブラッククミンオイル(ブラッククミンシード)
想像するに日本では、食品名で流通するのにこの名が通称になったのだと思われます。
(真実を知ってる人がいたら教えてください)

ニゲラ…は学名なので業界ならばその言葉で通じて当然なのでしょうけれど、日本の場合、メーカーがつける「商品名」で流通しそれが通称名になってしまいます。

そうやって「言葉」というものは、意図的に作られるものもあれば、どう翻訳したら伝わりやすいだろうか? などとその後もしっかりと意識されて「言語化」されるものもあるのでしょう。

いずれにしても、翻訳された段階でその言葉が流通していくのです。

ただ「言葉が解れば良い」という単純な話ではなく、私たちが考えている以上の試行錯誤があるということです。

そういう大変な作業をされている人たちは、本当に貴重なのです。
翻訳者だけではありません。
植物療法や植物の科学知見もあり、本に書かれていることを理解して制作する編集者や校正者など、多くの専門家がいて初めて成り立つわけです。

ただ、アロマテラピーや植物療法のことに精通しているだけではダメ。
ただ、英語なり仏語なりを知っているだけでもダメ。
そのような特殊な技術を有している人達を介してしか、私たちは海外情報を入手する術がないのです。
AIや翻訳ソフトでどうにかなる?
そんな簡単な話ではないのです。

そして、こういった専門書を手掛けるところが無くなってしまう…
その損失とは。。。

つづく↓

 

【アロマテラピー研究室】ただいま受付中のセミナー

『黄帝内経』読解セミナーVol.2「天年」編第一部 リクエスト開催受付中

『誰も言わなかった  アロマテラピーの本質』読解 webセミナー (Vol.1~5) リクエスト開催受付中

 

アロマテラピー研究室は、翻訳によって日本にアロマテラピー広めた故・髙山林太郎氏が創設。

髙山氏から後継人指名をされた林さんとともに、髙山氏の思いを引き継ぎ、髙山氏のアロマ遺産管理とアロマテラピー啓蒙活動をしております。