寝不足で脳が危ない!?
アロマシオンの島田さつきです。
東京 調布で AEAJアロマテラピーアドバイザー資格認定教室主宰&カウンセリング講座講師
ITが苦手なセラピストやカウンセラーのためにコンサル付きホームページ制作もしています。
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2017/12/13のNHKクローブアップ現代 まとめてみました。
福井大学とハーバード大学がアメリカで行った調査の結果。
日常的に両親のけんかに接した子どもは、脳の一部が萎縮していた。
友田明美さん(福井大学教授・日本発達神経科学会理事)たちは「叱る」「脅す」「ばかにする」などの行為をどのくらいの頻度で目にしたのか15の質問項目を設定。例えば、毎月だったら4点毎日だったら7点というように頻度が多くなると点数が高くなる。このスコアが40点以上の人の脳を調べたところ萎縮が確認された。
番組で紹介された「暴言チェックリスト」はこちら
子ども自体に実害はなく巻き込まれていなくとも、
「身体的暴力を目の当たりにした」、「言葉の暴力に接してきた」人のうち、
身体的な暴力を見てきた人は萎縮率が3.2%だったのに対し、
言葉の暴力は19.8%と6倍も高い結果であった。
番組では、日常的に両親のけんかに接した(目撃している)子どもは、脳の一部が萎縮するという、科学的な最新の研究が紹介された。
脳の海馬や扁桃体に異常をきたし、怒りや不安を感じやすくなるうえ、視覚野の一部で、夢や単語の認知などに関係した「舌状回(ぜつじょうかい)」と呼ばれる部分の容積が、正常な脳と比べ、平均しておよそ6%萎縮していた。
結果、ゆがんだ言動や学習の遅れ(学習障害)などさまざまな影響が生じるという。
海馬は短期記憶の器官であり、記憶力に影響を及ぼし、
扁桃体は、情動に関する器官であることから、怒りや不安に影響し、
視覚野の委縮は、見たくない状態を遮断するためであると推察できるだろう。
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例えば、子どもの変化として、次のようなことが挙げられる。
キレる。感情のコントロールができない。
人をバカにしたような態度になってくる。
大人になってからも、何か恐ろしいことが起こるのではないかと人の顔色を伺うようになる。
どのくらいの暴言かという例は次のようなものが挙げられていた。
例えば、玄関で子どもの靴が脱いだままになっていると…。
父「おい!なんだあの靴は!ちょっと見に来い!」
母「えっ?」
父「こういうしつけをしていると子どもがだめになるぞ。」
母「外ではちゃんとやってるから。」
父「うちでやっていることは外に行っても出るんだよ。口答え、まずするな!お前が!」
他にも…父の暴言で母に対して
「あーあ。お前はいつまでたっても料理うまくなんねえな。」と蔑んだり。
「誰のおかげで飯が食えてると思ってんだよ。
お前なんか働いたって金になんねえんだよ。家のことやれ、まず。」
それらに応戦する母親とで、日常的に激しいケンカが絶えない状態。
また、一見暴言と判別しにくい言葉の暴力には、
役立たずなど存在を否定。どうでもいいことをチクチク言う。嫌味を言う。無視し合う。冷戦状態。
冷戦状態の中で、子どもを互いの伝書鳩のように使う両親の例も紹介されていた。
このような家庭で育った子どもは、自分が両親の仲立ちをしないと家庭が壊れてしまう恐れを抱く。
子どもにとって家庭とは、自分の命の保証である。
親である保護者がいなくなることは、働くことができない子どもの命の保証がなくなる。
また、家庭が安全地帯となり得ない状態では、常に危機感を抱いたストレス状態に置かれる。
すると自分の安全を守るため、子どもでありながら、親の不仲の面倒を見ざる得ない状態となる。
番組では、幼児的万能感という言葉を用い次のような説明がされていた。
【幼児的万能感とは】
幼い子どもが持つ幻想感覚。泣くと大人が助けてくれる、解決してくれる、どんな願いも大人が聞きとどけてくれる。まるで、自分が大人を支配し、自由に動かせる力を持つかのような感覚のこと。
自分がどうかしないと、この両親は壊れちゃうんじゃないかというのがある。
例えばいいことがあったときは、自分が頑張ったからだという一方で、とてもつらいことがあったときも、自分のせいじゃないかというふうになる。
幼児的万能感とも言うが、両親の冷戦状態は自分のやり方しだいで仲よくなるんじゃないかと思う。
自分が頑張らないから両親が仲よくならないんだという、自責感や自己否定感が強くなったりする。
番組VTRの中で、このような環境で離婚した家庭を取材。
その中で私が注目した一つは、
このようなケンカの様をわざと子どもに見せていたという母親の話しであった。
当時は、それに疑問を抱かなかったそうである。
「お父さんとお母さんとどっちが正しいか?」
わざとその様を見せることで、子どもを証言者にしようとしていたのである。
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精神科医の杉山登志郎氏によると、長年の経験から、
暴力よりも暴言のトラウマのほうが取り除きにくいと感じてきたという。
番組内では、子どもを支援する東京都内にあるNPOが紹介されていた。
集まっているのは児童相談所などから紹介されてきた子どもたちである。
ここで特に力を入れているのが学習支援だそうだ。
学校の勉強についていけない子どもたちが目立つからです。
さらに精神保健福祉士などが感情のコントロールができない子をケアしているという。
しかし、攻撃的な言動は簡単には直らない。
ある子は、ここにいる大人に対する感情的な言葉に対して「家のときより全然マシ」と言っていた。
子どもの支援は、どのように行われるのか、その一例として、
福井市の学校で行われた「宝物ファイル」という取り組みが紹介された。
【宝物ファイル】
子どもたちに自分の長所を紙に書かせる。友達や親からも書いてもらいファイルにとじていく。
100点のテスト、運動会でもらった賞状など、長所を見つけ、この「宝物ファイル」を、
何度も見返すことで自己肯定感が高まっていく。
小学生の時、夫婦げんかを頻繁に見ていた女性の例。
次第に両親の前で感情のコントロールがうまくできず反抗的になる。
彼女が「宝物ファイル」に取り組んだのは、小学5年生のとき。
夫婦げんかで娘に注意が向かなかった母は、
友達が書いてくれたメッセージから娘の長所に初めて気付かされたという。
それから母は、娘の長所に目を向けるようになっていき、娘の状態は次第に落ち着いていった。
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こうした取り組みで、傷ついた子どもの脳が回復する可能性はあるという。
海外の研究では、適切なケア、特に心の傷をしっかり克服するような治療で、
大人の脳でも回復することが分かってきてるという。
また、家庭でも取り組める子どものケアについて、カウンセリングではよく知られている受けとめの方法が紹介される。
例えば子どもが「真っ赤なりんごを描いたよ」と言ってきた時、
親御さんが「真っ赤なりんごを描いたんだね」と、適切なせりふを繰り返し受け止めてあげる。
(相手が使った言葉、または同様の言葉を用いて返すことをオウム返しといいます)
そういうことで、親御さんが自分に目を向けている、自分に注意が向いていると子どもが理解する。
(受け容れられていると安心感を生む)
子どもの行動を言葉にする。
例えば片付けをしていたら、「片づけしてるんだね」と言葉がけをすることによって、
興味や関心が自分に向いている、自分の行動を理解してくれているんだと分かって、
子どもは、もっといい行いをしようと心がけるようになっていく。
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問題の根源 夫婦げんか
番組では、ある夫婦げんかの様子が取り上げられていた。
けんかの原因は、子育てと家事の分担。
夫は職場が遠く、残業もしばしば。疲れて家事を手伝う約束を果たせない。
妻は仕事、家事、育児を一手に抱えストレスをためており、夫に強い言葉で怒りを爆発させてしまう。
その後、けんかすること15分、夫が食事をし始める。
奥さんの怒りをよそに、ごはんを食べ続ける夫が映し出される。
ゲストコメンテーターの信田さよ子さん(日本臨床心理士会理事)の解説では…
このやり取りでは、まず妻が自分の気持ちを分かってほしいのか、ただ感情を爆発させたいだけなのか、よく分からない。どちらにしてもあまり効果がない方法である。
こういう場合「あなたが●●だ」という責めるような言葉が前面に出るが、
「自分、私はこうなのよ」と、私を主語にすることが第一である。
(カウンセリングでは I(アイ)メッセージといいます)
そして、決めつけで言わない。
「いつも」、「どうせ」、「でも」、「だって」ということをずっと言うと、言われたほうは自分が責められてる。
これ以上、何も話したくないっていう気分になってしまう。
夫が黙ってご飯を食べている様に対して、夫としては受け止めてあげてるつもりだという。
だが、妻から見ると、スルーされていて、どうせ、いつも同じじゃないかと感じてしまう。
受け止める方法として、家ではなく非日常的なカフェや公園などで二人で話す提案などをする。
日常の延長である家からは離れた場所で、二人だけの時間を作って、マナーを守ってぶつけ合うことが必要なのでは。
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子どもへの夫婦げんかの後のケア
信田さよ子さんによると…けんかをしたら、そのあとが大事。
どうしてけんかをしたのか、そのあと話し合って、仲直りしたんだよと伝えること。
けんかは、あなたのせいじゃないということを伝える説明する。
仲直りした仲のいい夫婦を見せる。
この3つがあれば、そんなに心配ではないと思います。
何よりも、子どもが安心できるように、ちゃんとことばを尽くす。
愛情というより、子どもの安心感が一番大事なので、そこに注意していただきたい。
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NHK 「クローズアップ現代 夫婦げんかで子どもの脳が危ない!?」
来年はカウンセリングのことに力を入れたいと思っています。
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