アロマテラピーシンポジウム2013-アメリカにおける補完代替医療教育… | アロマ&心理カウンセリング 心とからだのセルフケア @東京 調布

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第15回アロマテラピーシンポジウム

-アメリカにおける補完代替医療教育と最先端のアロマテラピー研究- に行ってきました。

2012年は「アロマテラピーの世界最新情報 ロバート・ティスランド氏とピエール・フランコム氏に聞く」


↓2011年は「スパイスがあなたのアロマテラピーを変える!」でした。

http://ameblo.jp/aromasion/entry-11084499174.html


昨年は、2011年の震災で中止になったティスランド氏との対談ビデオがありました。

アロマと全く関係のない「英国紳士は上唇を動かさないで話す」という

豆しばの豆知識に気を取られ、ティスランド氏の口ばかりを見て

「あ~ほんとだ~!」と、そんな感動を覚えたのを思い出します (^_^;)


さて、今年は、日本には比較的噂の来ない米国からのゲスト、ドーレン・ピーターセンさんでした。

彼女は元々ニュージーランドから、アメリカに拠点を移してアロマの教育機関で校長を努めている方。

レジュメを見て興味をもったのは、「イリドロジー(虹彩学)」も講義内容にあること。

イリドロジーとは、目の虹彩を観ることで、健康状態を判断できるというもの。

癒しフェアや健康関連フェアでは、目にすることがありましたが、

自然療法の分野の中に、一緒に取り入れられているとは思いませんでした。


前半は、通信で行われているご自分の学校が、アメリカ認可のカレッジとして、

準学士課程や修士課程を取得できるようになった経緯など、

どのようにアメリカでの歩みを進めてきたかという話でした。

こちらのカレッジでは、英語による教育がされていますが、

海外の受講生も多く、その中で韓国人が非常に多いことにも驚きました。

韓国は、国策としての教育水準の高さが知られていますが、

小さな国が、世界を相手にどう生き抜いていくかという結果が、

こういう所にも見られるのだ…と、アロマと関係ないことで感心してしまいました。


米国では州によって法律が異なり、アロマに於いても日本同様、

守るべき法律が存在し、日本でいう医師法のような縛りがありました。

つまり、代替医療の範囲なので、健康に役立てるという立ち位置であること。

当然のことながら、治療や診断は行わず、健康をコントロールする方法を教え、

健康的な生活を維持する方法の伝授や提案に留まるということです。


資料の中にあった健康維持の原則として、ストレス軽減は当然ですが、

養生訓として、睡眠・運動・食生活はもちろんのこと、水や空気にも触れていることが印象に残りました。

日本では、いまでこそ水は「買う」ようになりましたが、元々、水質には恵まれている国ですので、

良質な水は健康に欠かせない…という意識は低いと思います。

また、空気に於いては、高度成長期に公害問題の恐ろしさを体験していますが、

震災での放射能問題が浮上してもなお、日本人は空気の質(大気内にある物質)への、

感心は低いように思います。

欧米では、このあたりの意識が違うのだと感じました。


アメリカにおける2012年の精油小売の売上ベスト20の資料がありましたが、

日本の売れ筋とは全く異なります。

日本とは違い、欧米のアロマ本には、スパイス系の精油が多く登場します。

売れ筋の精油にも、スパイス系がずらりと並んでいました。

今回、このセミナーに参加して、なぜスパイス系が多くあるのかその謎が解けました。


今回のタイトルである「代替医療」これが謎を解くキーワードでした。

日本では、リラクゼーションとしてのアロマが「アロマセラピー」と一般に浸透しています。

しかし、アメリカでは、予防医学の意味合いが多く、健康維持のためのツールなのです。


米国にサプリメントが出回るきっかけとなった、マクギャバンレポートは良く知られていると思います。

生活習慣病が蔓延したアメリカを救うべく、国を挙げてサプリメント大国になったような国だから、

予防目的として、薬理的効果を期待して使われる方法は、良く考えてみれば当然のことでした。


精油研究の情報でも、用途の例には、抗菌、抗炎症、化学予防、抗侵害受容とありました。

(抗侵害受容は、(鎮痛)とされていましたが、抗疼痛と考えても良いかと思います)

こういった作用に強いのは、スパイス系なわけです。

予防医学という側面があるがゆえに、米国で最近出ている新商品は、精油カプセル製品だそう。

日本でも、ブルガリアが政府がらみで宣伝している、ローズのカプセルはありますね。

米国では、精油は経口利用されているようですから、精油カプセル製品は当然です。


びっくりするような日本との大きな違いは、一般のセラピストがマッサージを行えなえず、

マッサージを行える法律上の資格保持者でなければできないということ。


日本でも、厳密にいうとマッサージは違法行為です。

あはき法によって資格保持者しか医業類似行為はできないですが、

日本では、「健康を害さないものであれば医業類似行為とみなさない」という最高裁の判例に準拠し、

見た目がマッサージでも、治療目的でなく、身体に悪影響がなければ可能です。

アメリカでは、その辺りの規制は厳しいようなので、あちらでいうセラピストは、

精油を使った健康法等のアドバイスをする人ということのようです。

もちろん精油のみならず、他の自然療法も組み合わせているようですけれど。


日本には、スポーツインストラクターというのはいます。

健康のためのスポーツを教える人たちです。

欧米では、自然療法の専門家というのが、このスポーツインストラクター同様に、

社会に浸透する形で受け入れられています。

日本では、健康のための運動を教えてもらい、自分でやることや、

健康目的のマッサージなど、他力でどうにかしてもらう方法にはお金を払います。


けれど、健康法の指導には、専門家にお金を払おうという慣習がありません。

払ったとしても、非常に安価に考えていると思います。

これは、サービスに対価を払う慣習がなかったことからきているように思えます。

自分がサービスを提供する側になって、初めて気づいたことです。

アメリカの話を聞いて、少し羨ましいような気持ちにもなりました。