運命の出会い 195 | TRIQUETRA ~Tributary Zone~

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2代目のブログです

我が家には。

前もって、綿密に旅行の計画を立てる。

 

・・・みたいな性格の人は

誰もいないので。

 

あの時も、風の向くまま、気の向くまま。

なんとなく。薔薇が観たくなって。

 

 

なので、蓼科にある、

『バラクラ・イングリッシュ・ガーデン』に

行ってみようなんて話が出たのも、

その、前日くらいだった。

 

 

そんな感じで行ったはいいけど。

あの年は、少し寒かったのか。

そこではまだ、薔薇は全然咲いていなかった。

 

 

面白かったのは、そこで偶然。

娘のバレエ教室のお友達一家に

遭遇したこと。

 

「えー。こんなところで会うなんて」

 

・・・と、お互い、びっくりした(笑)

 

 

薔薇がほとんど咲いてなかったので、

見るものもあまりなく。。。

 

時間が余ってしまった私達。

 

「どうする?」

 

・・・と夫に訊くと、彼は。

 

「ここまで来たら、ついでにちょっと、

行ってみたいところがあるんだけど」

 

・・・と言った。

 

 

それはどこかと思いきや。

 

「諏訪大社」

 

・・・と夫は答え。。。

 

 

私達は、車のナビを、

諏訪大社の本宮にセットして。

 

そのまま、ナビの案内のままに、

車を進ませていった。

 

 

*******

 

 

夫がなぜ、諏訪大社に行ってみたい。

なんて言い出したのかは。

 

なんとなく、想像がついた。

 

あの頃の彼は。

ご先祖とか、ユダヤのことに、

興味深々だったから。

 

 

「じゃあ。諏訪大社のあとは、

守屋山にでも行ってみる?

でも、その山ってどこにあるの?」

 

・・・と訊くと、夫は。

 

「さあ?よく解んないけど。

近くだし、なんとかなるでしょ。

ナビもあるし」

 

・・・と、呑気に答えていた。

 

 

 

バラクラから諏訪大社に向かう途中。

すごく綺麗な白樺林を見たのを覚えてる。。。

 

あれは、どのあたりだったのだろう。。。

 

 

そのあたりは、道もすいていて

気持ちがよかったのだけど。

 

しばらく進むと、ものすごい渋滞になり。

なかなか、前に進めなくなった。

 

 

そのうち。

町中みたいな場所に出ると、

混んでいるのは車道だけでなく、

歩道にも人が溢れていて。

 

たくさんの人達がゾロゾロと、

同じ方向に向かっているのが見えた。

 

「すごい混みようだねぇ。。。」

 

・・・と、私たちはちょっと。

ゲッソリしてきていた(苦笑)

 

 

ふと、窓の外を見ると、川があって。

その橋の欄干には、横断幕が

はられていて。

 

そこには、

「祭」という文字が、チラッと見えた。

 

 

「なんか、お祭り、やってるみたいだね?

なんだろう?」

 

・・・と、私が言うと。

 

夫は、ハッとした顔になり。

 

「あ!そうか!あれだよ、あれ!

柱を持ってくるヤツ」

 

・・・と言った。

 

 

そのあと、夫は。

そのお祭りのことを、あれやこれやと

説明しようとしてくれたのだけど。

 

なにせ夫も。

ほとんどのことが、うろ覚えだったので、

ちゃんと、説明することは出来ずに。

 

だからその時は。

彼のそういう話を聞いても、

意味が全然解らなかった。

 

 

それが、諏訪の有名なお祭り。

数え年の7年に一度行われる、

あの「御柱祭」だと解ったのは。

 

家に帰ったあとのことだった。

 

 

そのお祭りに、偶然出くわしたことも。。。

 

私達家族にとっては、あとになってから

大きな意味を持つことになるのだけど。

 

その時は、そんなことも何も思わず。

 

ただただ。。。

 

「なんでもいいから。

早くこの、人混みを抜けたい~~」

 

・・・とばかり思っていた。

 

 

*******

 

 

「次の信号を左折してください」

 

・・・とナビが言い。

 

その通りに進んだとき。

私達はやっと、人混みと渋滞から

抜け出すことが出来て、ホッとしていた。

 

やっと。

人の少ないところに出られたぁ。。。と。

 

そう思っていた。

 

 

そこは。

カーブの急な峠道。。。というか、

明らかに、山道だった。。。

 

 

「諏訪大社って。。。

こんなところにあるの?」

 

・・・と、内心思ったりもしたけど。

 

でも、ナビが案内しているのだし。。。と。

私達はそのまま、車を進めた。

 

 

ナビの画面を見ているとそこに、

「守屋神社」という文字が見えた。

 

「守屋」というのは、我が家の

名字なので、少し気にはなったのだけど。

 

それを、言葉に出すほどではなく。。。

 

車は、その場を通り過ぎていった。

 

 

でも。

その直後にナビが。

 

「目的地に到着しました」

 

・・・と言って、案内をやめてしまったのだ。

 

 

何もない、山の中。。。

諏訪大社はどこ???

 

・・・みたいな場所で(笑)

 

 

 

こういう現象は、以前にも経験したことがあった。

筑波山で。。。

 

ここは、どう見ても山の中だし、

また、それだろう。。。と。

 

私達は特に慌てることもなく、

夫は、ナビをセットしなおそうとしていた。

 

 

でもその時私は。。。

ふと、さっき通り過ぎた神社のことが

頭に浮かび。。。

 

 

「ねえ、パパ?

今、家の名字の神社があったけど、

ついでだから、ちょっと寄ってみない?」

 

・・・と言ってみた。

 

 

「それって、どこにあるの?」

 

「すぐそこ」

 

・・・と。

 

 

その神社は。

今、私たちが停まっているところからも

見えるくらいの。

 

本当にすぐそこにあったのだった。

 

 

車を引き返し。

 

その神社を参拝しようと、

その鳥居の前に立った時。。。

 

 

夫と私は、一瞬固まった。

 

 

なぜなら、その神社には。。。

 

「物部守屋神社」

 

・・・と、書かれていたから。。。

 

 

「あぁ。。。なんか。

呼ばれちゃった?」

 

・・・と、正直思ってしまったけど。

 

 

私達はあの時は。

二人とも黙っていた。。。

 

 

黙っていた。。。というか。

 

言葉を失っていた。

 

・・・というほうが、正しいかもしれない。

 

 

*******

 

 

つづく