ある日、クラスメイトの女の子と
バンドをやりたいねって。
そういう話になった。
「ギターやりたい」
・・・と、彼女は言った。
「じゃあ、私は、歌やりたい」
と言って。
ふたりで、メンバーを探し始めた。
キーボードは、すぐに見つかった。
ギターの子の、地元の幼馴染。
ずっとピアノを習ってた子だった。
ベース。。。どうする?
・・・と。
なんとなく。
あの子なら、やりたいって言いそう。。。
って、ふたりで。。。
クラスのある女の子に、
声をかけてみた。
ベースの人を探しているんだけど、
一緒に、バンドやらない?って。
その子は、ふたつ返事で。
「やる、やる!!」
って。
よし!!って思ったのに。
次にその子は、、、
こんなことを言い出した。
「でも私、本当は、歌がやりたい」
・・・って。
困っちゃって。
で、ギターの子が、提案してきたの。
オーディションやろう。と。
自分と、キーボードの子が
審査員になるから。
ふたりそれぞれ、
歌ってみて。。。って。
もし。
それに落ちたら。。。
落ちた人がベースね。って言われて。
まずい。。。
どうしよう。。。
なんて焦りながらも。
なんだか、どこか楽観的に。
ま、なんとかなるだろう。。。と。
その日を迎えた。
とりあえず、ボーカルにはなれたので、
ホッとはしたのだけど。。。
問題は。
ギターの子も、ベースになった子も、
まったくの初心者だったこと。
まずふたり。
楽器をゲットするところから始まる。。。
楽器店に行くのも、、、
いつも、付き合ったよ。。。
だって。
ベースの子に、なんか、
悪い気がしちゃって。
でもその子は、、、
やるからには頑張る!!って。
気合いをいれてた。
楽器店の人に、、、
ベースのことをあれこれ訊ねてた、
彼女のあの、真剣なまなざし。。。
今でも、覚えてる。。。
無事、楽器をゲットしたふたり。。。
そのふたりだけでなく、キーボードの子も、、、
すごい高いシンセを買ってた。。。
学生なのに。。。
私だけ手ぶらで。。。
ホント、申し訳ない気分だったよ。。。
さて。。。
これから自主練して。
半年後に、
みんなで音合わせしようと。。。
そういうことになった。
課題曲に決めたのは、、、
レベッカの『ラブ・パッション』。
そうそう、ドラムは、
キーボードの子の友達の、
男の子だった。
ドラムはなんとなく、
男子がいいなぁ。。。って。
みんな、思ってたから。
彼はもう、すでにバンド経験者で。
かけもちで、女の子バンドに
入ってくれたの。
そして彼の友達の男子も。
たまに、ギターで入ってくれてた。
ギターの彼。
上手だったのに、気を遣ってくれて。
リード・ギターはいつも、
彼女に譲ってくれてたけど(笑)
********
半年後。。。
正直、、、期待はしてなかったの。。。
だって。
弟のギター、全然弾けなかった私は。
あんなのが、半年で弾けるように
なるわけない。。。って。
そう、思ってたから。
なのに。
スタジオに入って、、、
びっくりだった。。。
ちゃんと。。。
曲になってる。。。と。
それで、感動して。。。
それからは頻繁にスタジオに入って、
みんなで練習した。
いつものスタジオの受付にいた、、、
長髪で、、、
いかにもバンドやってます的なお兄さんに。
「まーた。生意気なこと言っちゃって~」
・・・ってからかわれた記憶があるのだけど。
そのとき、私たちが何を言ったのか。
もう、全然覚えてない。
自分たちのバンドだけでは、
ライヴなんてとても無理だったから。
ドラムの子のバンドのライヴに、
何度かちょこっと、
参加させてもらったりした。
すごい楽しかったけど。。。
ある時、、、そのバンドは終わった。
原因は。
男女関係のもつれ(笑)
まぁ、、、
それだけじゃなくて。
結局。
ギターとキーボードの子の
音楽の趣味と。
ベースの子の趣味が合わなすぎた。
ギター・キーボードは
どちらかというと、、、日の光系。。。
というか、一般受けしそうな曲が好きで。
ベースの子はね。。。
どちらかというと、アンダー・グラウンド。
ある時、、、バンドにも慣れてきたころ。
オリジナルの曲を作ってみようと
いうことになり。。。
それで、ベースの子が詞を書いてきたら。。。
その内容に、、、
ギターとキーボードの子達が
ドン引きしてるのが、、、
すごい分かった(苦笑)
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ベースの彼女は。
「The Cure」とかも好きで。。。
キュアーのテープを、、、
たくさん、貸してくれたっけ。。。
OLになって。。。
初めてコスメをフルで揃えた時。。。
私が「マリー・クヮント」を選んだのは、、、
多分。。。
キュアーのボーカルの
ロバート・スミスが使ってる口紅。。。
彼のあの、わざとはみだした口紅は、
マリー・クヮントのだよ。って。
あの頃、
ベースのあの子が言っていたことが、、、
まともに聞いていなかった
気がするのに。
それでも、、、意識のどこかに
残っていたからなのかもしれない。。。
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気づけばいつの間にか。。。
みんなと疎遠になった。。。
学校卒業とか。
そういうのもあったからだったかな?
で、そのあとは、、、
他のことに夢中になっちゃって。
バンドは、それきりだった。
大人になったある日、、、
ギターの子から、突然お手紙が来て。
彼女はその後も、、、
いろんなバンドでギターを続けていたと。
そう、教えてくれた。。。