「やめて」と言わない=容認にならない?
子供の自傷行為で悩む親御さんが
お子さんに「自傷行為をやめて」と
いうのをやめられない。
その理由の1つに
「やめてと言わないと
自傷行為を容認しているように感じる」から
というのがあります。
中には何も言わないと
周囲の人から
「なぜ止めないの?
あなたが許すからやるんでしょ!?」
と責められて
苦しい思いをする方も。
でも子供に
「やめて」と何度言ったところで
やめるどころか
ひどくなるばかり。
どうしたらいいのか
親御さんは頭を抱えてしまいますよね。
自傷行為を認めるということは
なかなかできることではありません。
こういったサポートをしている私でも
「自傷行為は一生していてもいいよ!」
とは言えないですし、
目の前に自傷行為を試そうとしている子がいたら
まずは止めます。
ですが
自傷行為に依存状態になっている子に対しては
どこかで
自傷行為を受け容れなければならないときが来ます。
こちらの記事も参考にしていただけたら嬉しいです。
知っていてほしいのが
受け容れる=行為の容認ではない
ということ。
もう少し詳しく書いていきますね。
(下に続きます)
自傷行為を認められない気持ちは持っていてもいい
私は
親御さんが「自傷行為を認められない」という
気持ちは持っていていいと思います。
それは当然の気持ちです。
ですが、
お子さんが自傷行為という手段に
頼らざるを得ない心情は
理解し、受容していきたいもの。
「自傷行為は適切な方法ではないかもしれない。
けれど、今のあなたにとっては
生きていくために必要なことなんだね。」
というように。
受容共感の基本は
行為を認めるのではなく
その行為の奥にある感情を認めること。
自傷という行為は認められなくていい。
そうしてしまう感情を認めていくんですね。
そして
自傷行為をやめる時期は
本人しか判断できないものです。
例えば、
かつて自分が失恋をして
落ち込みふさぎ込んでいるとき
「今すぐ元気になりなさい」
「〇ヶ月先までに元のあなたに戻りなさい」
と他人から言われて
それができるでしょうか?
いつ立ち直れるかは
自分にしかわからないはずです。
それと同じで
自傷行為という手段に
頼らなくてよくなる日が
いつ来るかは
本人にしかわからないし
その変化は
本人にもわからないところで起こることも。
だから
「自傷行為してもいいよ!」
なんて思えなくていいです。
自分の価値観と
子供の価値観は
違って当たり前なのだから。
ですが
● 子供は必要だから自傷行為をしていること
● いつやめるかは
他人にコントロールできるものではないこと
この2つのことが理解できると
遠回りに見えるかもしれませんが
「やめて」と言い続けることよりも
ずっとずっと解決に近づくはずです。