(1)社台にサンデーサイレンスの3×3のクロスが多い

 

 

今年(2024年)の社台・サンデー2024年募集馬の名簿を見て思った。

 

サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬が多いな。

 

数え上げると、社台が6頭もいた。

 

G1は1頭、中央オーナーズは2頭、地方オーナーズは3頭の合計12頭。

 

 

 

社台サラブレッドクラブの2020年募集馬ボルドグフーシュ(父スクリーンヒーロー、牡)はサンデーサイレンスの3×3のクロスを持ちながら賞金を3億1,809万円も叩き出している(2024年5月15日現在)。

 

スクリーンヒーロー産駒では、ほかにサンデーの3×3で重賞を勝ったトラストもいるように、この濃いインブリードはむしろ成功しているとさえ考えることができる。

 

それでは、他の種牡馬はどうだろう。

 

そう思いついて、調べてみた。

 

(2)ジャスタウェイ産駒でサンデーの3×3を持つ馬を調べる

 

表の種牡馬を全部調べるのも大変だから、とりあえずジャスタウェイ産駒を当たることにした。

 

名簿の「デアリングエッジの2023」という名前に惹かれたからだ。

 

祖母デアリングハートの一族からは3冠馬デアリングタクトを出している。

 

だから、会員の間でも「デアリングエッジの2023」はそこそこ人気するだろう。

 

牡馬の割には価格は50 万円と手頃で安い。

 

 

netkeiba.comでジャスタウェイ産駒の5代血統表を片っ端から調べ、サンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬をリストアップした。

 

すると、60頭が該当した(デビューした馬のみ)。

 

 

 

 

 

考察したいことは3つ。

 

①活躍馬はいるのか。

 

②セン馬は何頭いるのか。

 

③「デアリングエッジの2023」のように母父キングカメハメハとの相性はどうか。

 

 

(3)ジャスタウェイ産駒でサンデーの3×3を持つ馬の活躍馬はいるか

 

初めに①「活躍馬はいるのか」について。

 

ここでは、活躍馬を以下の2つの条件のいずれかに該当する馬と定義する。

 

1)重賞優勝馬

 

2)獲得賞金が1億円以上の馬

 

結論から言うと、ジャスタウェイ産駒でサンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬の中で活躍馬はいない(2024年5月15日現在)。

 

獲得賞金については最高額がハーフバック(メス、母父 ダンスインザダーク)の 8,310万円で、1億円に届かない。

 

リステッド競走の21'オーロCを勝っているが、重賞競走の優勝はない。

 

JRAのオープンを走ったのは、この馬とジューンオレンジ(メス、母父シンボリクリスエス)の2頭だけだ。

 

ジャスタウェイ産駒でサンデーサイレンスの3×3のクロスを持つ馬が60頭もいて、たったの2頭。

 

これでは……。

 

いま、募集時期というデリケートな時期なので、直截に書くことを控えたい。

 

 

このデータで読者のみなさまは「デアリングエッジの2023」に出資するかどうかをご判断ください。

 

(4)セン馬については意外な結果が

 

次に②「セン馬は何頭いるのか」という疑問だ。

 

やはり3×3という濃いインブリードになると、気性の面で問題となってくることが心配だ。

 

調べた結果は2頭。

 

ナムラアンソニー(母父ディープインパクト):14戦1勝

 

グエムル(母父アフリート):5戦1勝。

 

もっと多いかと思ったが、2頭とは意外だ。

 

それにしても、この2頭の競走成績はひどい。

 

気性面以前に能力面でサンデーサイレンスの3×3というサンデーサイレンスの濃い血が生かされることはあまりないようだ。

 

 

(5)母父キンカメとの相性は疑問

 

最後に③「母父キングカメハメハとの相性はどうか」。

 

該当するのは2頭。

 

クロダブシ(牡):6戦1勝

 

アドマイヤザルミナ(メス):34戦5勝(地方)

 

アドマイヤザルミナは5勝しているが、いずれも地方(盛岡、水沢)のもので、中央は7戦0勝。3着が最高だ。

 

サンデーサイレンス系の種牡馬と「母父キンカメ」はニックスで、数々の活躍馬を出している。

 

社台オーナーズのアウィルアウェイ(メス、父ジャスタウェイ)は重賞優勝[20'シルクロードS(G3)]をしており、ジャスタウェイとキンカメも決して相性が悪いわけではない。

 

それでも、サンデーサイレンスの強いインブリードはパフォーマンスを良化させることは難しいのかもしれない。

 

(6)結論

 

今年(2024年)の社台・サンデー2024年募集馬の名簿で【デアリングエッジの2023】の名前を見つけて、「おおっ!」と初めは思った。

 

だが、よくよく調べてみると、「おおっ!」は「おや?」に変わった。

 

それにしても、このクロスを調べるために半分徹夜した。

 

我ながらあきれる。