愛馬のエッケザックスが障害の未勝利を勝利 したので、気をよくして、ブログを連投する。
コースレコードでの興奮の勝利から時間が経って、冷静にレース回顧をできるようになった。
まず、レースを振り返る前に、タイトルにも掲げた障害競走に向く血統の話からしたい。
みなさんは、障害競走といえば、どのような血統を連想するだろうか?
3000m以上の長丁場。
何より、スタミナが持つ血統というイメージを誰しも思い浮かべるにちがいない。
事実、ひところは、障害競走といえば、ダンスインザダーク産駒が出馬表に2頭も3頭もいるのが、当たり前、という時代があった。
しかし、
意外や、障害競走でも短距離血統がけっこう活躍する。
3000mを超える距離で、かつては、明らかな短距離血統のサクラバクシンオーの仔や リンドシェーバーの仔なんかが、レースを勝ったり、最近の例では、2015年の中山大障害と中山グランドジャンプを勝ったアップトゥデイト(父.クロフネ)が典型だが、それはなぜか?
答えは単純明快。
障害競走の要点は第一にスピードを持続したまま飛越できるか。
巧く飛ぶかというよりも、スピードを落とさずに飛べるかが重要。
次に、いったんスピードを緩めて障害を飛んで、ダッシュして次の障害へ移行する、障害間の短い距離でどれだけスピードを落とさずに維持できるかが問題となる。
こうしたダッシュの筋力とスピードの持続力という2点の有無で障害適性が判断できる。

短距離血統馬はこうした条件に合致する場合がある。
 
エッケザックスもまさに短距離血統背景(実際の平地競走での適性はマイルと言ったほうが厳密だが)を生かした障害馬の典型に当てはまる。
血統は父がデュランダルで母はリーチマイハーバー、母父はボストンハーバー。

デュランダルは父がサンデーサイレンスで、2003年と2004年のマイルチャンピオンシップを連覇した名マイラー。
あの、最後方からの稲妻のような追いこみの脚は、いまも記憶に鮮やかに残っている。
代表産駒は2013年の中京記念(芝1600m)を勝ったフラガラッハ。
いっぽうの
ブルードメアサイアーのボストンハーバーは1996年、アメリカのG1競走BCジュヴェナイル(ダート8.5F)を勝ち8戦6勝の戦績を残したマイラーで、代表産駒はウェスタンヴィーナスで芝の1200m戦のオープンを3勝(2009年中山春雷S、2010年バーデンバーデンC、2010年UHB杯)した快速馬。
他に重賞勝ち馬として2003年の新潟2歳S(芝1600m)のダイワバディットや2007年デイリー杯クイーンカップのイクスキューズなどがいる。
これらの産駒の特徴として、軽快なスピードを生かした逃げ・先行による押切り勝ちを得意としている。

エッケザックスの飛越から即時にダッシュする筋力はデュランダルから譲り受け、これに加えて、衰えないスピードの持続力は母父のボストンハーバーのからもたらされた。
今回の勝利は両者の血統配分が存分に発揮された結果といっていいだろう。
そういえば、同じ
デュランダル産駒のサイレントデュークも2014年の東京ハイジャンプ(JG2)を勝っている。

ここまで、長々と
エッケザックスの血統の詳細を書いてきたのは、レースを圧勝したことの嬉しさもあるが、実は、これからの馬券戦術として読者の参考になると思って書いている。
この
馬は軽快なスピードを信条としているので、飛越の難易度が高く、技術を要する中山コースよりも、よりスピード適性がものをいう東京コースや地方の障害競走で、実力を発揮すると考えられる。
先の
サイレントデュークのケースがその例証となるだろう。
出資者の私としては、障害馬を持ったからには、あの中山大障害や中山グランドジャンプ優勝の栄誉に浴したいが、
サイレントデュークでさえ 大障害やグランドジャンプは善戦して3着がやっとだった。
もし万一、
エッケザックスが東京の障害コースや中山障害G1競走に出走することが叶うときがきたならば、この血統傾向を覚えておいてもらっても損はないかと思う。

 御託はもうわかった。
 どうせなら、エッケが勝った中京4レースが始まる前にブログに書いて 教えてくれよ。馬連万馬券にありつけたかもしれねーのによ。

実は私も馬券は買ってない。
勝つとは思わなかったから。
だから、後付けだって言ってるんです(笑)。