最近、吉田拓郎を聴き直している。

 

 

 

 

 

一番好きなのが「落陽」。

 

若いころは、この歌詞の一人称「私」目線で聴いていた。

 

馬齢を重ねた今は、「あのじいさん」を自分に重ねている。

 

「苫小牧発 仙台行のフェーリー」っていうのが、社台の牧場見学の帰りをイメージさせる。

 

「女や酒より サイコロ好きで」の「サイコロ」「競馬」と置き換えれば、本当に自分のことが書かれているようだ。

 

そして、馬が走らず、「すってんてんの あのじいさん」になっちまった。

 

自民党の裏金問題の報道を聞くにつれ、

 

「この国ときたら

賭けるものなどないさ

だからこうして 漂うだけ」

 

社台サンデーの出資馬のうち、あとは2歳のエンスエーニョにしか、もう賭けるものは残されていない。

 

漂い続けて、私はどこへ行くのだろうか。

 

 

落陽

 

作詞 岡本おさみ

 

しぼったばかりの 夕陽の赤が

水平線から もれている

苫小牧発 仙台行のフェーリー

あのじいさんときたら

わざわざ 見送ってくれたよ

おまけに テープをひろってね

女の子みたいにさ

 

みやげにもらった

サイコロふたつ

手の中でふれば また振り出しに

戻る旅に 陽が沈んでゆく

女や酒より サイコロ好きで

すってんてんの あのじいさん

あんたこそが 正直者さ

 

この国ときたら

賭けるものなどないさ

だからこうして 漂うだけ

 

みやげにもらった

サイコロふたつ

手の中でふればまた振り出しに

戻る旅に 陽が沈んでゆく

 

 

サイコロころがし あり金なくし

フーテン暮しの

あのじいさん

どこかで会おう

生きていてくれ

ろくでなしの男たち

身を持ちくずしちまった

男の話を聞かせてよ

サイコロころがして

 

みやげにもらった

サイコロふたつ

手の中でふれば また振り出しに

戻る旅に 陽が沈んでゆく