頂いたご質問にお答えした、
“カモマイル”と“カモミール”について。
同じものなのですが、
カモマイル（カモミール）には、
カモマイル・ジャーマンと
カモマイル・ローマンの2種類があります。
どちらも同じキク科ですが、
植物分類上学名も違い、
含有成分も香りもかなり異なります。
カモマイル・ジャーマン
学名： Matricaria recutita
科名： キク科
方法： 水蒸気蒸留法
部位： 花
主な成分： 酸化物類/ビサボロールオキサイドA、ビサボロールオキサイドB、
セスキテルペン炭化水素類/β-ファルネセン、カマズレン
学名のMatricariaは“子宮の”という意味で、
昔は婦人科系の病に良いとされていたことから
ついたそうです。
材料となるお花は1年草で、
真ん中の黄色い部分がぽこっと出てて、
満開になるとお花が垂れ下がっていくので
まるで小さなバドミントンの
シャトルのような形をしています。
このカモマイル・ジャーマンの
特徴的な成分はカマズレンで、
深い紺色をしています。
“アズレン・ブルー”とも
よばれたりしていますね。
でもこの成分、
ハーブの時にはないもので、
水蒸気蒸留をする過程で
マトリシンという成分が
変化してできるものなのです。
ハーブティーで使われるのは
このジャーマンが多いそうなのですが、
ハーブティーが青くならないのは
こういった理由からなんですね。
私はハンドソープにつかったりしてるのですが、
精油の質感はかなりどろっとした感じで
混ぜても暫くは小さいつぶつぶ状で
なかなか洗剤に溶け込みません。
香りもかなり独特でクセが強いのですが、
皮膚に出来た痒いブツブツなどには
効果てきめん！
以前、
このカモマイル・ジャーマンを希釈したオイルを
炎症を起こした頭皮に塗ったら、
速攻痒みがおさまってびっくりしたことがあります。
蓋を開けるまでもなく青いのがバレバレですが、
カモマイル・ジャーマンは、
植物油などの基材に混ぜると真っ青になります。
左がカモマイル・ジャーマン、
右がカモマイル・ローマン。
色も香りも特徴的なジャーマンですが、
お肌トラブルの時には頼もしい味方です！
同じキク科のカモマイルでも、
カモマイル・ローマンは色もなく爽やかな香りで、
スキンケアにはもってこいです。
カモマイル・ローマン
学名： Chamaemelum nobile
科名： キク科
方法： 水蒸気蒸留法
部位： 花
主な成分： エステル類/アンゲリカ酸イソブチル、アンゲリカ酸イソアミル、アンゲリカ酸メチルアリル
学名が全然違うので、
カモマイル・ジャーマンとは違うものだと
わかるかと思います。
ジャーマンは一年草ですが、
このローマンは多年草で、
お花も似てますがちょっと平たい感じ。
こちらも痒みや炎症を抑えてくれる精油ですが、
カモマイル・ジャーマンとは違い
リンゴのような爽やかな良い香りがします。
成分も全然違って
このローマンはエステル類が多く、
鎮静効果が高いのでメンタル系の不調にもお勧めです。
保湿効果をあげてくれるという研究結果もあるので、
乳液やファンデーションなどに入れて
香りと共にその働きも期待できますね。
私は冬の乳液やファンデーションには
よくこのカモマイル・ローマンを
香り付けに利用しています。
お肌にのせるアイテムに利用すると、
使った時にふわっと香って毎日癒されます。
ただ、ジャーマンと同じく
ローマンも香りが強めなので、
入れる時は注意は必要です。
過ぎたるは、、、って言葉もあるように、
“○○過ぎ”は逆の結果をもたらします。
特にお顔にのせるアイテムは
香りがダイレクトに感じられるので
更に要注意です。
ふたつともキク科の植物なので、
キク科アレルギーやブタクサアレルギーを
持っている方は使用NGという注意事項があります。
協会によってはローマンは
「使用量・使用目的に準じていればOK」と
しているところもありますが、
心配な方は使用しないほうが良いかと思います。
ジャーマンとローマン、
どちらも炎症などを抑えてくれる精油ですが、
香りが全く違うので使い方はそれぞれ異なりますね。
ジャーマンはメディカル目的、
ローマンはメンタルや美容目的、
そんな感じで使われるとよいかと。
同じ様な名前を持っていても
成分や働きが違うものは他にもあります。
それぞれの特徴を知って、
効率よくアロマを活かしていってくださいね！
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