最近、ミヒャエル・エンデのモモを読み返しています。
果てしない世界も好きだけど、エンデといえばやっぱりモモ
エンデさんの物語は本当に大好きで、たくさんのメッセージが詰まっていますよね。
物語や詩は、昔から人の心にメッセージを届ける暗号のようなものであったように思います。またメッセンジャーそのものですね素敵
モモは時間のことについて話していますが、それ以上の更なる世界の問題をも炙り出しています。
今日はそれとは別ですが、私が好きな箇所をひとつご紹介。
４章の無口なおじいさんとおしゃべりな若もののお話の中にあります。
モモには親友が２人いました。その一人がこの章で出てくる道路掃除夫のベッポです。
ベッポの仕事は道路の掃除です。
ベッポはモモにこう言います。
「なぁ、モモ」
「とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう」
そこでさらにスピードをあげてベッポは掃除を続けますが、目をあげて見てみると、その道路はちっとも減っていないようにみえる。だからもっともっとすごいいきおいで働く。心配でたまらないと。
でも、それではしまいには息が切れて動けなくなってしまうから、それではいけないとベッポおじさんは続けます。
ここからです。
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん」
ベッポおじさんは言います。
「つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸（いき）のことだけ、つぎのひとはぎのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな」
まずはひとつ。
私自身も先が見えなくて途方にくれそうになったりしたときに、いつも自分に向けて放つ言霊です。
まずはひとつ。
目の前のことを粛々と。
「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。」
そうして気が付いた時には一歩一歩すすんできた道路がぜんぶ終わっている。どうやてやりとげたかはじぶんでもわからない。と、ベッポおじさん。
途方もくれないこと、山積みになってしまうこと、日常の中であるとき、
ベッポおじさんの言葉をちょっと思い出してみてもいいかもしれませんね
今、このコロナの不安な先行き見えない状況でも、
今日やることを見据えて、ただやることを粛々とやってくれている香り師さんもいます。
タイマネの効果ですね。
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん」
見えないのなら、まずは目の前のことを大切にしていけるといいですね
さら
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