意味と夢と命を集めて 作られてしまった身体は
終わった命を蒸し返す機械らしい

【これは彼の昔のお話】
人一人は涙を流して
また会いたい と呟いた

ハリボテの街の 終末実験は
昨日時点で予想通りグダグダ過ぎて
その時点でもう諦めた方が良いでしょう?

次の二人は街の隙間で そんな水色の夢見てた

期待ハズレの車線の先に 
小さな身体はまた飛び散った
泣き叫ぶ少女を目醒めの無い僕は見ていた
秒針は進みだすのを止めて
世界もろとも眩みだそうとする
この夢は終わらない

意味と夢と事態を合わせて ただただ考えてく頭
「この世界はどうやら少しヤバいらしい」

【これは彼と彼女のお話】
作られてしまった心では
もう言葉も届かない

枯れる太陽の音 蒸せる炎天下の目
夏バテした世間にはじき出された様な
蝉の声がもう鳴り響き始めても
ユラユラ揺れる透ける身体じゃ伸ばした手も届かなくて

期待ハズレの視界の先で
秒針はふざけて立ち止まって
踏み潰される未来を反対車線で見ていた
機械仕掛けの世界を抜けて
木の葉の落ちる未来の風景へと
君の目で

嗤う日差しはどこかに消えて
8月は何度でも過ぎ去って
「また来年だね」と笑いあう
そんな未来なら?

期待ハズレの世界の隙間
予報外れの雨が降ってきた
その時に その時に

例え未来が書き換わっていても
あの目は


Bless you!!
永久に止まらないSneeze 頭痛と吐き気もしてきた
誰もが彼女を哀れんだ この時点では被害者
しかし しかし その体内の状況
不明 不明 何かが起こっていた
一転 一転 同情から加害者
変色 変色 体が黄色くなった

『彼女の奇怪な症状は、公共の電波によって伝えられた。
彼女が一度、くしゅんとクシャミをする度に
辺り一面にスギ花粉が散乱してしまうのだった。』

綺麗なこころだね
色眼鏡越しの目が言う
「頑張って 頑張って でも寄らないで
貴方の事は本当に気がかり」

余計なお世話を振りまいて回収しない
救うなら最後まで貫いてくれ

半端な同情が刃に変わるんだ
言葉は容易い 形だけの

汚いね君らは
色眼鏡越しの目が言う
「頑張って 頑張って でも寄らないで
貴方の事は本当に気がかり」
嘘つけよ嘘つけよ 本当は嫌だろ
そうやって自己完結 めでたし!めでたし!

花粉、放射。
『その病は「アレグラ」と名付けられた。』



没個性に没個性に劣等感
没個性に没個性に嫌悪感
没個性に没個性に劣等感
没個性に没個性になりたくない

無頼派文豪は人蹴散らして
傑作良作生み出したんだ

だから僕もと非凡を求め
複写の個性で踊りだすんだ

少年は(少年は)複数の目玉を意識した
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
少年は(少年は)「奇特」の言葉に酔いしれていた
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
南無阿弥陀仏ノーマルな人間


お前とは違う

お前とは違う

お前とは違う

ああああああああああああああ
1,2

あのアノマリーなりたくて
身体に飾りを付けてゆく
あのアノマリー憧れて
己にデカール貼付けた


没個性に没個性に劣等感
没個性に没個性に嫌悪感
没個性に没個性に劣等感
没個性に没個性になりたくない

承認欲求に溺れていった
少年には人近づかなくて

「社会不適合こそステータス」
半笑いでそう答えた僕さ

少年は(少年は)個性の定義に踊らされてる
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
少年は(少年は)村八分になり尚ステップ踏む
南無阿弥陀仏ノーマルな人間
南無阿弥陀仏ノーマルな人間


お前とは違う

お前とは違う

お前とは違う

ああああああああああああああ
3,4

あのアノマリー輪の中で
はみ出す美徳と履き違え
あのアノマリー憧れて
手首にマヌケを刻み込む

自分がどうあるべきかよりも
人の目ばっか気になっちゃってさ
次第に欲望エスカレート
「個性派脳になりたい」

ああああああああああああああああ

奇人に 変人に
なりたくて
脳を傷つけた
それこそが
「究極の個」

あのアノマリーなりたくて
取り替え効かないこの身体
あのアノマリー憧れて
素敵なジブンになりました

あれから何十年と経っても
管だらけで動かない僕は
欲しかった物手に入れたように
嬉しそうな顔していた