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あろひろし観察記

嫁から見た漫画家・あろひろしの観察記です。


わたくしあろ嫁の父は、幼少期から大学卒業まで長野で暮らしておりました。
ですので、毎年11月終わりくらいになると、父は長野まで行って、りんごを買ってくるというのを習慣にしております。
よー知らんのだけど、父の高校だか大学だかの同級生がりんご農家みたいなんですよね。
だから、父にとっては友人との近況報告というか、顔を見に行くのが楽しみなようです。

ところで、りんご。
最近ではもらう数も段ボール一箱、15〜16個くらいと少なくなりましたが、MAX期はずだ袋に2〜3袋もらってました。
たぶん40〜50個くらい。もっとかも?
毎日剥いて食べるのも面倒なので、何か工夫出来ないかと見つけたレシピがりんご煮です。
りんごを8等分に切って、鍋に円状に並べて、軽くお塩を振って弱火で20分。(水は不要)
その後、お好みのドライフルーツを入れて、さらに弱火で20分。
出来上がりの状態で、煮る時間は加減してください。
これで完成。
あろ家では、一度に煮るりんごは4〜5個くらい。

あろさんはわたしと出会うまで、生のりんごしか食べてこなかった人です。
それが、わたしが煮りんごを作るようになったら、毎年の冬の楽しみになりました。
朝食に煮りんごを2〜3切れ食べていると、風邪をひきにくくなったそうで。良かったですねえ。
ジョブズに感謝しないとね。
りんごの神様なんだから🍎




ほとんど愚痴ですし、なんならあろさんdisも入るような内容ですので、嫌だなと思われた方はここでそっ閉じお願いします。
文句やクレームは一切聞きませんので、ここでそっ閉じしてくださいね。



先日のこと。
ここ数年、あろさんのあまりの仕事のしなささにいいかげん苛立っているわたしは、

「まんがを描きたい気持ちはあるのか?

描く気が無いのなら、もう筆を置いて欲しい。別の仕事をして欲しい。

わたしはあろさんに生涯現役でまんがを描いてほしくて、そのサポートをするためにここにいる。

まんがを描く気が無いのなら、あろさんのお世話に労力や時間を割くことなく、わたしはわたしのためだけにお金と時間と労力を使って、自分のやりたいことをやりたい」

とブチ切れました。

想像してみて欲しいんですけど、

パートナーが「やりたい仕事がある」と言ってるにも関わらず、何の行動もしないでいるのを横目で見ながら、自分だけ働いてるのって、奴隷扱いされている気持ちになりますよ。
少なくとも、わたしはなりました。

搾取されてるのも同様ですから。
これで家事は半々分担ならまだしも、食事も洗濯も掃除も、家事のほとんどはわたしが切り盛りしてますからね。
わたしはボランティアであろさんと結婚したわけではありません。

それに対してのあろさんの返事は

「まんがは描きたいと思っています。

でも、自分でおもしろいと思うものが描けない。

キャラクターに深みを出すことが出来なくて、描く前に止まってしまう」

というようなものでした。

わたしの返答は以下の通り。


「描いた作品がおもしろいかどうかを決めるのは、作者ではなく読者である。

世の漫画家全員、自分の作品はおもしろいと思って描いていると思う。

それでも、売れるか売れないかを決めているのは、作品を読んだ世間の読者だ。

作者自身が傑作でなければ描けないというのは、烏滸がましいにも程がある」


「そもそも、あろさんは作品製作にあたり、影響を受けた人は星新一だと言っている。

星新一がショートショートの小説で書いていたことを、ある意味まんがで表現するというのがあろひろしの持ち味ではないのか?
星新一のキャラクターに深みがあると言えるか?

「エヌ氏が」とか特に固定したキャラクター設定をせず、それでも設定やアイディアで読ませる星新一のショートショートの影響を強く受けていて、キャラクターの深みを出したいというのは、わざわざ自分の強みを消すことじゃないの?

それともこれからはシマコーみたいな架空人物だけど、現実にいそうなキャラクターを描いたまんがを描きたいの?

それで、これまでのあろひろしの作品の世界観にマッチするの?

ハンター・キャッツをシマコー路線の作品に変えたいわけ?

それならそれで止めないけど、まずは物理的な原稿という形にしてもらわないと、わたしとしても判断できない」


「とにかく、ぐだぐだと言い訳してないで、原稿を一作品でも一ページでも多く描くことをしてください」

わたしから見たあろさんの主張は、

それまで40年以上ラーメン屋でやってきて、ある程度ごひいきにしてくれる顧客もついてきて、お店の雰囲気や味にも満足してくれるリピーターがいるにも関わらず、

いきなり「わしが作りたいのはこういうラーメンじゃなかった!」と、フレンチ風ラーメン屋に転換したいというように感じました。

オードブル、サラダ、パン、ラーメン、コーヒー、デザートを出すような店がやりたいんだ!と。

…いや、そういうお店を否定するわけではありません。

やってみたい気持ちがあるなら、実行するために情報収集や顧客ニーズなどデータ分析して、勝率があるならやればいいと思う。

チャレンジ精神は大事。

ただ、自分がやりたいことと自分に求められることが別だというのも、往々にしてあるわけです。

わたしが言いたいのは、やりたいことをやるためには、ある程度求められることで実績を重ねていく必要があるだろうということです。

現状のあろさんは、求められていることも満足にこなしていません。

自分の顧客(読者)が何を求めているのか、どうしたら顧客満足度を上げることができるのか、あろさんはまるで考えていないで、日々を無駄に過ごしているということです。

そういう戦略も考えないで、毎日ぐだぐだだらだらしてるから、わたしがブチ切れることになるんです!




…あの、漫画家パートナーの方にお聞きしたいんですけど、漫画家が「まんがを描きたいです、描きます」と言ってて、待てる時間はどのくらいでしょうか?

わたし、漫画家という職業の人は毎日なんらか落書きというか、イラストというか、とにかく絵を描くと思っていたので、こんなに毎日何も描かないあろさんが不思議でたまらないです…。

正直、わたしはわたしで今あろさん以外にもいろいろと問題を抱えているので、毎日あろさんのお世話に何時間も取れないのです…。

本気で疲れてます…。






あろさんの時間感覚は異常です。もんのすごいのんびりしています。
と言えば穏やかですが、現実としては非常に困ります…。
あろさんも自分の時間感覚が異常だと自覚はしているようですが、「どう」異常なのかは自覚していません。原因を自覚してたら直ると思いますしね…。

例えば、わたしは平日は仕事に行っているので、お役所の用事などはできません。
なので、あろさんに「これの件で、お役所に電話しておいて」と頼みます。
すると、「わかった。電話する気力をためるのに3日…1週間待って」と平気で返ってきます。
…アホですか。そんなに待てません。そんなら、お昼休みにでも自分で電話します。

というように、とにかくお返事が遅い。他のことでも困るけど(起床時間や就寝時間など、生活時間がずれるのは、合わせるのがたいへんです)、何より困るのがお仕事の時間感覚です。
基本的には、わたしがあろさんの仕事量を把握して、「○◯はいつできる?」「◇◇はいつ頃になりそう?」と聞いて、予定を組んでいきます。
それについて、あろさんに「◇◇?サッパリわからん!」と断言されると、庭に埋めたくなるんですけど駄目ですか。

いいかーよく聞けー!今わたしが組んでる予定はあろさんの仕事じゃー!仕事をやる本人のあろさんが「わからん!」で、わたしが分かるわけなかろー!わたしが描くんじゃないんだよおおお!わたしが先に予定を組んだところで、守らないくせにいいい!
(なので、一度は本人に「◯月◯日には出来ると思う」というのを、言わせます。自覚してもらうために)

あろさんと暮らすようになって10年以上、そのうち一番困っているのがあろさんの時間感覚と受け身の性格ですね。
わたしが「えっ、それは◆◆したらいいじゃん」とひと言で済ませることを、あろさんは「うーんうーんどうしよう」などと悩むので。

特に、相手先のいる仕事はマジやばい。
フルタイム勤務のわたしは土日くらいしかまとまった時間は取れないので、結果として連絡がずれ込んでしまう。あろさんにキッチリお返事しておいてね、なんてのは望めない。
本当に関係各所には、ご迷惑をかけっぱなしで申し訳ない。本気で何とかしたい。
(と、わたしはどうにか円滑に進めていく方法を考えるが、たぶんあろさんは考えてない)

しかも、わたしがあろさんの仕事の予定組みとか相手先との交渉とか事務方をやってて、あろさんからのお給料はゼロですからね…。
わたしがやってるのは全部ボランティアなんですよ…。
(ここで、「でも大黒柱で稼いでるのはあろさんだろ?」と思ったアナタはあろさん贔屓ですね。確かに大黒柱と言えるほど、わたしはバリキャリ高収入ではありませんが、自分の生活費については不足無く稼いでます。むしろ実家に帰ったら、優しい親はわたしのためにごはん作ってくれるし、光熱費家賃も少しでいいって言ってくれると思う。実家にいる方が貯金できる!)
そんなボランティアでここまでやって「わからん!」て断言されたら、庭に埋めたくなるよね?ね!
(話が戻った)

というわけで、関係各所には頭を上げられませんが、何とかあろさんには自分がやることの目処は立ててほしいと思うのでした…。

本当に申し訳ありません…。

まあつまり、さっきまで「いつできる?」「わからん!」のバトルが展開してたわけです。

こんなかわいそうなわたしに、GUCCIのスーツを買ってくれる優しい人はいませんかー!→親に頼め。(親、服に興味無いから、まあ無理だけど。)














 

「雲界の旅人~島喰い篇」の制作を進めている最中のあろ家からこんにちは。

あろさんの遅筆は読者の皆さまに広く知られていることかと存じますが(自虐だね)、

そうはいっても、今がどういう状況なのかを全くお知らせしないわけにもいきませんので、

サイト内 「活動報告」を更新いたしました。

支援者の方限定公開です。

お時間のある時にでも、ご覧いただけたら幸いです。

 

 

 

 

修羅場は続くよどこまでも……。

 

 


先日(21/10/3)、Twitterでツリーとして書きました。
それをひとつにまとめておきたかったので、
今回の記事にしようと思いました。

*******

あろさんは「島の花嫁」に前後した期間、とてもひどいスランプに陥っていました。(今も少し引きずってますが…)
わたしが会社に行って、帰宅するまでの間、約12時間くらいはあるのですが、その間、あろさんは目に見える仕事はまったく何もしていないのです。
キャラクターのイメージイラストを描くわけでなく、ネタを書きとめたノートやメモがあるわけでなく。
わたしが「何をしてたの?」と聞けば「頭の中で考えてる」とあろさんは言います。
その同じやり取りをするのにも飽きて、
「あろさんの頭の中にあるのなら、それを具現化してください。まんがという形にして、広く読者に読んでもらいたいのなら、"あろさんの頭の中にあっても"形になっていなければ、あろさん以外の人は楽しむことが出来ません」
と、わたしは何回言ったことでしょう。
それでも、あろさんの仕事に向かう態度は変わりませんでした。
あろさんの性格上、読者に"ここが楽しかった!""こんな発想はできない!""すごい!"と手放しで褒めてもらえることが、何よりのモチベーションになるとわたしは思っています。
そのためには「まんがを描いて、発表する」のが必要です。
ですから、わたしは"とにかく露出を増やしましょう"と言い続けました。
今の時代、SNSやインターネットを使い、自分から発信することは出来ます。
それで「あろひろし、ここにあり」を世間に知ってもらいましょう、と提案しました。
でも、あろさんはわたしの言う意味が分からないままやっているので、どれも中途半端になってしまいました。

漫画家という、収入や保障が不安定な仕事をしている人と結婚したんですから、ある程度の不調は覚悟しておりました。
…"ある程度"は、ね。
さすがに数年単位でスランプだとあろさんに主張されるのは、わたしの気持ちも不安定になります。
あろさんがスランプ→抜け出せない→アドバイスしたところで、あろさんは行動しない→袋小路。

わたしは「まんがを描くあろさん」を後方支援していくのが、わたしの役目だと思っています。
あろさんに生涯現役漫画家でいて欲しい、だから、そのためなら、あろさんの健康管理や生活のお世話をすることは、負担や不公平だとは思わない。むしろ、わたしの作るごはんや清潔な服を着ることで、健康になって気分をアゲて、たくさんまんがを描くといいわ!くらい思っています。思っていました。

それでも、あろさんは描かないんですねえ。
この状態に数年単位で耐えたわたしも、かなり偉いと思うし、もっと褒めてと思いますが。

それで、あろさんに聞きました。
嫁「このままスランプが続いていいの?」
あ「嫌だ」
嫁「スランプ抜けるのにどうしたい?」
あ「インプットを増やすのに、映画を観たい」
嫁「分かった。月イチで映画を観よう」
という話になって、コロナ前まで約2年、月イチで映画の日を設定していました。
コロナになって、映画館からも足が遠のき、自然消滅しましたけど。
まあところが、2年かけてもスランプ脱出しないしない!
さすがにわたしもイライラしてきます。
わたしはあまり映画が得意では無いので、「映画の日」は完全にあろさんサービスの日になっていました。わたしのお金と時間と労力を使って、あろさんを接待しているだけです。
映画はあろさんにとってはインプットになってないな、とぼんやり気がついてはいましたが、その理由は分からなかった。
それが、ハッと気がついたのです。

元々あろさんは映画が好きだから、わたしがお札一枚渡して「これで何か観てきなよ。お金足りるなら、2本観てもいいし」とでも言えば、いそいそと自分ひとりでも行く。そんで楽しむ。
それは趣味です。

そうではなく、インプットを目的とするなら、「あろさんが興味ないもの」にこそ連れて行くべきだった。
お札をわたして「これで(例えば)カーリーのお花展に行って来なよ」と言ったところで、あろさんは「えっ?何で?」と行かないです。
でも、わたしが連れて行けば、そこそこ楽しむんです。

それは、シンフォニー(東京湾クルーズのお船)のときに分かってる。
あろさんがお船に乗ったことが無いと言うので、シンフォニーの予約をしたことがあるんです。残念ながら、悪天候で海を回ることはできませんでしたが、船の中を見たり、ごはん食べたりと、楽しんではいたんです。
そういうことをもっと体験させるべきだった。

自分が好きなことは、人が放っておいてもやります。
あろさんが自分で興味を持たなかったり、存在を知らないようなものこそ、わたしが手を引いて体験させるほうが良かったんだろうと思います、たぶん。
それがインプットのアンテナを立てるということなのかなと。
まだやってないから、効果は分かんないけど。

というのを、18歳3ヶ月で最年少司法試験合格という少年のニュースを見て思いました。
まあまだコロナどうなるか分からないし、混雑に連れ出すようなことはしたくないけど、近場の植物園とか博物館とかからでも、行けたらいいなと思いました。まる。