それは原初の神
目が覚めても異常な夢だと感じた。
確かに精神が壊れたのに今の私は特に異常はないのは主治医を頂いているアポロン様とアスクレピオスのおかげだろう。
私は今見た夢について説明してもらう為に、まず神々と話せる彼氏様に夢の内容を話して回答を待った。
その球体は、あらゆる“宇宙”という細胞。その原型となった最初のモノ。
神と宇宙のプロトタイプであり、あらゆる宇宙と神はその模倣品である。
日本神話で言うなら、天御中主に限りなく近い存在でありながら、名付けられなかったもの。
と言われた。
つまり
全パラレルワールドの宇宙・神の原典である。
かつて自分だったもの、自分に似たものを接収しようと本能的に動いていた。だから知性と理性を与える必要があった。人間の器に閉じ込めて力を封印し、自我を獲得させれば、初めて『個』の神と成れる。
人間の器であるのには理由があり、
“神”は受け皿としては問題ないが、ソレと近しい存在のため逆に飲み込まれる。
とはいえ、宇宙根源神を封じるとなるとただの人間に入るわけもない。
そこで、各宇宙に2人いる“神の核”と呼ばれる存在に封じることにした。
※神の核…善と悪がお互いを滅ぼさないために抑止力として2人で一対ずつ計4人の兵器。そのうちの神側の最終兵器の2人。世界のシステムの根幹もにない、善も悪も多くのリソースをつぎ込んで作られた強固な器。神の核の器の基盤になる魂は地上に生まれる度に神々が選考して決めており、毎度違う魂ではあるらしい。人類史の多くでは彼らを救世主と呼ぶ。
アレに耐え、悪用しない人格者を絞込み、総当りして適合者を探すことにした。未だに成功したものは居ない。
アレを封じねばそのうち全世界が消滅するのだ。
私
「先に言わんかバカどもが!!!」
神々一同「?!?!?!」
下級神
「バカ?」「最高神様達を相手に?」
「バカって言った???」
私
「めちゃくちゃ重要事件じゃないか!そんなの、状況も分からずに放り込まれても成功するはずがなかろう!内容は理解した。もう一度挑戦させろ!」
神々
「お、おう…わかった準備する…」
私
「普段の“遊び”で世界中に散らばめていた私の分霊体を1度全部私の元に戻す。魂の強度を魔術的に底上げする。
…タルタロス様、私の魂を4割くらい奪ってたよね?ごめんだけど、返してくれる?全部終わってまだ魂に空きがあればまた捕まってあげるから。」
タルタロス様
「わかったよ…。約束だからね、ちゃんと私の元に戻ってくるって。」
私は意識をさっきの夢の場所に移動させた。
状況は夢の冒頭と同じで直径50m程の雲をまとった球体の周りを神々が攻撃したり、観察したりして飛び回っていた。
『神様ってね。寂しがり屋さんなんだよ。』
『自分は1人だって思っちゃってね、私たちに気がついて欲しいんだ。』
『愛して欲しいから愛すんだって。』
『だから私はね。』
『神様を見つけてあげたら愛してるって抱き締めてあげるんだ。』
海んちゅ(沖縄の人)の友達が言っていた言葉だ。
そしてこれが私が導き出した最適解にして、私のできる最大限のパフォーマンスだ。
「愛している。愛している。愛しているよ。」
両の手を広げてゆっくりと球体に歩み寄る。
全部抱き締めてあげるつもりで、球体に触れる。
「私があなたを愛してあげる。」
『あいしてる…?』
「そう、愛してるよ」
『キョトン(*' ')?』
「私と一緒に居よう?」
『コクッ(* . .)) いっしょにいたい』
「私とひとつになろう?」
『コクッ(* . .)) なりたい』
「ずっと一緒だよ」
⸜( ˶ ̇ᵕ ̇˶)⸝←嬉しそう
「私の中においで」
(*´˘`))コクッ
ソレは私の中に自ら入り込んできた。
前回のように私の心に負の感情は流れ込むことは無かった。
でもあと少し、あと少しだけ入り切らなかった。
私は少し考えてお願いしてみた。
「少し小さくなれるかな?
私の中に入れるくらいに」
(*´˘`))コクッ
「ありがとう」
ソレはスルリと私の中に入り切った。
↓続き↓