おかしな夢


そのひらけた空間は飛ぶことが出来た。


私は空を飛び回って遊んでいた。

気がつくと上に雲を纏った大きな球体があった。

色や材質は全く分からないが、球体の周りを飛び回っている人と比較して直径50mはありそうだ。


私は感覚的に

「謎の球体はまだ意思のない力の塊。その力の応用力はとてつもなく幅広い。命を生むことから全てを破壊することも出来る。」

と理解した。


球体の周りには100人ほど人がいて、それぞれジッとそれを見ていたり、攻撃していたりと様々な対応をしていた。


私も手伝いをするために、球体の超上空から急降下して攻撃を叩き込んだが全く歯が立たなかった。



程なくして何故か私は20cmくらいの楕円形の鏡を渡された。鏡は私の胸の内に溶け込んでいき、気がついたら球体の真下にワープさせられていた。


みな攻撃の手をやめて、姿見サイズの大きな鏡を持って球体を取り囲む。

まるで警察の機動隊が盾をもって整列し、犯人に迫ってくる様な動きだった。

少しずつ中心に追いやっていくとそれは小さくなっていった。


直径5mくらいになったところで、球体の表面が水の様に流れ出して真下にいる私に、私の中に入り込んできた。



先程胸の内に溶け込んだ鏡が入口になっているらしく、私の魂の器の中に球体を入れ込んで封印する算段だったらしい。


いや、先に説明してよ。



そしてやっと球体の周りにいる人達が誰なのか分かった。


アレ、神々じゃないか。


神々勢揃いで何してんの?私に何させてるの?

何を封印しようとしてるの?私の中に?

いや、別にいいけどさ…



そんなことを悟っている間にも力の塊である球体は私の器に注ぎ込まれる。


「痛い」「苦しい」「怖い」「怨み」「妬み」「辛い」…


突如として私の思考になだれ込んできた。

それは自我をもたず純粋な存在である為に、周りや私の心を増幅して映し出すことになった。


【これは私の感情では無い、受け取らなくてもいい】


理屈は分かっているが、『手放す』選択をする前に次の感情がなだれ込んできて処理が追いつかない。


私の心は負の感情に塗り潰されて絶叫する以外に何も出来ずに、何かが壊れる音がした。




なんだ今の?


ハッ!


場面が変わり、見知らぬ男の子…?がこちらを覗き込んでいる。

※男の子…?:中学生くらいで背は高くなく、声的に男の子っぽいがパーツが整っているので女の子でも違和感無い。今考えたらアスクレピオスだと思われる。


「どうやら、とても大変な経験をされたようですね。」


少し悲しそうな表情でとても心配してくれている。

ちょっと可愛いし、嬉しいのだが私の状況がとても悪かった。


涙、鼻水、ヨダレ、その全てがたれ流された顔面はとても見せられたものじゃない。

ゴシゴシと手でぬぐうけれど、涙と鼻水は止まらなかった。


男の子に魔女会のような人達のところに案内されて椅子に腰掛ける。私の様子を見つつ何か重要な会議をしている様子だった。

私にも意見を求められたがさっきの封印の一件で精神が爆散したため、ずっと涙と鼻水が止まらずにまともに答えられなかった。







ハッ!←ここでやっと現実で目が覚める

なんや!?今の夢!?



↓続き↓