↑前回の振り返り
過去世の旦那達から逃げる為にダメ元で泣きついたタルタロス様(以下タル様)に彼らから私を匿うことを快諾される。
私はタル様に体への憑依を許してしまう。
神の愛に包まれた私は心地良さと安心感に気を許してしまうが、タル様の目的とは?
まずタルタロス様の紹介ですが、
冥界の奥底の領域、奈落の神です。
ギリシャ神話においては神々の王に反逆した神が落とされる牢獄のような場所。
天界の神々が忌み嫌う淀んだ場所なので、
好んでやって来る神はいません。
そんな奈落の擬人化の様な神様です。
囚えることが本能のような趣味のような方なので、
その姿は相手が“逃げたくなくなるモノ”or“そこに居たくなるモノ”になる様子。
例えば、
戻りたい青春のあの学校だったり、
波に乗っていた時代の会社だったり、
ラブラブだった時の彼氏(彼女)との思い出の場所だったり。
タル様に私は聞いてみた。
私
「私を捕まえるのならば、何になるの?」
タル様
「君は人からの愛に飢えている。
だからそれを与えられる相手の元からは離れられない。
だから私は人にの姿になるよ。」
私は人間が嫌いだ。
それは私が優しくて人の為に自分を犠牲にして、
相手に利用され続けたからである。
もちろん、私を助けてくれる人もいたがそれはそれである。
これは私のカルマの1つ。
『人間が嫌い。(本心:人を愛したい。)』
私
「へぇ、私は人が嫌いだよ?やってみてよ。捕まえてみてよ。」
タル様
「いいよ。…愛してる。」
中性的な長い黒髪の男性。
あまり筋肉も無い男性らしさの少ない男性だった。
これは私が男の人に対して警戒心がある為だろう。
背後から緩く抱きしめられて、
私の体からは力が抜けた。
神が万物に等しく向ける愛に包まれて、
私は考えるのをやめた。
追いかけてくる旦那達とは違って、
1つの命としての愛。
私という個人がどんな存在だろうが関係なく向けられる愛だった。
タル様
「愛してる。こうしていると心地いいね。
離れたくないね。ずっと一緒に居よう。
君は囚われるのが好きでしょ?
抵抗しなくていいんだよ。
ここに居ていいんだよ。ここは君の居場所だよ。
そのまま私に委ねてご覧。」
私
「うん、気持ちいい。ここに居たい。一緒に居たい。」
単純化した思考回路の私は浮かれた頭で答えていた。
一方で、
タル様も“誰かを囚える”という牢獄の概念を持つ神なので、
私をこうして囚えることそのものが目的だった。
逆に言えば、囚える為なら何でもする神である。
ちなみに、囚えたら魂を鑑賞するらしい。
何故か私は面白い魂らしく、
絶対に逃げないように魂と精神を徐々に侵食されていった。
侵食を言い換えるのならば、魂の同化や統合になる。
つまり、同じ魂、同じ存在、相手の一部になるということである。
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