この前夫と日本食スーパーで買い物をしていたら、一人の外国人さん(と言っても私たちもインドネシアでは外国人なのであるけれど)が「これってなに?」と聞いてきました。
彼が持っていたのは「ごはんですよ」。真っ黒だしね。
「これはご飯に乗せて食べると美味しいよ」と、そこから少しおしゃべり。
この方、ジャカルタ在住5年目のドイツ人。
帰り際に名刺をくれた。
夫がメールをしたら、精進料理に興味があり、日本の包丁も買ったのだ、とのこと。
いろいろ話を聞きたいので今度茶でもしましょう、と返事が来た。
添付された精進料理の関する資料を見ると、かなり詳しい。
困ったわ。私たちは雑食で精進料理について何も知らないのだもの。
ドイツ人がおやつにバームクーヘンを食べないように、日本人も精進料理は食べないのよねー。
*ドイツではほとんどバームクーヘンは見かけない。日本の方が身近にある。
お茶をする前に、ざっと精進料理について知識をつけ、手土産はわたくしの手作り味噌ざます。
1月末にこちらの材料のみで仕込んだ味噌種。もう半年以上寝かしているし食べられるんじゃないかな。
日本にいた時に教えてもらった通りに、最初の2ヶ月はカビができやすかったから気を遣ったけれど、それ以降は冷蔵庫から出して部屋の片隅に置いてもカビは生えずにここまで来ました。
こんな
でもペースト状にはならず。やっぱり大豆がねぇ。
しかし味はなかなかイケるわ。大豆の粒が硬いけれど美味しい。
そして何かあったら説明しやすいようにipad持参で待ち合わせ場所に。えぇ、真面目な日本人ですから。
お茶する場所はドイツ人Aさんの指定のホテル。
せっかくなら日本のお茶でも飲める喫茶店でもあれば、と探したけれどジャカルタにはないのね。
そしたらAさんが日本茶が飲めるところがホテルにあるよというので。
で、さて茶しますか、とホテルの人に聞いたら、そんな喫茶店はないけれど、お茶したいのならブランチが食べられるところでお茶できるよ、と教えてもらう。
Aさん、夫に
「君がこのホテルを指定したのにお茶できないね」というじゃないですか!これには私たちびっくり。え、どこでそうなった?
その後夫がコーヒーを頼んだら
「君がお茶しようと言ってきたのに、コーヒーを飲むんだね」って、あなたバイデンさんかい??
しかしその後の話は面白かった。
Aさんは公官庁とやり取りをする仕事をしているらしいのだけれど、なかなか一筋縄では行かない国らしいですわ、インドネシアも含めてここら近辺の国々は。
これによると、日本は16位。インドエネシアは115位だから。
日本はなんだかんだでかなりの上位の国ですね。
しかし日本の政治で16位なら、他の国はどれだけ腐敗してるんだ?
やっぱりシンガポールはここら辺の国々とは違うんだね。
インドネシアの首都移転もどうなるんだか。
まぁこんな政治体制の国が先進国入りって無理ですわ。
インドネシアのあれこれに「ドイツじゃあり得ない」と何度もおっしゃる。
けれどAさん、ドイツよりインドネシアの方が良いって。
ドイツは移民が大量に流入して、もう以前のドイツじゃない、治安も悪くなったしさ。インドネシアの方が安全だよ。
もうインドネシアに骨を埋めるつもりって感じ。社会人になった子供が三人ドイツにいて、1度だけドイツに帰った。初日は歓迎してくれたけれど、その後は皆仕事があるからさ、もうドイツに帰ってもね、だって。
Aさんは日本の料理全般はもちろん、特に発酵食品に興味をお持ちだそうで、タイで発酵料理のワークショップを受けたらしい。
タイには良い日本食レストランがたくさんあるのだって。
で、そこで習った糠につけた鯖を使って鯖寿司を作る予定。糠に漬ける期間が2年間とのこと。長期プロジェクトだね。
発酵食品に興味があるようで、自宅で浅漬けもどきを作っているらしい。
でもドイツにもザワークラウトとかヴィーガン料理があるのになぜ日本食?と聞いたら、
日本の料理人の動きが一つ一つ丁寧で神秘的なのだとか。
ドイツ人はがちゃがちゃしていて、日本の料理人のような動きはない。
へー
でもAさん、日本に行ったことがないし、日本に行く気もないみたい。
ついでに、日本もアジアの腐敗に塗れた国だと思っていたみたい。おいおい、一緒にしないでくれよ。
じゃぁ次はドイツソーセージとビールを飲みに行こう となりました。
ヒマラヤだったかな、の珍しい黒い塩をもらいました。
Aさんはこの後バスに乗って100キロ離れたところに住んでいる奥さんに会いに行くと言っていた。
勝手な想像。インドネシア人女性と再婚されたのかしらん。
多分60歳過ぎてのインドネシア移住。日本だったら子供、親族に迷惑をかけないように死ぬ準備=終活を始めましょう、と言われる時期。最近は早いと40代から終活を始める人もいるらしい。そんなに生き急いでどうする。
小さい頃から「周りに迷惑をかけないように」と教えられ、子供をやっとの思いで育てれば「子供の迷惑にならないように早めに死ぬ準備を」と言われ、日本人の人生って一体誰のためのものなんだ。
お茶したレストランのマネージャーはイタリア人で、アジアの国を転々として今ジャカルタ。
フランスのど田舎に住んでいた時は、生まれも育ちもど田舎、一族皆同じ村に住んでいるというフランス人が多かった。
日本に住んでいた時は自分の国だから外国人と付き合う必要がなかった。
ジャカルタに来て、本当にいろんな人、いろんな人生があるなーと思う今日この頃。
よく自称「波瀾万丈の人生」と言う人がいるけれど、波瀾万丈の人生なんてないよ。みんなそれなりにあるんだよ。