*個人の感想です

 

 

 

 

娘だけでなく、息子も日本で理系に進む利点てなんでしょう?

 

サンプルが少ないけれど、私が知っている限りで海外の様子を書くと、

 

フランスはエンジニアは国家資格で、エンジニアリング学校を卒業しないと資格は取れない。日本のように、通信教育で数ヶ月勉強したら「ITエンジニア」と名乗る、なんてことはできない。

多くの企業のトップは、良いエンジニアリング学校を出た人が多いし、資格職だから仕事も見つけやすいし、給与も悪くない。新卒採用は管理職として採用される。

簡単には取れない資格だから、エンジニアは一目置かれる職業だったりする。

 

モロッコもフランスと似ていて良いエンジニアリングスクールに行く事がエリートになる一番の近道みたいだし。まぁこちらはフランスの元植民地だから。

 

カナダも似た感じ。エンジニアは資格職で、仕事は見つけやすいし給与も良い。エンジニア以外でも理系学生は就職で有利。

 

今までいろんな国の記事を読んできたけれど、大体どこの国も似た感じ。

勉強をしただけの見返りがあるというか。

この前ブログで紹介したけれど、オーストラリアは学費にだって差をつけている。

これはケベックでもやっている(と思う)。ついでにケベックはインターンでも、ケベック州が必要としている分野を学んでいる学生がインターンをすると、ケベック州がインターン代をさらに上乗せしてくれる(と聞いた。要確認)。

 

 

アメリカは大学の学費が留学生は物凄く高いけれど、それでも留学先として人気なのは、挑戦しがいのある国だからじゃいかな。

厚切りジェイソンさんが、大学を卒業して、日米の企業から内定をもらったけれどアメリカの企業を選んだのは、給与が良かったのと、アメリカは新卒でも給与なりの仕事を任せてもらえるから、と言っていた。

娘の話を聞くとカナダも同じ感じ。新卒でもそれなりの仕事を任せ、挑戦させて、上司は部下が失敗した場合フォローに入る形らしい。で、成果を出せば、年に一度の昇給以外にも給与が上がる。やる気も出るし、自分を評価してくれた会社への忠誠心も強くなるし、さらに給与を上げるために勉強もする、という仕組み。

もちろん、皆が上を目指す必要はないけどね。

 

インドネシアも同じような感じかしら。

 

では日本は?

日本だと「技術屋」とか揶揄する人もいるし、資格職じゃないし、今は人手不足だから何を勉強していても、若ければ仕事は見つかる。そして「大卒一律」の給与体系になっている。

文系社員が主に働く、企業の本社は都会にあるけれど、工場は地方。

その上最近不正問題がいろんなメーカーで発覚したけれど、開発部門はプレッシャーはかけられるわスケジュールがタイトで忙しいわで大変そうだし。

ああいうニュースを見ると娘に勧めるのは躊躇するな。性別関係なくとは思っても、男女では体力で差があるもの。仕事が続けられなかったら勉強した意味がないし。

 

学費も私立は理系の方が高く、修士まで進む人が多い。日本は研究で大学院に進学しても学費がかかる。ものすごく負担が大きい。

そこまでしても、どこで何を学んでも、一律給与なんだよなぁ。どれだけ優秀でも年功序列で長いこと低賃金で丁稚奉公の如く下働きをして我慢しないとならない。

 

「でも理系学生は仕事で学んだことが活かせるじゃない」と考えがちだけれど、日本はそれはかなり難しいんじゃないかしらん。「開発」「研究」分野には配属されるだろうけれど、学んだこととは関係ない研究開発部門に配属されることが多いんじゃない。

その上人事異動なるものがあるから、社員の意思とは関係なく、やりたくない仕事をさせられることも多々ある。

 

それに企業のトップはメーカーであっても文系の人がなる場合も多いし。日本を代表する自動車会社の社長は神学部だものね。

難しくて忙しい勉強をしても、給与や待遇で報われない。

 

「でも好きで選んだわけだし」というのはやりがい搾取の言い分じゃないかしら。

日本の自称「技術立国」はやりがい搾取で成り立っているんだよな。逆に考えるとやりがい搾取でよくここまできたなって感じ。

 

それに「勉強ができるやつは仕事ができない」「理系はコミュニケーション能力が低い」とかいう人も多いし、そういう記事もたくさんある。

 

私はこのブログを始めてから、ブログに載せている記事の数の3倍くらいいろんな記事を読んでいるけれど、海外の記事には「学歴がなくても金持ちになったゼ」という自身の体験談はあるけれど、「勉強ができるやつは仕事ができない」「勉強だけはできた人の末路」「理系はコミュ力が低い」というような、自分はロクに努力も勉強もしてこなかったのに、努力をしている人やできる人を叩く記事は、たまたまかもしれないけれど見たことがない。

つまり日本人は、自分のことは棚に上げて他人様の努力や成功を妬む、まさに「出る杭は叩きのめして潰したい」「うまく行っている人が不幸になるのを待っている」国民性なんだろう。

でも日本は勉強ができる人を貶す傾向があるけれど、スポーツ一筋の人は神のように崇めるのよね。

 

「どの専攻を選んだら収入が多い仕事に就けるか」「ROIの高い大学ランキング」という記事がアメリカには多いけれど、それは「教育は投資」という認識が定着していて(学費も高いしね)、専攻と就職と収入が直結しているからだろう。日本は専攻によって収入に差が出るって医学部以外あまりないものね。

 

ところで日本人がよく言っている「コミュニケーション能力」ってなに?芸能界の話題から会社内の噂話までをペラペラと誰とでもにこやかに話せて根回し上手、お偉いさんにうまく取り入ることができるってこと?

 

そして専門関係なく研究者の地位や待遇が日本は酷い。それこそやりがい搾取になっている。

そうだ、特許の扱いも日本はおかしいよねぇ。海外だと特許は特許をとった本人に帰属するけれど、日本は企業や研究室に行っちゃうんだよね。それでノーベル賞を取った人は会社と争ったじゃない。で、アメリカ国籍に変えちゃったし。

 

 

だから大学まで理系でも就職でメーカーは選ばない、という学生が多いのもわかる。

この前ラジオを聞いていたら、金融評論家だかという人が出ていて、その人は東大の工学部で修士まで進んだけれど就職先は金融を選んだ。研究室の教授から「君にはメーカーに行って欲しかった。残念だ」と言われたらしい。けれどこの方はご実家が経済的に余裕がないので早く稼がないといけないから金融に進んだ、と言っていた。

なんというかな、日本は勉強した損社会なんだよな。教養を身につける云々は置いといて。

 

日本の大学で学んでいる7〜8割が文系学生と聞く。理系人材を増やしたいなら勉強した甲斐があったと思わせる見返りがないとね。学生も学費を払っている親もボランティア精神だけで生きてはけないからね。まぁとにかく頑張っても報われなくて夢がないですわ。

んで、散々異動させたり会社のやり方に合わせたりで専門性がなくなったところで「人員整理で40代以上の社員に退職を促す」とかって、専門性と引き換えに安泰と安定を社員に与えたんじゃないんかいって話。

 

あ、最後は働き方全般の話になりました。

 

何度も書きますが個人の感想です。