息子が「フランスの最低賃金は日本の大卒の初任給と同じだ」と言っていたので調べてみた。

 

1€=160円として計算しています

 

 

 

Au 1er janvier 2024, le montant du Smic s'élèvera à 1 766,92 € bruts par mois, soit 1 398,69 € nets pour 35 heures hebdomadaires. Il s’agit d’une hausse de 1,13 %, comme le précise le décret paru au Journal officiel le 21 décembre 2023. Service-Public.fr vous informe sur ces changements.

 

2024年1月1日、最低賃金は額面1,766.92ユーロ(週35時間労働の場合、手取り1,398.69ユーロ)に引き上げられる。これは、2023年12月21日付のJournal officielに掲載された政令に明記されている通り、1.13%の引き上げとなる。Service-Public.frでは、これらの変更についてすべてお伝えしています。

*bruts=税金や年金・健康保険料などを含んだ「額面」のこと

 nets=手取り

 

週35時間労働

これがフランスのフルタイムで働く人の一般的な労働時間なので、1 398,69 € x 160=223,470.4円

日本のニュースによると大卒賃金が上がっているのでちょっと低めかな、と思ったら、「1 398,69 € nets」つまり22万強の手取り、だから正しく今の大卒初任給と同じか。あ、フランスはここから所得税が引かれるのかな?どうでしょう??自分で確定申告するものね。

 

よくこう言った話が出ると、今は円安だし、物価も違う と言う言葉が出るけれど、それだけで片付けて良いものか。

あとtwitterに流れてきたんだけれど、新卒者だけ給与を上げて入社数年した社員と賃金が逆転してしまい、若手社員がどんどん辞めているって言う内容。本当ならやり方がセコい。

 

 

 

 

 

 

ある調査によると、給与は卒業した学校の評判によって大きく異なる。

インフレと労働市場の逼迫に直面し、企業は今年、特に5年以上の高等教育を受けた若手新卒者(エンジニアリングスクールまたはビジネススクール=グランゼコールの学生)を惹きつけるために、採用時の給与を大幅に引き上げることを躊躇しなかった。

 

WTWが実施した調査*によると、これらのプロファイル(経験2年未満)の年間給与総額の中央値は、今年平均で7%上昇し、43,000ユーロ(6,880,000円)となった。

 

給与の中央値とは、人口の50%がこの水準より多く、50%が少ないことを意味する。

 

これらの給与は学校の評判によって大きく異なる。例えば、「(HEC、ESSEC、Polytechnique、Telecom Parisなど、編集部注)名門の一流グランゼコールを卒業した若者は、1年目の年俸の中央値として43,500ユーロ(6,960,000円)を期待できる」とある。

 

定期的に更新される給与水準

 

逆に、いわゆる(グランゼコール)3番手校を卒業した場合、年収は38,000ユーロ(6,80,000円)となり、その差は13%である。

 

同調査はさらに、「特定の訓練やキャリアパスによる新入社員の基本年俸は40,500(6,480,000円)ユーロであるのに対し、大学コースの若手新卒者のそれは38,000ユーロ(6,080,000円)である」と述べている。

 

BTS、DUT、DEUG(Bac+2=2年制の学校)卒業者の給与中央値は31,000ユーロ(4,960,000円)、学士号または修士号取得者の給与中央値は36,000(5,760,000円)ユーロである。

 

また、52%の企業が若手新卒者専用の給与体系を設けており、79%のケースで適用され、調査対象企業の71%では年1回更新されている。

 

給与は重要な基準であるが、若手新卒者は、契約を結ぶかどうかを決める際に、テレワークの利用、オフィスの質、企業の価値観、研修やキャリア開発の機会など、他の要素も考慮に入れている。

 

若手新卒を惹きつけるためのその他の戦略

 

調査によると、85%の企業が社内育成戦略(研修、モビリティ)を導入し、77%が柔軟性ポリシーの一環としてハイブリッドモデル(対面/テレワーキング)を導入し、62%が入社戦略を策定している。

 

「若い人材が非常に多才である状況では、魅力的な報酬だけではもはや彼らを引き留めることはできない。そのため企業は、柔軟性、キャリア開発、意義の追求といった点で従業員の期待に応える従業員体験を提供する努力を倍加させなければなりません」と、フランスのWTWでリワード・データ・インテリジェンス・リード・コンサルタントを務めるラディア・ラフィルはコメントしている。

 

 

 

 

 

 

そもそも日本と働き方も違うしね。

フランスは週35時間労働と言ったら本当にそれ以上は働かないし、有給は土日を入れないで年間5週間で取得率100%だし(うち2週間は夏の間に取らないといけないらしい)、傷病休暇は別だしさ。

 

こう書くと良いことばかり、という感じだけれど

フランスはcadre(管理職)にならないとなかなか昇給しない。cadreになるには良いグランゼコールに入らないとならない。そしてグランゼコールは無料ではない

今朝も関西のテレビ番組でフランスの子育て支援がどれだけすごいかと話題にしていた。公立の大学なら無料、と言っていたけれど、公立大学からcadreになるのは簡単じゃない、というのが現実です。フランスは日本とは比べ物にならない超学歴社会。アンダーラインを引いてある部分。つまり出身学校によって給与が違うってことです。記事にもグランゼコール一流校43,500ユーロ、グランゼコール3番手校は38,000ユーロ、大卒は〜、2年制の学校卒は〜と書いてあります。

日本のように大卒一律はない。日本人が好きな平等じゃない。けれど頑張った分見返りはある。

その代わりcadreになると週35時間労働は適用されない。働く人はめちゃくちゃ働いてる。

 

フランスは大学まで無料だって。日本もしてくれって思ってしまうけれど、こういう事実もある。ただ、大学に進学しやすくなるというのは大きな利点ですよね。でもフランスの大学の卒業率は非常に低い。自分を律して勉強しないと卒業できない。勉強をしたい人だけが卒業できる。面倒見も全く良くないし、親のための説明会なんてのもない。