榜上佳婿 Serendipity 全40話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『榜上佳婿 Serendipity』

2025年 4月~ 中国 全40話

 

出演

简明舒(簡明舒)→卢昱晓(盧昱暁)

陆徜(陸徜)→王子奇

宋青沼→王弘毅

 

 

ネタバレ 第1話~第5話。

開幕から婿取り合戦の大騒ぎで始まるため、ドタバタラブコメなのかと思わされるが、どちらかといえば陰謀を暴く仇討ち系なのかもしれない。

 

簡金海の開く書院で学んでいた陸徜は、その頃から才覚を見抜かれ、簡家への婿入りを望まれていた。今回、陸徜が解元を得たことで、名家では解元を婿に取ろうとして醜い奪い合いが始まる。

陸徜本人は、恩師の蘇昌華が冤罪で死に追いやられた陰謀を探っている最中で婿入りどころではないのだが、本人の意思はガン無視されている。

 

簡家の娘である明舒は、独自で装飾店を営む聡明な娘である。世の道理を知り、それを華麗に解決出来る智慧も持つため、ただの箱入り娘ではない。その明舒は、陸徜が書院に通っていた頃から心を寄せていたが、その気持ちを父親には明かしていた。

そのため父親は陸徜を少しばかり騙して、明舒と婚姻させることにするが、薬を盛られた陸徜はぷんすこを通り越して激おこである。

このことは明舒の知らぬところで行われていたが、陸徜には、父親と娘が結託して自分に薬を盛った結果にしか見えない。他に、蘇昌華を死に追いやった陰謀に簡金海が関係している疑いもあって、まずその娘を娶る考えは脳内で掠めもしなかったのもある。

薬のことなど何も知らず、好いた男に嫁げると喜んでいた明舒だが、罵る陸徜の真意を知って、この想いに未練も残さずきっぱりと手放すことにする。潔い子は好きだよ。

ここできっぱりと別れを告げて、新たに別々の道を歩み始めた二人だが、すぐに急展開を迎える。

 

前々から簡家の財産を狙っていた周姨娘は、謎の人物と結託して簡家を破滅させる計画を立てていた。破滅とはその名の通り簡家の人間を皆殺しにすることだが、その密談を明舒に聞かれてしまった。

追手から逃れる途中で崖落ちした明舒は、偶然近くで休息していた陸徜に発見されるが、追手の不穏な会話で陰謀を察した陸徜は、ひとまず明舒を匿うことにする。その間に簡家では殺戮が行われ、明舒と周姨娘以外の身内は全て命を落とす。

蘇昌華の件と簡家の殺戮の裏は繋がっているんだろうから、あの謎の人物を追うサスペンス展開になっていきそう。

 

陸徜に救われた明舒は、案の定、崖落ちの衝撃で記憶を失くしていた。何かの陰謀に周姨娘が利用され、両親を失くした明舒を、恋心などなくても不憫に思う陸徜は、自分の妹ということにして匿うことにする。陸徜の母親は元々明舒と懇意にしていたため、陸徜よりはるかにその本質を知っている。彼女への誤解を正さぬまま思い込む偏屈陸徜に、明舒の人となりを優しく諭す母親が心強い。

 

記憶のない明舒の方は、元の聡明さは残っているため、肉親だと言いながらよそよそしい二人の態度に違和感を覚える。外へ出ることを固く禁じているのは追手の止まぬ明舒を守るためだが、それが彼女の脳内ではあらぬ想像に発展していく。ここから逃げ出さねばならないと本能的に感じた明舒は、やはり外に出てしまうが、すかさず追手に発見されて逃げ惑うこととなる。

結局、ここでも陸徜に救われた明舒は、命を懸けて自分を守った陸徜を兄だと認識し(偽兄だけど)、やっと二人へ心を開く結果となる。阿兄、阿娘発言で母子がべらぼうに喜んでいた姿が微笑ましい。

 

京城へ向かう道中で賊の隠れ家に遭遇した二人は、囚われていた娘(殷賢君)を救うこともやってのけるが、ここで偶然現れた宋青沼との出会いも果たす。宋青沼は瑞王の従弟である貴族だが、偉ぶるそぶりもない高貴な精神を持つ男である。

雨の下で明舒とキャッキャする姿は、この二人の関係が進展するのかと勘違いさせられるが、おそらく当て馬なんだろうね笑

 

無事京城へ辿り着いた二人は、殷賢君や宋青沼と再び遭遇するが、別々の方向から殷家と関連を持つことになる。

殷賢君を救ったことで信頼を得た明舒は、殷家の嫡子である姉(殷淑君)の伴讀(勉強仲間)の役目を託されて殷家に入り、陸徜は恩師の死の裏にある陰謀の調査で、殷太博に近付くため宋青沼を利用して殷家へ入る。

目的は違えているが、この殷家でも明舒の聡明さを知ることとなり、陸徜の思い込んでいた誤解は解けつつある。明舒も好いた男の前ではおバカなフリを装ってぶりっ子していたのかもしれないな。

この早い段階で、明舒に好意を持つ宋青沼へ、知らずのうちに警戒を強める陸徜は、おまえに琴を教えるのはオレだけだ、などと口にして既に嫉妬と独占欲が露呈している笑

 

殷淑君の伴讀としての役目を託された明舒は、度々分かりやすい嫌がらせを受けるが、賢い明舒も負けてはいない。どうも明舒が殷淑君に対して同情的に見えるのは、そもそも殷淑君の犯したとされる愚行も、何か訳があるのではないかと疑っているためなのかもしれない。瑞王との婚姻を取り消すための殷淑君の策なのかも?てか、殷良君が怪しいよね。

 

このドラマを観ていて、我ながらしょうもないと思うのが、開幕から盧昱暁の配音が気になって仕方がないこと。五福臨門の配音は原音に似た人が起用されていたが、今回はまるで違う、、、盧昱暁の話し方での表現も芝居の一部だと思って観ていると、原音ならどれだけ良かっただろうなどと考えて若干集中出来ない、、、因みに何泓姍(周姨娘役)の配音も違和感しかない。ただの素人意見だから本当にしょうもないんだけど笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第6話~第7話。

なんと、殷良君も殷賢君も黒だった。

いかに良家に嫁ぐかで全てが決まるこの時代の女性は、そのための貶め合いでしか時間を費やすことのない日々が不憫でもある。生き残るための覚悟で挑む戦いは、なにも性根が腐っている娘ばかりではない。殷家の娘たちがそちら側だったのは救いだが、一番徳の高い娘はやはり嫡子の殷淑君だった。

殷淑君はしょうもない男のために瑞王との婚姻を拒否していたが、愚行の噂を耳にしていたはずの瑞王がそれでも自分を選んだために、覚悟を決めて嫡子としての責任を果たすことを決意する。これも裏で陸徜が動いていたからだが、瑞王は誠実な男に見えるため、嫁いだことを後悔する未来はない気がしている。

殷太博(祖父)がさらに徳が高くて素敵なじいさんだわ。

 

明舒の度重なる優しさと聡明さを目にする陸徜と宋青沼の彼女に対する好感度はうなぎのぼりで、陸徜の緩やかな牽制がちょっと面白い。陸徜などは、これまでの日々を思い返して誤解だらけだったことをむしろ猛省している最中である。

「だったら償わなきゃ!」と本人の口から言われ苦笑いの陸徜が実に愛らしい。

宋青沼にとっては二人は兄妹という認識のため、何も憂いはなさそうだが、結局手に入らないことを思うと切ない立ち位置である。

 

陸徜の調査の方も、目的だった殷太博と対面する機会を得て、新たな手掛かりを掴むことになるが、劉顕坤(既に死罪となっている)の背面にいた人物を探るため、劉顕坤の養女(劉沅櫻)が人質のようにされている盧家へと舞台は移りそう。あのろくでもなさそうな男が盧尚書なのかは定かではないが、次はあの家から劉沅櫻を解放するんだろうか。

世の女性たちの苦渋を理解して、何とか力になりたい思いを少なからず持つ陸徜は、この様にして明舒と共に女性たちを救っていく話なのかも?


追手は引き続き明舒の行方を探っているんだろうが、装飾店を開店すれば発見されるのは時間の問題である。それでも今の明舒は、瑞王の従弟とその妻が周りをがっちりと固める格好となり、悪巧み連中も簡単に手出しは出来ないと思われる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第8話~第11話。

盧家に囚われている劉沅櫻から手掛かりを聞き出すため、夫婦として潜入した二人は、この地で沅櫻が受けている不遇を知る。

恩師の蘇昌華と同じく、何者かに冤罪の証拠を作らされた劉顕坤は、訳の分からない罪で死罪となってしまった。これを予測していた劉顕坤は、娘の沅櫻とその弟を別の場所に逃がした格好となったが、その過程で弟とは離ればなれとなり、この弟の行方を知るという盧文才(尚書の息子)に騙されて囚われているのである。

盧文才という人間は、正妻に言われていたように、何も良い所のないただの色情魔、そのものであり、気に入った沅櫻を側に置いておきたいだけの男である。そのため弟の行方を口実にしているわけだが、それもコイツの嘘である。

 

陸徜の目的は、初めから劉顕坤の情報を手に入れることだが、明舒共々、この境遇の沅櫻を不憫に思い、鉢合わせした宋青沼と3人で、まずはこの家から救うことにする。

この過程で、沅櫻へ見せるための芝居に取り組む3人だが、明舒を巡る奪い合いがもはや芝居になっていない笑 特に宋青沼の方は、本気の平手打ちを食らわせるなどして兄妹を面食らわせ、兄妹と分かっていても二人の睦まじい姿を見て若干傷付いている。

今のところの明舒は陸徜を兄だと思っているため、どう見ても有利なのだが、記憶の戻らぬうちに明舒が宋青沼に心を寄せてしまうとまずい。

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↑既に愛しい想いが漏れている。

 

この3人の協力の申し出を受けた沅櫻は、正妻も味方に付けて盧文才を追い込み、晴れてこの家から離れることとなって、結果的に、正妻も沅櫻も救われた盧家の問題はすっきりと終幕を迎える。

個人的には、劉顕坤の裏に暗躍する人物がいたとしても、彼も悪巧みの一味だと思っていたため、その娘が協力などするのだろうかと思っていたが、劉顕坤も裏の人物に嵌められていたようだ。

その沅櫻から簡金海の名が出た時はドキッとしたが、明舒はそれが父親の名だという記憶は失くしているため反応は薄い。そのことをすぐに伝えられた陸徜や母親、應尋(秦天宇)の方が、視聴者と同じ気持ちだったと思う笑

相変わらず秦天宇が良いな。

 

ここのところの明舒は、青竹の刺繍を纏った男を頻繁に夢に見て、そのことが猛烈に気になっている。本能的にかつての陸徜への想いが夢となって現れているのだが、たまたま宋青沼が青竹の刺繍入りの衣を身に付けていたというだけで、彼が夢の相手だと勘違いしてしまう。

應尋が言い聞かせた話も全く効果はなく、あれ?わたし、宋さんが好きなのかしら、、、の段階に入ってしまったのがダルいな笑

兄妹と嘘を吐いている以上、陸徜から自分の気持ちを伝えることは出来ない。そうなると宋青沼を阻止するための苦しい口実を作るしかなくなるが、仮に宋青沼と心を寄せ合えば2対1となって陸徜の分が悪くなる。その前に記憶が戻るんだろうから余計な心配かもだけど笑

 

という感じで周りの心配はよそに、いよいよ「花琅閣」を開店した明舒は、早速、追手に嗅ぎ付けられて生命の危機である。追手の効果で記憶も戻るかもしれないが、戻ったら戻ったで今のような憂いのない生活は終わりとなる。

 

一方の殷淑君は、ついに瑞王へ嫁ぐこととなったが、瑞王が形式だけの婚姻だと言っても、同じ気持ちの殷淑君はその上を行く割り切り方でサバサバっぷりが半端ない。

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↑これを見る限り瑞王の方が振り回されそう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第12話~第14話。

相変わらず、明舒を見てぽーーーっとしている男衆、その取り合いも静かながらも心なしか激化している。特に陸徜の方は、青竹刺繍を纏う青沼にギリギリしており、我的という思いが強すぎて隠せていない笑

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次に明舒が頼まれたのは、殷淑君の友人である県主の婚約者を探ることだが、県主が言うには、婚約者の謝煕には好いた女がいる気配があり、それが本当なら安直に嫁ぐことは出来ないという。

この謝煕だが、登場した瞬間に脳内は蛇妖(無憂渡)と混ざって一瞬何を観ているのか分からなくなる。先週まで無憂渡を観てたからかな笑

 

明舒はこの頼みを聞いて、青沼の協力のもと書院に潜入することになるが、陸徜には知らせていない。青沼は二人だけの秘密である状況に若干悦を感じているようだが、物理的に明舒との距離が近付く機会を得て、もはや告白寸前である。今の明舒は謝煕の調査を優先しているため、それどころではないが、恋愛に関して疎いのも要因なのかもしれない。

 

県主が疑っていた通り謝煕には好いた娘がいたのだが、明舒と同じく男装をして唐生という名で書院へ匿われていた。この唐生(蘇棠璃)は、陸徜が調査している冤罪恩師の娘である。

棠璃もまた、父親が貶められた裏を暴こうとしていたが、ほどなく謝煕と出会い、調査に協力する申し出があったため、現在は彼と行動を共にしている。

謝煕にとっては一目惚れした女を側に置いておきたいだけで、その父親の冤罪に関しては何も出来なそう、というよりするつもりもなさそうだし、明舒が自分と棠璃を探っていることに気付いて、邪魔な人間を消そうとする浅慮さが全く信用ならない。それに棠璃の方は特にこの男に心を寄せているというわけではない。ただ蘇昌華の娘が生きていることに気付かれれば、命を狙われる危険があるため、ひっそりと隠れるように暮らしているのである。

父親の冤罪の裏を暴くには、その件に関して真剣に取り組んでいる陸徜と協力した方が断然有利ではないか。

 

陸徜は唐生が男装した恩師の娘だということを隠し、明舒は謝煕の調査のために潜入していることを隠して、書院をうろついていたが、ほどなくどちらの秘密も互いに知られることになる。

この過程でも、ウッキウキの青沼を差し置いて、毎度お姫様だっこの権利を得るのは陸徜であり、青沼の当て馬感は若干不憫だが、明舒が夢で見る謎の男が青沼だと思い込んでいるせいで、陸徜も寝言による軽快なパンチを食らう。

 

一方の瑞王と殷淑君は、かなりいい感じになってきている。特に瑞王は、形式だけと言っておきながら妻が気になって仕方がない。お付きの使用人に、妻の気遣いはただの義務感だと言われてぷんすこしてる様子もいいね笑

 

不憫な境遇の娘たちを助けながら、脇CPも魅力的であり、主演の三角関係も爽やかに描かれているため、腹の立つこともなく非常に見やすいドラマ。

相変わらず配音は気になるところだけど笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

棠璃の存在を自分に隠していたことに思いの外傷付いた明舒は、泣いたり怒ったりで情緒が忙しい。これが嫉妬だということも自分でも気付いているが、実の兄妹でもあることだから特に珍しいことでもない。ただ明舒の関しては、記憶はなくとも以前の陸徜への想いから来ていると感じさせる意図があるのかもしれない。

 

謝煕は予想通りのクズで、世子の地位を確実に得るため、県主との婚姻を辞退するつもりはない。一方で、退婚するからもう少し待ってと棠璃の逸る気持ちを鎮めているのである。

結果、急に邪魔になった棠璃を書院から追い出して、その道中で命を落としても構わないとか言っちゃってる。一体何がしたいんだ、、、一目惚れしたと言って側に置いていたのに、煩わしくなったら生死も構わない気持ちの急変に困惑しかないんだけど。

身元がバレて、苦渋を味わった教坊司へ戻されることだけは避けたい棠璃は、立ち聞きで謝煕の心中を知り、騙されていたことに気付く。そこでしょうもない代表である盧文才を利用して痛めつけ、謝煕へ少しばかりあった情も全てここで相殺する。

 

いよいよここで棠璃の相手となる豫王が登場するが、瑞王と同じ印象を受けるなんだかちょっとカッコいい男である。

この豫王が茶をこぼして着替えるシーンで、代わりの衣を持って来たのは棠璃だと思うが、まず茶碗が割れるのが少し不自然だったし、あの着替えの時、茶碗が割れるのも含めて事前に何か秘密の取り決めなどがあったんだろうか。どうも茶をこぼすシーンから着替えまでのシーンに何か含みを感じる。

瑞王に関しては、殷淑君への想いを募らせていく姿を相変わらず楽しく見ているが、殷淑君に悪い部分は見当たらず、むしろ夫の行事などを把握して先回りで準備を整えるような実に優秀な妻である。何を求めるわけでもなく、やるべき義務を理解して自分を立てる妻に既に夢中となっているが、今のところの殷淑君には情などは全く芽生えていない。

 

一方では、盧文才が殺害されていたことで書院は大騒ぎとなるが、前日に棠璃が仕向けて喧嘩をさせた謝煕がまず疑われる。

どこまでも最低なこの男は、自分が助かるために皆の前で棠璃の身元を暴露し、誘惑されたと嘘を吐きまくったあげく、棠璃が自分に罪を被せていると言い始める。

 

棠璃の置かれている状況は、明舒や陸徜には知られているため、謝煕の嘘は直ぐに正されるとは思っていたが、盧文才を殺害したのはこの謝煕でもなかった。

結果、盧文才に虐められていた張松という書生が犯人だったのだが、命を獲るまでするかなと若干不自然さを感じていた。殺害した理由にあった、姉に対しても酷い扱いをしているという台詞も、見てもいない姉の話を出されてもな、という気持ちだった。

 

その後の事実に衝撃を受ける。

その姉見てたよ、、、しかも盧文才に仕返しする姿を、もっとやれ!とすら思ってたじゃん、、、

さすがにこれは不憫すぎて泣いたわ。血は繋がっていなくとも二人の絆の尊さに比べれば、盧文才なんてちっぽけな存在なんだから、尊いその手を汚すことなかったのに。

沅櫻は離ればなれとなった文淵をずっと捜していたが、見つかったと思ったら虫の息とか悲しすぎる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第18話。

文淵が逝ってしまった、、、いつかは皆に訪れる死だとしてもこんな形での死は意味がなかったよ。

 

文淵の盧文才への行いは、煩わしかった盧文才と騙していた謝煕を貶めるため、棠璃が裏で仕向けた結果だったようだが、本人は認めてはいない。

この棠璃は、最初の印象と違って割としたたかな娘で、以前、豫王の茶碗が割れたことも、その後取引をしていたことも今回分かるが、全ては豫王を味方に付けて父親の仇討ちを達成するためである。そこは陸徜と同じだが、自身の全てを懸けて達成しようとするその心持ちは棠璃の方が強い。ゆえに汚いやり方のように見えるが、本人はおそらくその命も懸けている。

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話を持ち掛けられた豫王は、継承争いで瑞王とバチバチの関係で、この娘が自分にとって利用価値がある可能性を考え、一旦取引を呑むことにしたようである。

若干変態味のある豫王の策士のような面持ちは、一見、恐ろし気に見えるが、瑞王には争う気が見えないのもあって、勝手に敵を作っている豫王がなんだか滑稽なんだけど笑

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豫王の一人での緊張感の脇で、今や妻に夢中の瑞王は、妻との会話の度に一喜一憂である。

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普段は距離を詰めることも出来ない殷淑君が、酔ってその側面を見せる姿にニンマリが止まらない瑞王が実に愛らしい。

一方、同じ寝床で目覚めた殷淑君は、普段の距離感のある厳しい姿に戻り、瑞王にとっては寂しい現実を突き付けられる。それでも妻を尊重して、力ずくで手に入れようとはしない。権力は持っていてもそれを乱用しない瑞王は実に成熟しているが、一喜一憂する心の動きは分かりやすく、その点はまだ純情な少年のようだね。

 

一方で、同じく酔った明舒をなだめる陸徜とのやり取りには若干切ないものがある。これまでも兄を慕う自分の気持ちが禁忌だと言い聞かせている明舒の姿は度々あった。夢に見る青竹刺繍の男を心の底では陸徜だと感じている、或いはそうあって欲しいと思う明舒の「阿兄不可以」はなんとなく切ない。

その真意を知らぬ陸徜は、元々記憶を失くした明舒を妹としたのは自分であり、その妹にまず想いを告げることは出来ない。記憶が蘇ればそこも解決するが、記憶を戻して事実を知った明舒が苦しむことも分かっている。今の陸徜は、自分よりも明舒を優先してこのまま兄でいるしかないのである。それでも青沼への牽制の速さは目を見張るものがあるが笑

 

その他に、今回は陸文瀚と陸徜の繋がりが見えてくる。

以前、書院の騒動中、陸徜の何か(痣か何か?)に気付いた陸文瀚のぽーっとする姿があったが、どうやらこの男が陸徜の父親だったようである。かつての災害で、失くしたと思っていた妻子が生きていることを知った陸文瀚は後悔だらけだが、いずれ対面することになるんだろうか。この間、その妻はこんな偶然あるのかという状況で別の誠実そうな男と知り合っていたが、この男に助けられた初対面の時、母親が何者かに追われていると思っていたのは陸文瀚の調査員だったらしい。

 

ほどなく何者かに貶められた陸徜は捕らわれるが、これが推測通りに賈府尹の嫉妬からくるだけならいいが、コイツの背面に恩師をハメた人物などが絡んでくると面倒だよ。それでも権力者の味方を山ほど抱えている陸徜が、これに屈することはないと思ってはいる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第20話。

賈府尹の嫉妬深さと盧尚書の恨みは留まることなく、瑞王と郡王の力を以てしても、馬車で轢いたと思われる男の捏造が証明されても、中々牢から解放はされない。

陸徜を救うために奮闘する明舒は、その過程で刺客に頭を殴られ生死を彷徨う事態となるが、その明舒を救うため親父に反抗する青沼は、彼女以外は娶らないとか言い出す始末である。

視聴者にとっては、明舒の気持ちを確認せぬままそんなことを言って大丈夫なのか、どう見ても当て馬なんだけどかわいそうに、、、という気持ちになる。

 

意識不明の知らせを受けた陸徜は、一時的に家に戻ることを懇願するが、鞭打ち刑を科すいみふな条件を付けられる。それでも一目明舒へ会いに戻った陸徜は、これまでよりも深く過去の自分を後悔して、明舒を守ることを固く決意する。

自分の誤解による偏見で邪険にしていた後悔を償わぬまま、彼女が命を落としてしまえば悔やんでも悔やみきれないだろう。この苦しい気持ちは誰しも持っているものだから、陸徜を見ているとこっちも辛くなる。

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牢へ戻った陸徜は、意味の分からぬ難癖で鞭打ち刑を食らうことになるが、ここで父親である陸文瀚の登場である。賈府尹の私刑のような振る舞いは、より権力が上回る陸文瀚によって阻止されるが、まだ父親だという事実は伝えられてはいない。

 

明舒は生死を彷徨いながら過去の記憶と夢が交差し始め、記憶が蘇るのもそう遠くはない。夢うつつでおでこキッスされた感覚も、目覚めた時に青沼がいたことで、あれは彼だったのかとまたもや勘違いをしてしまう。

それでも青沼への想いはどこか違うことを感じて、本人には直接断りを入れるのだが、過去の記憶を夢だと勘違いしている明舒は、自分の心が陸徜へ向いていることにはまだ気付きたくないようである。

振られた青沼は一瞬ヤケになって恋愛脳を発揮していたが、その素直な恋愛脳ゆえに、勝手に光を見出してやる気を取り戻したようである。このやる気とは、学業に専念するなどではなく、明舒を娶る希望へ向かうやる気である笑

 

今回、瑞王に事実を伝えたのはなぜだろう。青沼を牽制しているのは分かるが、色恋のためではないよね。

以前、恩師が簡金海へ証拠のようなものを渡した話が出ていたが、協力を惜しまぬ瑞王にその件を明かすためには事実を隠しては置けない。その簡家が惨殺されたことも、明舒が追われていることも恩師との関連は濃厚である。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第22話。

瑞王にだけは事情を明かしたのは、やはり簡金海が持っていたはずの証拠の件を探るためだった。状元となり大理寺へ入ることも可能となった陸徜は、より真相究明が出来る環境となるが、一方で明舒への想いもつのるばかりである。

二度目の婿取り合戦で追われた陸徜は、明舒の手を取って逃げ出し、どう見ても恋人のような振る舞いだが、端から見れば妹の手を取って走り出す兄の姿は奇妙である。青沼は何かおかしいことに気付いてるようだが、この男も天真爛漫で若干鈍いところがあるため、心中は見えないな。

 

ほどなく陸文瀚が現れ、父親だということを知らされる。

母親と結婚した当時、陸文瀚は生家と折り合いが合わず家を出ていた時期で、自分の身分も妻には隠していたが、仕事で家を離れていた間に、妻子は災害に遭いそのまま離れ離れとなってしまった。その間に生家と折り合いがついたのか、夫を捜して母親が陸家を見付けた頃には既に再婚していたという。

災害で失くしたと思っていた妻子を必死になって捜していれば再会出来たはずだが、生家へ戻ったためにさほど労力も割かなかったのだろう、むしろ妻子がいることで再び陸家で諍いが起きるのを避けられて安堵すらしていたかもしれない。

 

明舒は元々他人で記憶も失くしているため、陸文瀚に対しては何の感情もないが、陸徜は母親が父を捜していたことを記憶しているため、うっすらと生きているとは思っていたようである。

母親を悲しませて自分たちを捨てた父を全く恨んでいないわけではないが、当に父親はいないという日常を送ってきた陸徜は、そこまで父親の存在に固執はしていない。それでも少しの間あの頃の自分たちを顧みて切ない思いを馳せる。

今のところの母親は、あの実直そうな魏大人ともじもじの最中だし、この男と一緒になれば幸せに過ごせそうだよ。

 

なかなか記憶の戻らない明舒は、無邪気に妹として兄を慕っているが、ここで通行書として使った明舒の戸籍と、実際の戸籍が一致していないことが発覚する寸前の事態が発生する。

戸籍が一致していないことが発覚すれば、明舒の身元が調査され、事実が暴露されないとは限らない。そのため実際の戸籍を妹として記し、戸籍上は本当の家族となってしまった。家族ならば夫婦となることは出来ないが、明舒を守るためにはやむを得ない選択であり、これで陸徜の想いは永遠に封印せねばならないことが決定する。

このタイミングで、青沼が自分のために尽力したあれこれを知った明舒は、その想いに応えねばならないと思い始める。相談された陸徜は、苦しみながらも兄でいることに徹して、小さく「好」と答えるのだが、これが苦しすぎて自分も陸徜と一緒になって泣いちゃったわ。他の男に嫁いでいくのをただ見送ることしか出来ないこの状況は辛くてたまらない。

 

青沼は確かに良い青年だと思う。しかし明舒の気持ちを確認する前から、彼女以外は娶らないなどと口にして俺の女風を吹かせ、振られたにもかかわらず、勝手に勘違いした家人が身の程を弁えろなどと言ってくるとんちんかんな状況を生んでいるのは青沼である。脳内が明舒だけで締められているあのひたむきな目も若干癇に障るんだよねなぜか、、、

 

一方の瑞王は、殷淑君の元カレに遭遇してしょんぼりである。自分が欲しいのは、妻としての任務ではなく情愛なのだが、未だ得られぬ妻の情愛が、元カレにはあったことを思うと侘しい気持ちがつのるのである。これもすぐに解決しそうだが、なにしろ悩む瑞王が愛らしすぎてきゅんが止まらない。

 

豫王と棠璃の関係は正直言って激しい。

愛と疑が交差して回りくどく互いを試しながら、内面ではぶつかり合っている。瑞王と比べれば未熟に見える豫王を選んだ棠璃は、陸徜が瑞王を選んだように、陸徜と比べれば未熟なのかもしれない。ただこれが恐ろしく似合っている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話。

あー、、、面倒なことになったな笑

偶然、陸徜の過去記録を見ることになった青沼は、明舒とは実の兄妹ではないことを知る。明舒のこととなるとイノシシと化する青沼は、がっちり隅々まで調べ上げて陸徜を問い詰めに来るのだが、、、どうしてそんなにぷんすこしてるのだろうな。

知られてしまえば隠す必要もないと思った陸徜は、これまでの事情を淡々と青沼に話して聞かせるが、それを聞いてもなおぷんすこしているのが分からないな。

崖から落ちた明舒が記憶を失くしていたことで、簡家の惨殺を知らずに幸せに過ごすことを青沼も望んでいると言っていた。ならば逆に好いた女を助けてくれてありがとう、ではないの。

自分の目には、陸徜が実兄ではなかったことでただ焦っているだけにしか見えないんだけど。

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これまでの陸徜がどれだけ明舒を守ってきて、どれだけの思いで明舒への想いを封印して、兄に徹することを決意したのかは青沼の知るところではない。恩師の冤罪を晴らすために尽力しながら、簡家を殺戮した追っ手にも未だ追われている緊張感も、ぽっと出の青沼には分からないだろう。ゆえに恋敵になり得る存在だと焦る気持ちは分からんでもない。

それでもただ好きだ好きだと言うだけで、明舒の尻にくっ付いて娶ることしか考えていないお気楽なお坊ちゃんが、いみふなぷんすこの挙句、ここでも俺の女風を吹かせて、邪な気持ちは抱かないと約束させているのがさらに腹が立つのである。

このぷんすこ青沼へ冷静に対応する陸徜は、さすが器の違いをキッチリと見せてくれた。

という感じで、善人なのに視聴者に嫌な感じを抱かせる男主2のシナリオが残念だ。

 

青沼のイノシシ発動によって知られた事実は、結局、立ち聞きしていた明舒にも知られてしまったが、その結果、明舒は自分が何者なのかを調べ始めることになり、陸徜の負担は以前にも増して大きくなりそうである。大理寺での任務の傍らで、明舒が危険に晒されることからも守らねばならない陸徜はひたすら不憫だな、、、

ただ事実が明舒に知られたことで良いこともある。

これまで兄だと思って言い聞かせてきた恋心が、やっと陸徜へ向かうことになるんだろうから、その葛藤で尺は取られても明るい前途は見えてきた。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第24話~第27話。

自分の出自を探るため、早速、腕輪を手掛かりに衛家に辿り着いた明舒は、この屋敷での幽霊騒動を利用して仙女として潜り込むことにする。

この屋敷に嫁いだ杜文卉は、長い間、夫の衛献に暴挙を振るわれていたが、外部との接触を絶たされていたため、友人である青沼の母親とも嫁いでからは一切会うことは出来なかった。

この衛献は、恩師の冤罪の件に関わっていたが、どう見ても小者だし、おそらく末端のパシリのような役割だったんだろう。

 

明舒は陸徜と実の兄妹ではないことは知ったが、未だ記憶は戻っていないため、衛家でやるべきことは杜文卉へ腕輪の出どころを尋ねることである。それでも苦しむ杜文卉をこの屋敷から救うため、青沼の母親と共に協力し始めるが、偶然、恩師の件で衛献に行き着いた陸徜とも遭遇し、青沼も明舒の後を追っかけて現れたため、またもや人の屋敷で勢ぞろい笑

結果、幽霊事件は杜文卉が外部へ助けを求めて仕組んだことであり、それを知った衛献は激怒して暴力を振るい始めるが、ようやくこの姿が皆に知れることとなり、離縁を承諾させることに成功する。その場ですぐに応じない衛献に怪しさは満載だったが、やはり離縁などは考えていなかったようである。

ところがその晩、衛献は何者かに殺められてしまった。コイツが殺められたのはむしろ良かったのだが、この捜査に現れた賈府尹は、先の陸徜を貶めようとした件で上手くいかなかったことに恨みを抱いていた。そこで何とか明舒を犯人に仕立て上げたい賈府尹は、巡り巡って結局、明舒を捕らえてしまった。

 

陸徜は毎度の如く捕えられた明舒を救うために奔走するが、青沼も力技で自ら牢へ捕らわれ、決して明舒の側からは離れない。このどこまでも明舒の尻を追っかける青沼の根性は目を見張るものがある。

結果、この獄中で二人もろとも毒殺されそうになるが、法に則って動いた陸徜によって牢からは解放され、保身を望んだ賈府尹もやっと観念したようである。すごいね、すーぐ邪魔者を消そうとするこのあくどさ。こんなヤツが官職に就いていることが恐怖でしかない。

 

衛献は恩師の冤罪にも絡んでおり、邪魔だった魏卓もあの日に毒殺を試み、娶った妾も殺害していたという悪の逸材である。ゆえにいなくなったのは幸いだったが、この男を実際手に掛けたのは、殺された妾の母親(杜文卉の侍女)だったという事実が判明する。しかも裏で手を引いていたのは棠璃である。この二転三転して結局、初心である恩師の冤罪を晴らすという展開へ繋げてくる辺りは、視聴者に目的を喪失させない巧みさがある。

 

棠璃は、豫王の弱点を押さえて忠実に仕える芝居を続けているが、父親を嵌めたのは豫王も絡んでいるという疑いを持ち、全く信じていないようである。

豫王から見える未熟さは、おそらく母親の存在から未だ巣立てていないことが原因だが、そこを突いた棠璃の策略で今や彼女に夢中になっている。未だ豫王の心のほとんどを占める母親の存在に、棠璃を重ねて涙を流す姿は実に不憫だったが、棠璃の心は全く豫王には向いていないように見える。むしろ父親を貶めた残党は衛献で最後だと言われているのも信じず、目下仇討ちに燃えている。

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てかまだ周姨娘(何泓姍)が姿を現していないし、恩師を貶めた輩と簡家を殺戮した輩に関連があるなら、当時、周姨娘と密談していた男の存在もこれからのはずである。これが全て衛献の仕業だったというのは考えにくい。

棠璃は豫王を疑っているが、正直、豫王であってほしくないな、やっとこの男の愛らしく素直な姿が見えてきていい感じなのに。

 

一方、瑞王には興味もなかった殷淑君がだんだん心を寄せ始めて、こちらは急展開である。辛抱強い瑞王は殷淑君が自分に関心を抱くまでじっと待っていたため、殷淑君が気付けば展開は早い。

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明舒を巡る陸徜と青沼の関係は、以前より緊張感(青沼の方の)が増しているが、衛家で助けられた青沼の母親が俄然張り切り始めて明舒を嫁にする気満々である。尻にくっついてばかりの青沼は、未だ明舒からの明確な返事を得られていないため、母親のゴリ押しも静かに諭しているが、結局、明舒の意思を尊重して最後は身を引くんだろう、エゴで手に入れようとするような男ではないはず。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第28話~第29話。

豫王が棠璃を母親に重ねる目は度を超えており、自分の妻となって改名しろだの、父親の冤罪を究明することも止めろだの、挙句ずっと側で俺だけを見てろとか言い始めて途端に重くなってきた笑

そんな戯言を言い始めた豫王は必要なくなったかのようにその場を去った棠璃は、人の手を借りることを止めて自身で動き始める。

まずは明舒の素性を本人に明かして、廃墟となった簡家へ向かうこととなるが、その場に医者もしっかり用意して催眠療法などを行うあたり、どれだけ記憶を蘇らせたいのよ、となる。

棠璃がこれほど必死になって明舒の記憶を取り戻したいのは、おそらく父親から簡金海に渡された証拠の件だと思うが、気が焦りすぎてゴリ押し感が否めない。

 

棠璃が明舒を巻き込んで廃墟となった簡家へ向かったことを知った陸徜は、すぐに後を追いかけるが、案の定、黒幕からの刺客と遭遇する。ひとまず全てを放って明舒を追いかけ、刺客からも守った陸徜だが、証拠のために自分を側に置いていると勘違いしたぷんすこ明舒に、騙していたことを責められ、ほどなく到着したぷんすこ青沼にも殴られそうになって、どこまでも不憫な陸徜、、、

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陸徜は進めていた調査で、悪事に絡んでいた高仕才の存在を突き止めていたため、遂に黒幕が現れたのかと思ったが、コイツも刺客に命を狙われるという有様で未だ黒幕の正体は見えない。この高仕才は、自分の命を狙われて、救我!とか言ってた割に、黒幕の存在は明かさず口を閉ざしている意味の分からないおじさんである。瑞王の存在で口を割らせることが出来るかな。

この過程で、明舒は刺客の毒剣を食らうことになるが、その傷に吸い付いて毒を抜く陸徜が必死さのあまり、お前が死んだら生きる意味がない、とつい本音を吐くシーンで、兄妹の終焉が見えてきた。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第30話~第32話。

高仕才がぺらぺらと蘇昌華を貶めたことを白状し、豫王が黒幕だということもあっさりと認めてしまった。この男は、当時は豫王に付いた方が自身の利になると思っていたのだろうが、情勢が危うくなるとさっさと裏切って、瑞王へ寝返り命乞いをするような信用ならぬ人間である。だから人を平気で貶められるんだろうが、その裏切りの代償に、案の定、口封じで命を獲られる。

 

棠璃は陸徜が暗に示した態度で、豫王が父親を貶めた黒幕だと気付いたようだが、結局、彼の元へ戻ることとなる。なんだろな、棠璃が豫王の命を獲りに行ったときの会話では、一体誰が父親を貶めたのか棠璃にも混乱が生じていたが、愛憎がゆえに事実が霞んで見えるのか、それとも本当に豫王ではないのかが分からない。これが本当に豫王の仕業ならば、最後はやはり棠璃に刺されてご臨終となりそう。棠璃は悪い子ではないが、仇討ちに命を懸けるあまり、頼る人間とその手段を誤り続ける哀しい娘である。陸徜がここぞの時に救ってくれるといいのだが、このドラマで主要人物を血みどろで終わらせるなんてことあるかな、、、汪汐潮だしあるか。

 

明舒は記憶は戻らずとも、無意識でも陸徜への想いは昔と変わっていない。いよいよ陸徜への想いを認めて、青沼にも男女の情はないことをはっきりと告げるが、振られた青沼は打ちひしがれてまともに歩くことすら出来ない。青沼の恋愛脳には目を見張るものがあったため、すぐには立ち直れないだろうが、他の面でそのイノシシを発揮すれば大成しそうではある。今後は聞安へとその恋愛脳は発揮されるのかもしれないが。

 

明舒が青沼に心を寄せていると勘違いしていた陸徜は、自分の想いは胸に閉まっていたが、青沼との間には何もないことを知らされる。こうなると、明舒の想い人は自分だという確信が俄然湧いてきた陸徜の行動は早い。突然降って湧いた盧尚書の娘との婚姻話で焦った明舒の様子も、嬉しそうに眺める陸徜の「沒有任何人能逼我做不想做的事」は人格が現れすぎていてカッコ良すぎた。

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以前、青沼と約束した兄に徹するという誓いは無かったかの如く、告白後の陸徜の変貌っぷりは、これまで抑えてきた気持ちが弾けて大爆発である。母親に気付かれないよう一応気を付けているようだが、その愛が前面に漏れていて全く隠せておらず、おっとっと!とか言いながら触れる衝動を抑えられない陸徜は笑える。

 

いちゃいちゃしながらも、恩師の冤罪の証拠集めは着々と進める陸徜は、のらりくらりの盧尚書から証拠を引っ張り出し、悪巧み連中をそろそろ成敗する時が近付いている。

ただ娘と婚姻させることは全く諦めていないため、面倒は起こりそうだし、これを躱したとしてもまだ戸籍の問題が残っている。それでもどうにかなるんだろうからあまり心配はしていない。

それより、実直で不器用な面持ちの魏卓の積極性には目が離せない笑 わざわざ近くに越してきて、母親と二人で夕飯の買い物をする姿などは、端から見ると不器用夫と賢妻である。寡黙でも溢れ出る優しさに魏卓への好感度はかなり高い。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第33話~第34話。

豫王が黒幕では簡単すぎると思っていたが、蘇昌華を貶めて瑞王を殺めようと画策したのはやはり彼だったようだ。次から次へと証拠が集まり、棠璃も豫王側の女スパイを殺めて証拠を手に入れていた。疑い憎みながら、それでも豫王と棠璃の間には別の感情も存在しているため、最後はどうなるのか分からないな。

 

未だ、豫王側らしき覆面の刺客は野放しとなっているが、これは曹将軍とかいう男で間違いなさそう。簡家の殺戮前に、周姨娘と密談していたのはおそらくこの男だったんだろう。

ほどなく豫王の罪は皇帝へも知られてしまうが、あんなに大胆に瑞王の命を獲ろうとしていたのに、命は繋がり他の逃げ道も確保はしているようだ。爵位を奪われなければどんな恩恵があるのかは分らんが。

 

陸徜は瑞王の命を守るため、代わりに式典へ参加して豫王の罠に嵌るが、てっきり式典であの覆面刺客が何か手を下すと思いきや姿が見えなかったんだけど。それなら直前に豫王と悪巧みの確認をしていたのは一体何だったんだろう、覆面は案外デカい組織なんだろうか。

この場は、窮地に陥った陸徜を明舒が何とか高台から引きずり降ろすが、一緒になって落下した明舒は、ここで遂に記憶が蘇る。目を覚まして混乱する間もそう長くは続かず、今は陸徜が目を覚ますまでじっと耐えて待つのみだが、この様子だと冷遇された過去への葛藤もなさそうで安堵している。

 

一方、命を狙われる覚悟で式典に参加する予定だった瑞王は、身代わりとなって陸徜が窮地に陥っていることを後に知ることになる。豫王は、式典中だけではなく瑞王が屋敷に残っている可能性を考えて、周到にそこも燃やしたんだろう。

取り乱した殷淑君が、燃え盛る屋敷に飛び込もうとしていた姿を、瑞王が見ていてくれて良かった。ここはもはや揺るがない関係で安心感がある。

 

今回は、不器用男魏卓の、官職としての本来の姿がイケすぎててポッとしちゃったな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第37話。

ひょっとしたら他に誰かいるのかと疑っていたが、本当に豫王の仕業だったのだな。以前、周姨娘と密談していた男は曹海(覆面男)だと思っていたが、明舒が陸徜へその男は高仕才だと言っていた。しかしこれも陸徜を巻き込まないための嘘だったようだ。

 

多くの犠牲を伴った継承争いを巡る豫王の罪は認められたものの、追放というだけで相変わらず悠々自適に過ごし、その多くの罪は有耶無耶のまま、曹海も依然として野放しになっている。

棠璃は何度も豫王の命を奪おうと試みるが、毎度失敗に終わっている。それでも棠璃は必ず父親の仇討ちをやり遂げるという目標を諦めてはいない。

同じく、過去の記憶を取り戻した明舒も、未だ有耶無耶となっている簡家の殺戮の事情をたった一人で追うことを決意する。

 

昏睡していた陸徜が目覚めるのを待ち、過去の陸徜の言葉を忘れておらぬフリをして、前途の明るい陸徜をこの真相追及に巻き込まぬよう、これまでの情もなかったように突き放す。

青沼はそんな明舒の想いを理解して、賜婚を拒否されたにも関わらず、なんとか良い方へ向かわせようと尽力するが、明舒の意志は固く誰の言葉も届かない。

 

食い下がる陸徜を置き去りにして、故郷へ戻った明舒は再び棠璃と出会うが、ここでやっと目的も手段も一致した二人は、手を組んで仇討ちへと突き進むこととなる。

調査の過程で辿り着いた林家に監禁されるようにひっそりと暮らしていた周姨娘は、逃げ出せぬよう視力を奪われ脚も破壊されていた。周姨娘の犯した罪は到底許されるものではないが、騙されて利用された末路は悲惨であり、過去を心底悔やむ姿が少し不憫に見えてくるちょろい自分が憎い笑 演者が何泓姍ってところも大きい、この方は悪い子で登場することも多いが、どうも嫌いになれない魅力がある。

 

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置き去りにされた陸徜は、おそらく大理寺の任務も放って追いかけてくるが、さすがにここまでの想いをぶつけられれば、愛のないフリも揺らぐというものである。陸徜を巻き込むことは明舒の本意ではないが、ここからは陸徜を加えた三人で豫王と曹海を追い詰めることになりそうだ。

ということは、やはり最後は棠璃が豫王にトドメを刺して、この二人の複雑に交錯した想いは終焉を迎えるんだろう。

 

残り3話。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第38話~第40話(最終話)。

曹海が成敗され、瑞王の周りと違い誰一人として残っていない豫王に未来がないことは、棠璃がトドメを刺すまでは予想出来ていたが、よもや棠璃も一緒に逝ってしまうとはね。その後の詳細が語られてなかったけど、あの様子だと棠璃も死んじゃったんだよね?

棠璃がいつの間に刺されたのか、或いは己で刺したのかが分からず巻き戻して見てみたが、やはり分からなかった、、、そこに全く情がなければ、復讐を遂げたあとは自分の人生を歩めたはずだが、憎んではいても愛していたのかな。こういったらなんだが、豫王の終盤はどこか陳腐だった、、、お漏らしもあり得るこの男なら、とすら思っていた。母親が生きていればこうはならなかったんだろうが、寂しかったんだね。棠璃もそんな豫王が不憫で一緒に逝ってあげたのかもしれないな。ただこの終盤の一連の流れはどうも安っぽさが否めなかった。しかも皇族では定番の、大勢の命を犠牲にして謀反まで起こしたこの男もやはり皇陵に入れられていた。

 

そして、陸徜にふーちんと呼ばせるためだけに命を落とすシナリオにされたとしか思えない陸文瀚、、、確かに生きていてもあの存在の落としどころはなかったのだが、それが観ている方にも伝わってなんともいえない気持ちになった笑

 

それでも最後は、国の安定を確保し、序盤には叶わなかった二人の未来が見られて良かった。要はハッピーエンド万歳ってだけだけど笑

配音は気になったものの、相変わらず盧昱暁が良かったし、誰とでも自然にCP感を出せるのがつよいところ。

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