『柳舟记(柳舟記)Are You the One』
2024年 8月~ 中国 全40話予定
崔行舟・崔九→张晚意(張晚意)
柳眠棠→王楚然
王楚然演ずる柳眠棠がめちゃくちゃいい。
ネタバレ 第1話~第3話。
賊に悩まされている淮陽王の崔行舟は、仰山で瀕死だった柳眠棠を救って連れて帰り傷を癒す。捜している陸文という賊頭を捕えるため、その愛人だと勘違いした柳眠棠を利用するためである。
救われた柳眠棠は、3年前、何処かに嫁ぐ途中で賊に拉致され、行方不明となっていたが、その3年間の記憶は失くしてしまっている。断片的な記憶の中で、自分が握り締めていた匂袋を崔行舟が持っていたために、夫の崔九と勘違いした彼女をそのまま利用することにした崔行舟は、陸文を誘き寄せるため偽夫婦となることにする。
淮陽王という立場だけに、あらゆる所に根回しをしている崔行舟の芝居に未だ気付いていない柳眠棠は、夫は普通の商人で、そんなに裕福ではない家のことを心配して、倹約し、夫の助けになるよう商売のことも気に掛けている。
崔行舟の方は、陸文の愛人には油断は出来ぬ、記憶も失くした振りかもしれないと未だ疑っているが、陸文を誘き寄せる作戦にも全く成果は得られない。
3話まで観ていると、そもそも賊頭の陸文という人物が居るのかも怪しくなってきたな。仮にいたとしても、公子と呼ばれている謎の王子(常華森)がその人物を騙っているのかもしれない。
開幕に崔行舟へ向かって弓を射たのは柳眠棠だと思うけど、、、ってことは、彼女が陸文本人という可能性もある。
生来から賢くて統率力のありそうな柳眠棠は、記憶を失くしてもその部分は失っていないため、その場しのぎの嘘への鋭い突っ込みに、しどろもどろの崔行舟が笑える。ご飯をもぐもぐする柳眠棠を見る崔行舟には、長相思一季の14話が思い出されたが、雰囲気は全然違っていて明るい。
いつまで偽夫婦を続けるのか、いつまで疑っているのか分からないが、そうやっているうちに心を寄せ始めて、嘘が明らかになったときが怖いね。
面白い、続きが楽しみ。
つづく
追記ネタバレ 第4話~第7話。
妻を疑っては監視を続ける崔行舟は、怪しい動きを察知するどころか、自分を助けるために尽力する姿のみを見せられて、既に心境が変わりつつある。
あれだけ、陸文の女なんだから命は獲ると言い張っていたのに、いつの間にか攫われた気の毒な女ポジションになっているし、最後は安心して暮らせるように援助する、とか言い始めた笑
陸文を捕えるためだと繰り返し自分や周りに言い聞かせて、気持ちの変化に自分ではまだ気付いてないが、おそらく趙泉には気付かれている。
柳眠棠は、崔九へ嫁ぐ途中で攫われたため実家があるはずだが、両親はどうなっているんだろう。行方が分からないとなれば当然捜索しているはずなのに、戻って来てからも登場したのは当時の侍女だけである。この辺りの事情もまだ謎だな。そもそも、あの別宅辺りでウロウロしている淮陽王が何でか全くバレていないのが一番の謎である。
淮陽王の立場となると、張り合う敵も当然いるため、石じいさんとは、州を跨いで賊を捕えて皇帝に対する貢献度を競い合っている。石じいさんも度々挑発してくるものだから、崔行舟も煩わしさは否めない。
その上、淮陽王妃を狙って、叔母とその娘の目がギラギラしているため、こちらも煩わしいのである。(この母子には柳眠棠の存在はバレている。)
母の誕生日を祝う席でも、抱えてきた様々な問題を巡り腹の立つことの多い崔行舟だが、戻るところは妻の元である。なんというか無意識に足が別宅へ向かっているところが微笑ましいけど。
これまで弱音も吐くことが出来ず、背負うものの多かったぷんすこ夫を優しく慰める柳眠棠は、その立場は知らずとも、夫を支えようと懸命になっている。その偽りない姿を、酔ってはいても既に感じ取っているために、無意識に戻ってくるのはここなのかも。
ほどなく、商売を軌道に乗せるため、陶器商会に入ることにした柳眠棠だが、女が表に出て来る時代ではないため、商会メンバーからは足蹴にされる。それでも諦めずに交渉した結果、皇室へ陶器を売ることが出来ればメンバーにする、という約束を結ぶ。
頓智の利いた毎度清々しいくらいの閃きを披露する柳眠棠は、水路工事を始める機会を利用して鯉を流し、縁起物を保管する甕を淮陽王へ献上して、褒美(銭)を貰うことに成功する。
しょうもない賀家の次男坊は、約束を守って皇室から銭を得てきた柳眠棠に、え、あんな約束本気にしたのか、とか言い出して、結局メンバーには加えない不義理な人間である。能力は妹の賀珍の方が高いために、後々、商売を任されるが、この状況での劉令姿を見ると「卿卿日常」を思い出す。
崔行舟は、陸文を捕えるまでの偽妻には問題を起こさず家で大人しくさせたいものの、あの性格上大人しくはしていない。それも全て夫のためにやっていることだが、妻が動き回ることに若干煩わしい思いの彼は、たとえ言い分が的を得ていても、それを聞かずに黙らせるしかない。心理的には、男だけの組織に混ざらせるのがなんとなく嫌だったのかもしれないが。
喧嘩をして悶々とする柳眠棠は、夫と過ごした過去を思い出せず、どの様に情を育んで来たのかも分からない。(そんな過去はないのだから当然だけど笑)そこで彼女の中ではある結論に達する。
夫は自分の病を癒すために尽くしてくれた。→だけど自分に対する情はなかったのかもしれない。→自分も夫に対して情があったのかも分からない。→そうだわ、考えてみればこの人は私のタイプではないわ。→離縁されても仕方がない。→でも助けてもらった恩を返すために分別して妻としての仕事はやろう。
これを伝えられた崔行舟は、特に、私の好きになるタイプではない。というところだけをひたすら気にしている様子である笑
この部分はもしかしたら、夫に負い目を持たせないために吐いた嘘なのかもしれないけど。優しい妻だから。
まだ序盤とはいえ、お互いの情は着実に育っているし、いつの間にか、商会メンバーに加わるために既存のメンバー間に波風を立てて、結局、賀家の次男坊以外を味方に付けることとなった柳眠棠は、賀家を黙らせてメンバーに加入してしまった。
もはや反対していたのも忘れて、妻の思う通りにさせようという気持ちになっている崔行舟、、、妻の前では、誤魔化すために吐いた嘘で抜群にカッコ悪い夫像となっているが、そんなへっぽこ加減はお互い気にせず、崔行舟の方は確実に心地良くなっている笑
ばあやも気にしていたが、事情がバレた後のことを考えると、おそらく敵同士となるため、今がいい雰囲気なだけに若干の憂鬱さは否めない。
久々に謎の公子も登場したが、芸兒(手下の娘)はこの公子を好いているのだろう。記憶のない柳眠棠を認識したはずだが、そこは言わずに存在を諦めさせようと必死である。
会話の中での淮陽王を警戒している様子は、やはりこの公子が陸文を騙っているのかもと感じた部分だが、その素性も今は全然分からない。
主演の二人がとにかく愛らしくてめちゃくちゃいい感じです、、、
つづく
追記ネタバレ 第8話~第11話。
この早い段階で、崔行舟が追っていた賊頭は子瑜という名の陸文であることが分かるが、その陸文は、知らぬ間に石じいさんと手を組んで過去の罪は免除されていた。石じいさんだけでなく、その上には前皇帝の弟、綏王や、その綏王に「王爺」と呼ばれている芸兒の義父とも繋がっていて、これは面倒な展開になってしまった。この義父誰やねん笑←この義父が綏王だった。23話まで手下の男が綏王だと思ってた、、、
回想から推測すると、柳眠棠は以前子瑜の側にいて、おそらく彼と愛し合っていたのだろうが、何かの原因で仲違いをしてしまった。朝廷と癒着して行っている悪巧みがその原因だと思われるが、子瑜は石じいさんの娘と婚姻が決まっているものの、柳眠棠を諦めきれない。
陸文の正体が子瑜だと露見したのも、その気持ちを抑えられず下界して柳眠棠の前に現れたからである。
子瑜は好いた女を取り戻したい一心だが、一連の悪巧み連中の目的は、仰山で柳眠棠が瀕死になる前に、そこからが持ち出した銭を取り返すことである。おそらく瀕死になっていた原因は、この連中に追われた末だったのではないか。
この陸文の正体が発覚し、捕らえられないことが分かった今では、偽夫婦の意味も泡沫の泡と化してしまった。これを機に、なんとか安全なところに柳眠棠を送り出そうとする崔行舟は、言葉と行動が嚙み合わず、手放せぬ気持ちがだだ漏れ。
一連の推測によって、高貴な身分の敵が山ほど存在することが判明したため、柳眠棠の身を案じる崔行舟は、かつては駒だったこともすっかり忘れて、自分が守らねばならないと考えている。
日付の迫った婚事の件でも、その座を狙う芮蘭とそこに利用される賀珍などが連なっている。この事情を、当人とは知らずに柳眠棠が逐一報告するものだから、意図せず周りの女達の内情を知ることとなる。
賀珍は、崔行舟に命を救われた時から彼を慕っていたため、側室でもいいから嫁ぎたかったようだが、淮陽王本人に諭されてこの地位に就くことを潔く手放すことにする。
「女心をそんなに理解されているとは、愛する方がいらっしゃるんですね。」周りは当に気付いている気持ちを、ここにきてやっと自分でも気付き始める。
しかしどうやっても芮蘭との婚姻は避けられない。
その準備のために、囲碁の修行で山に籠るという嘘を吐いた崔行舟と、それを聞いて寂しそうな柳眠棠に胸を痛めて、顔も上げられない様子が実に切なく、自分の胸も痛くなった。夫とは知らず、淮陽王の挙式で使用する陶器に、家のが選ばれるかもとあんなに嬉しそうにしていたのが、さらに胸を痛くさせる、、、やばい、情の部分の主演二人の芝居が秀逸すぎてほんと切ない。
つづく
追記ネタバレ 第12話~第15話。
崔行舟が本当の身分で婚姻話を進める一方で、修行に行った(と思っている)夫のことを心配しながら日々を送る妻が不憫でたまらない。その夫は、別の女を娶る準備をしている淮陽王なんですよ、、、
朝廷側では、すっかり忘れていた皇帝の存在だが、そういえば太后の傀儡(幼帝)だったわ。太后にとって仰山の調査に力を入れる淮陽王の存在が煩わしいということは、そもそも国の頂点から悪事に染められているのだと思われる。
何とか理由をつけて命を獲りたい太后は、唐突に激戦地へ赴くよう聖旨を与えるが、皇帝が敵ならどうやっても敵わないではないか。
太后の思惑におそらく気付いた崔行舟は、これを拒否しても叛徒とされ、どちらにしても逃れられないために、甘んじて戦場へ赴くことを受け入れる。
それでも悪いことばかりではない。
このおかげで、心底嫌がっていた芮蘭との婚姻を退婚することが出来たし、仮に命を落とさずに戻ったとしても、この女を娶らねばならない義務はおそらくない。
問題は、嘘をついて残してきた偽妻にどう言い訳をするかだが、淮陽王という身分は隠しながらも、正直に、命を落とすかもしれぬ戦場へ従軍するため、離縁する旨の手紙を残す。
手紙だけを残されて夫に去られた柳眠棠はたまらない。
それでも泣き喚くことなく、すぐに次の準備にかかる柳眠棠は、何をするのかと思えば、淮陽王の軍隊の後を追って自分も柄州へ向かってしまった。行動力はんぱない笑
このことはすぐに崔行舟の耳に入るが、危険を犯して付いてきた妻に憤りながらも、嬉しい気持ちが漏れている。手紙を読んだ柳眠棠が無反応だったことに若干しょんぼりしていたからね笑
追ってきた妻に会うために、王だとバレないよう一般兵の鎧を用意させていたが、一般兵の鎧の割に立派過ぎないか。
いつもギリギリのところで身分は隠せている崔行舟は、ここぞという致命的な場面で発覚するのだろうね、、、賀珍が気付いたところで、その口から聞かされるのかと思っていたのもすれ違いで逃れていたし。
崔行舟へ兵糧を届けるため、賀家へ商談に出向いた趙泉は、娘を娶りに現れたと勘違いした賀公と全く会話が噛み合っていない笑
身分の高い趙泉へ嫁がせることに乗り気の賀公は、賀珍の気持ちは無視して俄然その気になっているが、商談に来ただけの趙泉にもまだそんな思いはこれっぽっちもない。
未だ、チャラい態度で揶揄われてばかりの賀珍は、彼に不信感はあるものの、無理に同行させられた旅路から解放してくれたために、その想いは少し軟化しているように見える。
相変わらず、自分の身分を打ち明けられない崔行舟は、今日こそ打ち明けようと意を決した日に、淮陽王は色んな女をその気にさせて、結局、捨てるような酷い男だ、という妻の想いを聞かされる。
その身分がゆえに、事情を知らずに噂だけで判断されるのは仕方のないことだが、しつこくしがみつく芮蘭や叔母をきちんと整理してからでなければ、身分は明かせないと思い直し、この日は言えず仕舞いとなる。
そのため、未だ嘘でその場を繕っているが、「そこらの兵士に聞いてみてもあなたの事は知らないって言われるのよ、なぜかしら。」などと、相変わらずの鋭い指摘に後ろめたさは深まるばかりである。
ほどなく聖旨が届き、ついに敵と対面して戦をせねばならなくなるが、偶然、別の案件で柳眠棠が見つけた鬼田根という植物が役に立つこととなる。
鬼田根は、口にすれば身体が麻痺して動けなくなる効力があり、これで敵の馬を麻痺させれば動きを封じられるのではないか、という妻の提案で、早速、敵へと実践することにする。
聖旨を下した太后は、この戦で崔行舟の命を獲りたかったのだろうが、この妙案に加えて死に物狂いで戦った結果、淮陽兵は無事に凱旋する。
崔行舟は先頭に立って、見ての通りがむしゃらに戦っていたのだから深手を負ったはずだが、戦場から戻って一番に向かう先は妻の元である、、、
このようにして、二人の絆がますます深まっているために、嘘の引き延ばしが視聴者の不安を煽る。
拗らせ子瑜の石じいさんの娘(雪霽)との婚姻は、打算があるようだが、大人しく見える割に行動力もある聡明な雪霽は、その打算が分かっていながらも飄々としている。芸兒のような嫉妬深さがないのもより好ましい。
つづく
追記ネタバレ 第16話。
うーん、自ら正体を白状する前に柳眠棠の記憶が戻るのが先のようだね、、、
少し前に、身籠ったまま夫に捨てられた、という林思月を保護するが、見るからに身分の高そうな娘だったのは、敵側の公主だったからか。
どうやらこの族と鉄鉱の取引をしていた大祁は、三年前から国内へ私鉄鉱を輸入していたようだが、約束を違えたために戦となったようである。
鉄鉱といえば武器ではないか、と気付いた崔行舟は、これを調査するため柄州へ向かう。
妄想だけど、綏王や石じいさんが結託して謀反を起こそうとしているのではないか。太后は身内だと思っているこれらに騙されて、軍を蓄えている崔行舟が謀反を起こすと思わされているのだと思う。そのため、心底彼に怯えて命を獲ろうと躍起になっているのかもしれない。
鉄鉱→武器となると、もう謀反しかないために、崔行舟が起こすはずもないので、じいさん達の悪巧みなんだろう。結局、太后は踊らされているだけで何も知らなそうだな、、、全部妄想だけど。
柄州のあちこちで自分の過去の姿を見る柳眠棠は、記憶を取り戻しつつあり、別れ際に言われた「ご主人には気を付けて。」という公主の方言も理解していた自分の正体にしばし困惑する。
その後、夫が付けた護衛に気付いた時には、既に記憶が戻っているのが分かるが、芝居でこの微妙な表情の違いを表現できるのがすごい。これまでの夫に尽くすだけの愛らしさから、本来の人を率いる顔に戻っている。
護衛のしどろもどろっぷりも群を抜いていたな笑
つづく
追記ネタバレ 第17話~第20話。
柳眠棠が記憶を取り戻したと同時に、崔行舟が柄州太守へ鉄鉱の疑惑を提示したために、悪事の露呈を恐れた悪巧み連中は、取引していた鏢局の人間を皆殺しにしてしまった。なんなの、目的は帳簿なんだからそれだけ盗めよ、、、
実はこの鏢局は、かつて柳眠棠が率いていた組織であり、回想から考えると、彼女を筆頭に太守と取引を行っていたようである。
商売として取引はしていても、おそらくじいさん達の悪巧みとは全く関係ないのだろうが、陸文という崔行舟が追っていた賊頭は、子瑜ではなく柳眠棠だったのが分かる。勿論、崔行舟はその事実を知らない。
鏢局を襲ったのは、記憶を失くす前の柳眠棠を殺めた(未遂)男と同じ、曹鐸という輩だったが、この男は芸兒に雇われて暗殺を謀ったようである。おそらく悪巧みの黒幕は芸兒の義父で、こいつが皇室のどのポジションなのかイマイチ分かっていないが、柳眠棠の暗殺は芸兒の個人的なもののようだし、この殺戮に子瑜は関わっていない。←芸兒の義父=綏王というのを23話で気付いた。
子瑜は、元々高貴な身分でありながら、仰山で育ったようだから、皇室に取り入るこの男の目的は、身分を取り返すことなのだと思う。
三年前に嫁ぐ芝居で家から出た柳眠棠もまた、身分は高いのだと思われる。もう後には引き返せないぞ、と子瑜と話していた様子を見ると、何か目的があって嫁ぐふりをして鏢局を率いていたのだと思うが、それが何なのかは分からないな。
鏢局にいた柳眠棠の叔父も仲間であるため、共に動いているが、元の「喬」という苗字を隠しているし、目下、戎部の通商という身分の丘林現として、崔行舟に追われている。
記憶を取り戻した柳眠棠は、夫の思惑を全て把握してしまったため、自分に掛ける言葉も全て芝居だと思い込んで、夫の行動を警戒するハメになってしまった。陸文に矢を射られて傷付いた手のひらの話で、夫が淮陽王だと気付いた柳眠棠は更に警戒を強めるのである。
しかし崔行舟の方は、賊に攫われた可哀想な私の夫人(ふーれん)、私が守ってあげねばならない、という思いの愛が溢れていて何も気付いていない。そのため、これからは立場が逆転して、崔行舟が駒になるターンとなってしまった。
↑のポスターが辛辣。
記憶が戻った柳眠棠の崔行舟への気持ちは、一体どうなっているのかイマイチ分からないな。かつては、記憶はないが、夫なのだから尽くして愛するのが正しいと言い聞かせて、良妻の鏡のような振る舞いをしていた。それも純粋な気持ちで接していたために、記憶を取り戻す直前には、その情はより深くなっていたように感じたが。
個人的には、このような状況になれば、夫を愛していたとしても、事実を知ったと同時に愛は一気に冷める。夫の行動や発言が芝居だと思うと尚更である。
今のところは、愛するというより、警戒の方が上回っている気もするが、崔行舟の方も、本気で娶ることを考えるほど愛している柳眠棠が陸文だと知ったとき、どうするのかな。
陸文を「惺惺相惜」と言っていたことを考えると、自分と似た者同士の彼を尊重している様子は見受けられるため、悪い感情ばかりを持っているわけではないようだけど。
崔行舟の命を獲るため戦に出向かせたのに、敵の首を獲って勝利した彼を、逆に褒美を与えて労わねばならない太后、、、計画通りにいかず残念だったね。悪巧みの証人だった敵の頭を、有無を言わさず処刑させた太后には、知られてはならない悪事があるらしい、又は、悪事の露呈を恐れたじいさん共にそう仕向けられたのかもしれない。
ほどなく、真州に戻った崔行舟が、囲碁仲間のような公子に、神威鏢局の女との仲を取り持ってくれないかと頼む場面がある。
「その娘は今真州にいるんだよ、こんなに私の話をしたのだから、どうして私が彼女以外を娶らないか分かるよね。」と言っていたのを考えると、柳眠棠のことなんだろうが、柳眠棠が鏢局の者だと知ってたっけ、、、しかもそんなに話してたかな笑
これが彼女のことなら、身内の反対を和らげるために力添えしてもらうのが目的なのだろうが。
謎だ、、、
その頃、趙泉と賀珍の方では大ごととなっていた。
なんとか趙泉へと嫁がせたい賀家は、あの役に立たない次男坊が二人に薬を盛って、一夜を共にさせてしまった。共にしたといっても何も起こっていないのだが、この時代背景では、恋人でもない男女が同じ部屋で一夜を過ごしてしまえば、評判に関わるために、何かあろうがなかろうが、その娘を娶らねばならない。
というわけで、二人の婚姻が決まってしまった笑
今の趙泉は落ち込んでいて気の毒だが、結果的には良かったと言える。
つづく
追記ネタバレ 第21話~第22話。
なぜ崔行舟が陸文にいつまでも拘るのか、その事情が分かる今回。
何度も争いを繰り返していた崔行舟と陸文だが、その間には、敵ではあっても互いを認めながら、ある種の信頼関係を以って、戦いに挑んでいたのだろう。
ところが、停戦協定を結んで宴に酔っていた淮陽王の兵たちを、不意打ちで襲った陸文の行動で、この信頼関係は崩れることになる。
これまでの彼への敬意を砕かれたこの出来事は、崔行舟の心に深く刻まれ、この理由を聞きたくて執拗に陸文に拘っているのである。崔行舟には、自分の信じてきた戦敵は不義理な人間ではない、何か自分を納得させられるような理由があるはずだ、という気持ちが未だ拭えないのだと思われる。いじらしいです、、、
思えば、陸文(だと思っている子瑜)を捕えに行って出鼻を挫かれたあの時、真っ先に尋ねていたのはこの件だった。
崔行舟の心中を知った柳眠棠は、身に覚えのない自分の不意打ち話に困惑したものの、すぐに芸兒の仕業だと気付いたようである。
隠している自分の秘密を打ち明けるという夫の言葉を遮り、何も聞かずにここを去る決心をした柳眠棠は、そこに心残りもあるように見える。そんな妻の姿で、突如失ってしまいそうな感覚に囚われた崔行舟は不安でたまらない。
ほどなく、子瑜が陸文ではないことを知る。
その後立て続けに、彼女以外は娶らないと母にも誓ったほど愛してしまった柳眠棠が、陸文だという事実も知ることとなる。
これには衝撃が隠せずに、虚空を見つめることしか出来ない崔行舟は、情報を得るために妻は記憶を失くしたフリをして、これまで自分を利用していたのではないか、という考えにも及んだかもしれない。自分がそうだったのだから。
遂に、襲われたフリをして夫の元を去った柳眠棠が、子瑜に暗号を残して落ち合う約束をしていたのを考えると、子瑜には信頼を置いているようである。
芸兒が執拗に自分の命を獲ろうとしているのは、元々、柳眠棠には分かっているようだし、子瑜の指示だという芸兒の言葉は全く信じていない。
その子瑜の身分が、前太子の息子ということも今回分かるが、やはりこの男は身分を取り戻すことが目的のようだな。この事実を、綏王も知らなかったようだから、謀反+醜い骨肉の争いに発展しそう。(勝手に綏王だと思っていたこの男は、ただの手下だった。その後に現れた王爺が綏王、、、)
つづく
追記ネタバレ 第23話~第24話。
謀反を起こして、幼帝を引きずり降ろすのかと思っていたのに、暗幕に白抜きの文字のみで、子瑜がサクッと登基してしまった。
(自分はこの話までずっと綏王が綏王だと思っておらず、この王爺は何者なんだと混乱していたのだが、23話目にして綏王だと気付いた、、、読んで下さっている方々へもなんかすみません、、、)
妻の正体が分かってから、互いに本当の身分で対面した二人は、ここで本当の別れとなる。柳眠棠の辛辣な言葉に胸が痛む、、、
かつてのように、夫の身を案じて、帰宅を心待ちにしていた愛らしい姿はもう見られないのかと思うとかなしい。
目下、命を獲られた20人の仲間のため、仇討ちに燃える柳眠棠は、記憶の戻った今、他のことは考えられないのかもしれない。別れ際に涙を流す姿にはまだ希望はあるが。
それでも崔行舟は、まだ諦めていないように見えるが、皇帝となった子瑜は、早速、彼を呼び出して警告する。勝てそうに見えても、皇帝という地位では何でも出来るため、柳眠棠の件では困難を極めそうだ。
以前、夫婦の睦まじい姿を見せつけられた子瑜は、ここぞとばかりに、柳眠棠との姿を崔行舟に見せつけるような可憐な仕返しをしている。この程度で収まるならいいが、この先権力を使い始めると厄介である。
皇位を奪われた幼帝と太后のその後は全く触れられていないが、これで退場なんだろうか。序盤は、じいさん達が謀反のために鉄鉱を輸入しているのかと思っていたが、その謀反(かどうか不明)は、描写もなく終わってしまったし、綏王が子瑜の後押しをしていたということは、自分がその座に就くより、傀儡皇帝に仕立て上げたいだけだったのだろうか。
しかし今のところそんな様子は見えないし、皇室に関してはどこへ向かっているのか分からないな。
柳眠棠の仇討ち相手は綏王や石じいさんであり、子瑜の敵も綏王である。いずれ敵は滅されるのだろうが、そうなると、他に敵らしき敵はいなくなるため、柳眠棠の取り合い以外にやることはなくなるけど、、、
綏王への仇討ち計画で被る柳眠棠への被害から、崔行舟が救っていくのは想像出来るため、その過程を経て、心がまた寄せられていくのかもしれない。
嫁いだフリをした柳眠棠と喬叔父の最初の目的はまだ分からないままだけど、それも綏王を潰すためだったのかな。
つづく
追記ネタバレ 第25話~第26話。
早速、春狩りの日を選んで綏王の暗殺を謀った柳眠棠だが、急所を外して失敗に終わる。当然、綏王側に追われるわけだが、崔行舟がそれを遮ったあげく、暗殺を謀ったのは自分だと言ってその罪を被る。無表情で澄ましていてもそれは愛だ、、、
綏王には、柄州での鉄鉱の件を提示して、取り敢えずの身を守るための交渉をする崔行舟は実にキレる男である。
このことを柳眠棠はまだ知らない。
柳眠棠を手放したくない子瑜は、なんとか一緒になろうと食い下がるものの、道を違えた二人の未来は皆無のようである。「放手吧」とはっきりと告げられた子瑜は、柳眠棠の性格を良く分かっていて、その想いを泣く泣く手放すことにする。醜い取り合いになることなく、我儘を通すこともない潔い子瑜には感心した。
気を取り直して、直ぐに国の安定のために動く子瑜は、皇帝としては優秀なのかもしれない。綏王の配下である北の筱州、北州へ崔行舟を派遣して、自分側に付ける交渉を彼に任せることにするが、全て綏王を排除するための準備である。
この点では、二人の方向性は合致しているため、崔行舟も若干勇んでいる様子は伺える。そもそも皇帝の命には逆らえないが、腹の内を見せた子瑜は、ある意味、崔行舟を信用しているのだと思う。
と同時に、子瑜が皇后を迎える日も近付くが、当然自分が皇后に選ばれると思っていた芸兒が側室で、皇后に選ばれたのは雪霽だったことには爽快感が否めない。この点でも、子瑜は人をきちんと見ていることが分かるため、まともに国を治めてくれそうである。グッドチョイス!(一応、石じいさんの持つ軍力が目的のようだが。)
石家での雪霽は、庶子という身で虐げられていたが、皇后となっても石家からの圧力で自由にはならない。嫉妬深い芸兒も、そのことを口実に嫌がらせを始めるが、思いのほか子瑜が良い夫のため、その辺りはしっかり守ってくれそうで安堵している。
嫌みを言われても、変わらず笑顔でもぐもぐして、びーしゃを上手く言えない雪霽が抜群に愛らしかった笑
夫の気持ちを尊重しながら、いざという時は機転を利かせて夫の身を守る雪霽には健やかに暮らして欲しいと思う。
皇帝からの命で筱州へ向かった崔行舟は、相手に腹の内を探られながらも、夜には女を当てがわれるが、一晩中、その娘に筆記指導をする崔行舟には笑った。らしいというかなんというか笑
「前不見古人、後不見来者、念天地之悠悠、獨愴然而涕下」
その娘に書かせた文言を、自分へのメッセージではないかと筱州王は疑っていたが、おそらく柳眠棠が去ったあとの、侘しい自分の気持ちを書かせただけだと思われる。割と別れた妻のことばかり考えているからね、、、妻が拵えた刺繍入りの衣服を、捨てたと言われて激おこだったが、そんな自分が哀しくなったのか、結局、捨てることにした気持ちを想像すると泣ける。
その後、北州へ向かった崔行舟は柳眠棠を見掛けて、慌てて追いかけるが、この時は会えず仕舞いとなる。
実は同じ時、柳眠棠も祖父の喬家へ戻っていたために同じ場所にいるのだが、今回は会えずとも、北州でしばらく人質として滞在している間に再会しそうではある。
喬家が婿を取るという噂を聞いて、柳眠棠の話だと勘違いした崔行舟は頭に来ていたようだが、違う娘の婿だから、、、落ち着いて、、、
柳眠棠は、京を離れて北部で新たに商売を始める。かつて助けた公主とも再会し、互いに取引を始めて元の生活に戻りつつあるが、事あるごとに妻であった頃に引き戻される思いを懸命に忘れようとしている。
久々に戻った喬家では、祖父は喜んでいたものの、離縁して戻って来たという柳眠棠が、金銭の面で煩わしくなるのでは、と牽制する女共がざわつき出しているため、ここでも面倒は起こりそう。
つづく
追記ネタバレ 第27話。
楽しい日々が戻ってきた笑
北州に戻った柳眠棠は、困窮しつつある喬家の維持のため、祖父が神威鏢局を売りに出していることを知る。柳眠棠は、祖父の立場を考えた結果、自分のことは伏せて部下の陸忠に鏢局を買わせることにする。
神威鏢局とは祖父の持っていた鏢局だったんだな。以前、崔行舟がそこの娘との縁談を頼んでいたのは、この素性が既に分かっていたからか、、、どうも脳内で地理がイマイチ整理されていないために、仰山と北州の距離感が掴めない。
祖父の元で腰を落ち着けて鏢局を営むこととなった柳眠棠を、北州王の命で滞在している崔行舟は監視を続けている(取り戻したいだけの理由だけど。)。彼女の欲する物をコソコソと与えていることに、察しのいい柳眠棠はすぐに気付くが、気付かれた範虎の顔面の気まずさ、、、お気の毒だがほんと笑える。崔行舟への、もうあなたとは何の関係もない、という伝言もきちんと言えていない笑
開き直って、直接鏢局へ向かった崔行舟は、兵も持たずに北州へやってきたため、この身が不安だから警護を頼みたい、と仕事の依頼を始めてしまった。崔行舟の開き直った奇行の目的が明白で清々しく、序盤より、一層愛らしくなっている、、、
この奇行を、新帝の策略だと勘違いしている北部の王たちは、深読みでヤキモキしているが、子瑜からの任務には全く関係のない、ただ妻を取り戻したいだけの行動というのが笑えるところ。この事を、淮陽王という立場も構わず、正直に北州王に白状するところも親しみを持たせる天性の技ではないか。
別れから一転して、楽しい日々が戻ってきて嬉しい。
未だ、柳眠棠の方は頑なな態度を崩さずにいるが、ここ北州での緩やかな日々を見せておいて、命に関わるような何かで自分の気持ちを確信する時が来るのだと思われる。しばらくすれば、再び虐に突入する予感はしている。まだ綏王は健在だからね。
つづく
追記ネタバレ 第28話~第31話。
北州での崔行舟の奇行で己の立場を危惧していた筱州王が、思惑通りに上京したために、皇帝は褒美として北部をこの筱州王に任せることにする。元々、北部から遥々朝廷へ足を運ばせることを目的としていて、この重要性はイマイチ分かっていないが、この行動で、綏王(の息子か手先)が掌握していた北部を取り上げた格好となったため、崔行舟の妻を取り戻すための奇行も、結果的には抜群に役に立っている。この後も体面など気にせず、柳眠棠が嫁ぐと勘違いして馬車も止めるなどする必死さが実に清々しいのである。
北部との交渉で、大きな功績を上げた崔行舟に満足した太皇太后(子瑜の祖母)は、公主との賜婚を与えることにするが、いやいや、逆に迷惑なんだけど笑
これを何とか回避せねばならない崔行舟は、北州王の息子を救ったタイミングで京へすぐには戻れない芝居を打ち、賜婚を回避することに成功する。趙泉の大袈裟で真に迫ったように見せる「万万不可!」が笑える。
一方で、北部を取り上げられた綏王は怒り心頭である。
この男は、子瑜と崔行舟の弱点を既に分かっているため、柳眠棠へと狙いを定めるが、柳眠棠も簡単には騙されない。敵は明白なために、襲ってきた刺客も鮮やかに斬っていく姿は頼もしいところ。もちろんここにも欠かさず現れる崔行舟、もう脳内は彼女で占められている。
子瑜は崔行舟への賜婚を祖母にそそのかした本人だが、やはり柳眠棠を奪われるのはいささか不満なのだろうか。
その割に、皇后となった雪霽とも近頃では心中を明かしあっているため、雪霽の聡明さを更に理解して、互いに同じ方向へ向かって進んでいるようだが。
「石家从来都不是我的退路、雪霽只与陛下同舟」という言葉からも、もぐもぐしているだけの娘ではない、芯の強さが見える。
石じいさんは、権力だけを欲する実にろくでもない父親のため、いずれ鮮やかに切り捨てられるのだと思われる。
久々に登場した賀珍は、家から飛び出して独自で商売を始めていた。嫁がされる手前で逃げ出したものの、その相手の趙泉に行く先々で遭遇するのはもはや運命か笑
ケンカしながらもその距離は着実に近付いているし、趙泉も崔行舟と同じ道を進んでいるようだな笑
半ば強引なアプローチを、何とか躱そうと相変わらず塩対応の柳眠棠だが、崔行舟には全く諦める様子はない。
柳眠棠が崔行舟の元から去ったのは、記憶を取り戻し、本来の自分に戻って復讐を果たすためだが、一番は、騙されていたことへの怒りである。あの過ごした日々の夫の気持ちまでもが芝居だと最初は思っていたのかもしれない。しかし今の崔行舟から、それは嘘ではなかったという証明をひたすら行動で見せられる。極めつけは、祖父への嘆願だったのだろう。これらを経て、崔行舟の決意を受け止めた柳眠棠は、ここで彼を許すことにしたようである。
婚姻の話にまで持っていったこの結果は、取り戻すために奇行を続けた甲斐があったというものである。その一つ一つは笑える展開だったが、序盤での計算高かった崔行舟が、人を愛して人間味を帯びながら、最後はなりふり構わず一直線に想いを伝える姿は、子供のようではあるものの実に愛らしかった。
あっという間に残り9話。
つづく
追記ネタバレ 第32話~第35話。
子瑜には、未だ柳眠棠を諦められない気持ちがあるのか、いきなり県主の地位を与える。喬家はおそらく皇族ではないが、柳眠棠にその地位を与えたということは、何を期待してのことだったのか。その後、崔行舟へ嫁ぐことを知り涙目になっていたが、、、それでも崔行舟を選ぶのか、と言っていたのを考えると、自分の元へ戻って来て欲しかったのだろうか。雪霽のような素晴らしい妻を持ちながら、それは贅沢の極みというものである。といっても皇帝の立場では欲しいものは全て手に入れられるのだろうが、柳眠棠だけは無理だと思う笑
崔行舟は柳眠棠を連れて真州へ戻り、母親に結婚の意思を伝えるが、そもそも以前から柳眠棠以外は娶らないと再三伝えているのに、芮蘭を妻に迎えさせることを諦めてはいない。
母親の言うこととはいえ、その希望には添えない崔行舟の意思は揺らぐことなく、芮蘭なんか娶らないという態度を貫く姿は痛快である。
ほどなく魯王が謀反を起こしたために、崔行舟は戦に就かされる。誰よ、いきなり魯王って笑
戦に赴く崔行舟を塀の上から黙って見送る柳眠棠も、安否を憂いて心労はあるのだろうが、それでももっと不安げな義母を気丈な態度で励ます、実に頼りがいのある嫁である。
崔行舟が留守にしている間も、廉叔母が芮蘭の王妃の座を狙って罠を仕掛けてくるが、対悪人に免疫のある柳眠棠にはことごとく躱される。それでも諦めない廉叔母は、余程、自分の嫁ぐはずだったこの家に執着があるのだと思われる。結局、娘の芮蘭が先に諦めてしまったではないか。もうその辺で執着は手放した方がいいよ、、、
さほど存在感のない綏王は、魯王の謀反を阻止するために戦に出向いている崔行舟が邪魔で仕方がない。そのため、淮陽府の家族を人質にして、後退させようしていたようだが、コイツ魯王と手を組んでるの?それとも手柄を上げさせないため?
この辺りがイマイチだから、何かを見逃しているのかもしれないが、とにかく淮陽府に残る家族を狙って手下を送る。
この情報をいち早く手に入れた柳眠棠は、義母や廉母子をそこから逃がすことにする。その後も、情報を仕入れながら、点々と逃げ場を移動する彼女らに、刺客は全く追いつけず、とうとう崔行舟が魯王の軍営を掌握するまで逃げ切ってしまった。
この過程で、最後まで自分を思ってくれる家族が誰なのかに気付いた義母は、これまでの自分を顧みて間違いに気付いたようである。この義母も、そこまで悪いことはしていないが、廉母子を優遇して柳眠棠を傷付けていた自分を戒めたのだと思われる。
魯王の謀反は失敗に終わり、華麗な崔行舟の戦捌きをみせられた子瑜は、柳眠棠を奪われ悔しくとも、この功績を認めないわけにはいかなくなったようだ。褒美を与えるといいながらも、その微妙な表情から、先を越されて悔しい気持ちもあったのかもしれない。←自分が柳眠棠を捜し出して保護したかった。
しかしそれよりも、いよいよ綏王をどうにかせねばならないという気持ちが更に湧いたように見える。
相変わらずの石家からの圧力や、よく分からん意地悪姉が押しかけて来たことも黙って受け入れていた雪霽にも、この戦に関しては父に対しては思うところがあり、初めて反論する堂々とした姿には感動させられる。
子瑜は、未だ柳眠棠への想いは失くしていないものの、妻に対しての気遣いは忘れてはいない。黙って隣に座り、涙を流す妻に戸惑いながら視線を向ける子瑜がなんか良かった。
自分の道を貫き、望む陶器を見出した賀珍も、趙泉と共に真州へ戻ることになるが、その途中で魯王の謀反で戦が起こり、崔行舟がそれに赴いたことを知る。
なにが良かったって、趙泉が戦に就かされることを心配した賀珍と趙泉の会話の雰囲気が実に良かった。賀珍の表情は常に硬いが(ツンデレなので)、趙泉の愛溢れる表情がなんというかきゅんだったわ。趙泉はイケメンとは言わずとも愛嬌のある男で、その想いが顔面から見て取れるために、陶器を作るために深山に行く賀珍への告白も、その後のキスも素敵だったわ笑(趙泉も深山に付いていく予定です。)
つづく
追記ネタバレ 第36話。
廉叔母の執着も、芮蘭が一人立ちしたために無意味となってしまった。この母親に毒されて育ったのは気の毒だが、崔行舟も言っていたように、それに気付いたのだから全然遅くない。気付かずに醜態を晒して一生を終える人間もいるのだから、芮蘭には自分の道を前向きに生きてほしいと思う。
崔行舟は、また柳眠棠に逃げられては困るといって、早々と挙式を挙げることにするが、そのことを見抜いている柳眠棠も、見抜かれても素直に認める崔行舟も微笑ましい。兵を率いて幾度も戦に出陣し、冷静な判断を下す軍略に長けていても、妻の前ではまるで子供のようだな笑
この睦まじい二人の挙式を観ながらも、まだ綏王の件が片付いていないことに一抹の不安は拭えない。
謀反に加担した者が白状していた、フードの男が綏王との橋渡しをしていたようだが、こんなやつ前に出て来てたっけ、、、
フードで顔面を隠しているということは、既存の中でも最も意外な人物なのだと推測は出来るが、消去法で考え付くのは、崔行迪くらいしかいないんだけど、、、彼は、綏王から派遣された刺客から、柳眠棠や崔行舟の母親を逃がすために尽力していたが、府内に残っていたはずの崔行迪は無事だったのが若干疑問ではあった。
この男が綏王と手を組むとすれば、崔家の養子となった綏王の身内(又は息子)だったとしか理由が思い浮かばないんだけど。もしかしたら、父親を嵌められたなど、何かの恨みで綏王に復讐するため、手下を装っているということも考えられるが、、、(妄想が暴走中。)
残り4話は、フードと綏王、芸兒や石じいさんの始末を綺麗に終わらせて、本当の意味での子瑜と雪霽の心の通い合った姿がみたい。
つづく
追記ネタバレ 第37話~第39話。
フード男の捜索と綏王を嵌める茶番が始まる。
朝廷には報告せず勝手に挙式を挙げた崔行舟は、皇帝の怒りを買うことになり、告げ口した綏王の思惑通り、二人の間には亀裂が生じる。
と見せかけて、どうやら二人は事前に打ち合わせをして、綏王を油断させるための茶番を演じていたようである。
とはいえ、挙式の話は本当に知らなかったように見えたが、雪霽が優しく諭した番いの鳥の例え話で、柳眠棠への想いは完全に吹っ切ったのだと思われる。忠実な部下を失くすのは皇帝にとっても痛手となるからね。
言わずとも、夫の憂いをすぐに察して、穏やかではありながら明確に道を提示する雪霽は、実に気が利いている。このおかげで、子瑜の自問する自身の問題は、気持ちいいくらい彼の中で解決していくのである。
崔行舟と子瑜の綏王潰しは、引き続き協力して行われるが、崔行舟の姉が嫁いだ先が疑わしいことを提示されたため、ひとまず慶国府を調査することにする。
綏王の謀反には関係ない慶国公だったが、嫁いだ姉は明らかに夫に虐げられており、この夫(慶国公の息子)は金使いの荒いしょうもない男だった。こいつが先の謀反を起こした魯王と繋がりがあるようだから、悪巧みの一味なのかもしれない。ただ、この放蕩息子は頭は悪いし、志も皆無なため、金が欲しいだけの何も考えていない男である。ゆえに確実にフードではないと思う。
この過程の慶国府で、崔行舟に協力して茶番を繰り広げる柳眠棠の二人を見ていると愛らしすぎて和む。涙を流す芝居のために、目が開かなくなった崔行舟の手を頬に持っていく柳眠棠の一連の表情と仕草が、抜群に良かった。
いよいよ綏王が行動に移すという情報を手に入れた子瑜は、血みどろの戦いに雪霽を巻き込むのではないかと心配でたまらない。そのため、なるべく綏王が狙う自分から遠ざけようとするが、雪霽は、同じ舟に乗っている以上、子瑜と共に戦う覚悟は出来ている。
子瑜の言う、「君は皇后という立場だけを守って、各々でやるべきことをやればいい、君に対しての情は一切ない。」という言葉も、静かに笑みを浮かべて受け止める雪霽は、危険から遠ざけるためのこの子瑜の態度なのだと、おそらく分かっている。このシーンは、謎に胸が一杯になって思わず泣いちゃったわ。
最後に渡したお菓子は、公子、小七呼びの頃の思い出のものなのかもしれないが、そんな描写があったことを忘れている、、、くやしい笑
元々、子瑜は雪霽を大事にしていたために、失恋を吹っ切って完全にその心は彼女に向いたように見える。
ほとんど活躍の場のない芸兒だが、今回の皇后を軽んじる行動で、皇帝の寵愛を完全に失くしてしまった。(元々ないけど。)
何かを勘違いしたヤケクソ状態の芸兒は、何者かから密かに渡された毒を皇帝と皇后に盛ってしまう。
芸兒がやってくれてラッキー、という態度の綏王だったため、毒の出どころはこいつではない。ということは、これは皇帝、皇后、崔行舟、柳眠棠との打ち合わせされた茶番なのかもしれない。
皇后が亡くなったと聞き、芸兒は喜びすぎて完全にイカれたようだから、一人退場である。
残りは、フード、綏王、石じいさんだが、もはや皇帝一味に手のひらで転がされているため、気持ちよく終われそうだ笑
残り1話。
つづく
追記ネタバレ 第40話(最終話)。
フード、、、結局、郭奕だったのか、、、
顔も覚えていないようなしょうもないヤツをミステリアスな人物に据えるとは、深読みしてしまったじゃない笑
石じいさんに関しても、あの強欲で娘を虐げていた姿から一転して、陽気なおじさん化していたが、綏王にひたすらくっついていたのものの、悪事には加担していなかったということか。
あの時、雪霽に自分の役割を認識させられ、植木を割って不満気な顔面が最後の印象だったが。
その後、皇帝にも雪霽の姉妹の件で下心を見抜かれて、己の貪欲な心を改心したということなのだろうか。謎だけど、久々に登場した石じいさんは、単に陽気なおじさんだった笑
皇帝一味の茶番で、まんまとそれに乗らされた綏王は敗北し、平和な日々が訪れるが、このドラマは、崔行舟と柳眠棠のラブストーリーがメインのため、この軸はブレずに最後まで睦まじい姿を見られて良かったと思う。
序盤の柳眠棠のとんでもなく愛らしい姿から始まり、妻を取り戻すために、なりふり構わず突進していた頃までが面白さのピークだったが、終盤は、賀珍と趙泉、子瑜と雪霽、それぞれのエピソードは短くとも心を掴まれる部分があり、最後まで飽きることなく観られる。