四海重明 Love’s Rebellion 全36話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『四海重明  Love’s Rebellion』

2024年 8月〜 中国 全36話

 

出演

南颜(南顔)→景甜

嵇炀(嵇煬)・少蒼→ 张凌赫(張凌赫)

 

 

自分の中でオリンピックがひと段落したので、ひとまずこちらを見始めた。「冰雪谣(冰雪謠)」も気になるけど、、、

しかしここのところ、張凌赫ばかり目にしているような。

 

 

ネタバレ 第1話~第10話。

道生天帝の少蒼は、宗派の弟子を皆殺しにした罪に問われ捕えられていたが、何者かに嵌められて罪を着せられたために、脱獄してその背面の人物を追っている。汚名を晴らすためには、七浮造業書なるものを手に入れなければならないが、書と言いながらそれを具現化しているのか、生き物であるため、よく分からない代物となっている笑

 

仰月宗の弟子である南顔は、母親の病のため医術の修行をしているが、毒を使った薬を作り出すのが得意であり、同じ弟子たちには毒婦と呼ばれて煙たがれている。

この南顔の元に迷い込んだ七浮造業書は、なぜかその身体に引き寄せられて一体となってしまうが、南顔はおそらく只者ではない。

その身分もすぐに明らかとなるが、病を患っている母親は、五神の中の一人だったようである。血を分けた母娘なのかはイマイチまだ分からないが、その母親から譲られた銀鮫珠もまた特別なアイテムだという。

 

探していた七浮造業書が、南顔の中に存在することを知った嵇煬(少蒼)は、南顔の母親に縁を結ばれたこともあって、危機を救いながら七浮造業書を取り出すまで南顔の側で過ごすことにする。

その間、嵇煬の行方を捜していた龍都少主の穆戦霆(嵇煬のファン)や狐族の殷琊が加わり、おそらく嵇煬の目的を共に攻略するのだと思われる。

殷琊は、一族を救うために南顔の持つ銀鮫珠を狙っていたが、彼の計画を読んでいた南顔にはすぐさまバレてしまう。それでも心優しい南顔は、殷琊のために銀鮫珠を一時貸し出すことを承諾する。殷琊も邪悪な子ではないため、おそらく完全な裏切りはないと思うが。

穆戦霆に関しては何も心配していない。

元々、嵇煬の罪も信じていなかったし、絶大なるファンであるため、和ませ役で最後まで寄り添ってくれるのだと思われる。なにしろ昌隆が演じているってのが一番信頼出来る。今回、父親の龍王役で登場する黄海冰も悪役にはならなそうだ笑

 

上下巻の二冊で力を発揮するという七浮造業書の、もう一冊を手に入れなければならない嵇煬は、穢谷に向かって目的が達せれば南顔の元を離れる、と序盤は言っていた。

しかし脱獄した彼を追う宗門一派や、魔族に襲われ助け助けられしているうちに、既に互いの心は寄せてられているように見える。嵇煬に関しては、南顔の母親に結ばれた印によって、南顔の、何人にも慈悲深い心の声が聞こえるようになっているのが大きい。

 

嵇煬は、傷だらけで捕えられていたにも関わらず、めちゃくちゃ強いのが頼もしいところだが、そんな彼も宗門が放った天燭に身体を蝕まれていた。南顔は死にかけた彼を救うため、大事にしてきた香香(サソリのペット)を犠牲にしてしまうが、そのことを口にはしない。(口にせずとも心の声が聞ける嵇煬にはバレている。)

哀しみに沈んでいた南顔を慰めるため、自分の幼少の頃を思い返した嵇煬が、かつて慰められた木彫りで香香を拵えて渡すシーンは、一見冷たく見えるこの男の、受けた温もりを忘れない人の心を思いやる気持ちにじんとした。序盤に、南顔を傷付けないために七浮造業書を取り出すことを諦めた時から、優しさは見えていたけど。その後も、何も知らずにいる南顔に、七浮造業書の力をコントロールするための技を授けるのである。

 

南顔の母親は死期を察して、自分の代わりに南顔を守ってくれる者を探していたため、縁を結んだ嵇煬にその役割を委ねた格好となる。五神の中の一人という立場ながら、麻雀三昧の生活を送っているのには何か訳がありそうだが、命の尽きる前に抱えた秘密を娘に打ち明ける時間はあるのかな。

 

嵇煬を追って仰月宗まで辿り着いた朱随は腹黒MAXだが、これも劣等感から来るものだし、なんとか嵇煬を消したいのだと思うが、その前に仰月宗主に追い返される。麻雀ばかりやってお間抜けな調子だった宗主も実は頼りになるじいさんだった。

 

方逸倫の「执手(執手)」いいとこに挟むね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第17話。

朱随に痛め付けられた南顔を見て、自分の心も痛んでしまった嵇煬は、彼女を巻き込まないために仰月宗を離れることにする。

かねてからの目的であった七浮造業書の片割れを捜しに穢谷へ向かった嵇煬は、殷琊の魂胆で南顔が危険に晒されぬよう、彼も一緒に連れて行く。

黙って去った嵇煬を若干悲しんだものの、南顔も偶然、珍薬を求めて穢谷へ向かうこととなる。(嵇煬が穢谷へ向かったことはこの時は知らない。)

それにしても、七浮造業書を完成させるためには、南顔の中の片割れが必要なはずだが、連れて行かずに目的を達成できるのかな笑

 

穢谷に着いた南顔は、その身に背負っている七浮造業書の片割れにもう一人が反応して、もろともその身体に入り込んでしまったため、ある意味、南顔の身体の中で書は揃ってしまった。

その後、またもや魔族に襲われた南顔は、七浮造業書の力が発動して命の危険に晒される。別ルートで到着していた嵇煬がこれを察知し阻止するものの、二人は穢谷に吞み込まれてしまった。

どうやらこの場所は、千年前に魔尊を散り散りにし、その後の魂のみを封印していた場所だったようである。

そんな禍々しい場所に皆が皆軽々しく足を踏み入れるとは、、、

南顔を救うため、自分が魔を吸収し共に破滅せざるを得なくなった嵇煬は、命を以って彼女を救う選択をする。

 

序盤の目的は、汚名をそそいで師父への誤解を解くことだったはずだが、好いた女を救うためにここで命を捧げる選択をするとは、南顔への想いがそこまで強くは見えなかったために少し驚いた笑

 

予想に反して、早い段階で母が亡くなり、悲しんでいた南顔は、ここで嵇煬をも失くしてしまって二重苦となる。それも自分を救うために命を落としたのだから、これは立ち直るのには時間がかかりそうだと思っていた。

しかしこの哀しみを使命に切り替えた南顔は、嵇煬に救われた命を全うし、この世の悪を殲滅するという決意のもと、その身に抱えた七浮造業書の力を習得する試練に向かう。

ちなみに南顔の父は、重明鳥の血筋だったために、南顔はその末裔ということになる。(不死鳥のような伝説の鳥)

 

嵇煬は、魔尊の魂を取り込み共に消滅するはずだったのに、重明鳥の血のおかげでその身体は散ることなく穢谷の底で生きていた。

記憶を失くしているものの、魔尊と同じくらい黒化していた嵇煬は、その魔の魂によってこの世を支配する方向へ持っていかれるのだろうが、嵇煬も簡単には操れないくらいの本来持つ強い意思が残っている。中身が変わったように見えて、性根はおそらく失くしていない。

 

七浮造業書の力を修練した南顔は、その力を自在に操れるようになったが、魔に染まった車椅子のじいさん(名前忘れた、、、)が仰月宗へと狙いを定める。欲するのは、南顔の母に託された血凰釵である。この世を支配するための重要なアイテムのようだが、これを奪って宗主の命も獲ってしまった魔頭率いる車椅子じいさんは、かつて、狐族の綺麗なお姉さんも丸薬にして飲んでいたな、、、悪いヤツだよ。

 

ここで、気を察知して宗主を助ける格好となった嵇煬は、同じ魔でありながらも、車椅子組織とは関係ないようだな。記憶を無くして黒化した割に、人を救う選択を無意識に行っている嵇煬は、やはり性根は変わっていない。

 

これに一歩届かず、宗主を救えなかった南顔は、魔の気を頼りに捜索を始めるが、次回、クジラの街で嵇煬と再会しそうである。

 

穆戦霆は、穢谷で朱随に受けた傷を癒すため、家に戻らされてそのまま軟禁状態となっている。友人を助けに行くために、龍主の要求を呑んで修練しているが、その過程では書物を書くことも含まれている。穆戦霆は実に正直な男のため、ここはめちゃくちゃ退屈でどうにかなりそう、などというふざけた内容を書に記し、龍主は激おこなのだが、この父子のやり取りがほんと楽しい笑

しかしこのせいで、嫁を娶らせるという話になってしまったため、これからも家を出ることは困難を極めそうではある。

 

クジラに乗って共に行動している殷琊は、側で南顔を助けているが、いつかの銀鮫珠を借りて一族を救うという約束はどうなったのかな笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第18話~第21話。

しばしクジラの背に乗って物語は進む。

というか、そんなに進んでもないけど笑

 

いよいよ二人は対面するが、嵇煬は過去のことを何も覚えていない。ただ、七浮造業書の力を持つ女という認識と、仰月宗主の残した、南顔は自分が一生守る人、という言葉は刻まれている。

そんな言葉を残されれば当然気になる存在になるとは思うが笑

南顔もそれを察したものの、無理に思い出すよう問い詰めないところが控えめで良い。

それでも、記憶を失くす前も今現在も、互いの想いがそれほど強く伝わってこないために、感動の再会でもなんとなく響かないのが惜しい。

 

自分が何者かを忘れていても、森羅の気が煩わしくて仕方ない嵇煬は、七浮造業書の力で森羅を剥がして記憶を取り戻す手伝いを頼むことにする。

自分のために命まで懸けた彼の頼みを全て叶える覚悟の南顔は、これを引き受けるが、かつて森羅が言っていたように、この気が消滅すれば嵇煬の命も尽きるという。

この森羅と呼ばれる強力な魔の気は、一見禍々しいものの、そうあくどく見えないのが不思議だが。なんとなくヴェノムっぽいんだよね笑

 

この後、血凰釵を巡り殺しの容疑を掛けられた二人は、魔頭の手下に嵌められたことを知る。何も知らずに血凰釵の運び屋をさせられていた袁峰は、元々亡命するつもりだったために、受け手に渡らせるという魔族達の計画通りにはいかず、手下を送ったようである。(血凰釵は以前、嵇煬が袁峰から奪っていた。)

この娘はすぐに退場するが、一旦、二人は運び屋として敵を誘き出す計画を立てる。

 

今のところの嵇煬の目的は、宗主の代わりに魔頭に仇を打つことだが、暇だからという理由で始めたものの、割と懸命に真相を追っている、、、その先で同じ目的の南顔と再会したのだから、運命といえば運命なんだけど笑

記憶は失くしているものの、抗えない何かに引き寄せられる嵇煬は、新たに南顔との関係を築くことを決めたようである。

 

穆戦霆の方は、やはり縁談を持ち出されるが、お得意の口八丁手八丁で龍主を言いくるめて、城から脱出することに成功する。あれで騙される龍主もちょろくて愛らしいが、その後に嵇煬と再会した穆戦霆の喜びようも必見である笑 ほんとこの手の芝居が上手い。

 

この回で印象に残ったのは、クジラのおとぎ話。

かつて、このクジラは愛する女を救うために命を落としてしまった。女は涙に暮れながら輪廻を繰り返し、浮星鰱に生まれ変わる。その魚の群れが一年に一度クジラの船に出会う度に鱗を一つだけ落とすのは、かつての恋人のためにこれからの無事を祈っているから。

というものだったが、その後の「じゃあクジラはその女とすれ違うためにクジラ船になったのか。」が妙に切ない気持ちになった。

この貴重な一枚の鱗を手に入れて、ぶっきらぼうに渡す辺りは、優しさを隠して危機を救っていた以前の嵇煬と変わっていない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第22話~第25話。

「永遠に過去の嵇煬にはなれないけど、あなたのために彼が出来なかったことを、これから私が代わりに側にいて埋め合わせする。」

元の彼と違い、思いを隠さず素直に口にしているため、森羅が取り憑いてる以外は今の嵇煬の方が素敵さが増している。

 

計画通り偽の血凰釵を盗ませて魔頭を誘き出すため、南顔と嵇煬は幽泉獄へと向かう。このタイミングで、銀鮫珠を貸し出す約束を果たされた殷琊は一族を封印から解くため、穆戦霆と共に封妖大陣へ挑むこととなる。

 

どうやら血凰釵は幽泉獄を開けるために必要なものであり、魔頭は、その幽泉獄で陰祝の力を集めて四界を混乱に陥らせるという目的があるという。

この道中で、村娘を助けた二人は赤狄寨という村落に一時滞在する。この赤狄寨が封印している邪尊なるものは、先祖代々、村を守るために生贄を捧げて祭っていると言うが、その実態は誰も知らない。ただ、一年に一度、生贄のための娘がその封印内に入らされることが普通に行われている。

そこで今回は、その実態を知るため、南顔が生贄試験を試すことにする。この封印内に入るために候補のうちの一人がその資格を得ることとなるが、その資格を得たのは厲綿(車椅子じいさんの妹)だった。

この後、厲綿が封印を解いた直後に、盗んだ血凰釵と共に車椅子じいさん(天邪道宗主)が現れ、負けて死んでいくんだけど、、、

 

ってことは、赤狄寨が封印していた場所は幽泉獄ということ?ここに入るために、厲綿が得た権利を使って門を開けようとしていたよね?その中で血凰釵を使おうとしていたのだから、そういうことだと思うが、車椅子じいさんが昇天した後に、嵇煬が赤狄寨の村人たちに説明していたのは、邪尊と信じて生贄を献上していた相手は、実は血刺蘿という魔物に侵されていたもので、ただ生贄の血で渇きを癒していたにすぎず、無駄な血を流させていた、という話だった。

その血刺蘿を南顔が破壊したために、今後は生贄を捧げる必要はないと言っていたんだけど、ここで私の脳内では混乱が生じる。

いつ破壊してた?そもそも血刺蘿なるものは出て来てたっけ?おかしいな、あの時、封印内にはまだ入っていなかったし、奥で戦って死んでいったのは魔に侵された車椅子じいさんだけだったと思うが。それとも村人を安心させるために虚言を吐いたのか。そうだとしたら、年に一度あの封印の中に消えた生贄の行方が分からなくなるけど。

村人たちは喜んでいたし、見逃してるだけかもしれないから、まあいいか、、、

 

やっと幽泉獄に到着して、陰祝を集めるために血凰釵を使うが、黒幕を暴くのが目的だったのに、嵇煬の中にいる森羅の思う通りになっている。かつて森羅が封印されていた穢谷と同じ気の漂う幽泉獄という場所は一体何なのか。

陰祝を目一杯吸収した嵇煬は、もはや森羅を制御出来なくなり、南顔を傷付けてしまった。赤狄寨寨主は、その事情が分かっていて、嵇煬に警告はしていたが、こちらも嵇煬の制御が利かなくなった森羅に倒されてしまう。

ここで車椅子じいさんの背面にいた魔頭も現れるが、嵇煬の中の森羅を見て「やっぱりお前か。」と言っていたのを考えると、過去で見知った仲なんだろうか。

 

自分のせいで、再度、南顔に傷を負わせることとなった嵇煬は、記憶を失くす前と同じ、彼女から離れることを選択する。

いつか完全に森羅を制御出来なくなった嵇煬を、南顔が倒さねばならないのだろうが、最終的には嵇煬が命を差し出すことになりそうだな。

 

殷琊の方は、穆戦霆の協力のもと、道生天の朱随に邪魔されながらも封妖大陣に辿り着く。そこで会ったのは、南顔の叔父(母親の弟)である。殷琊に貸し出した銀鮫珠は、実はこの叔父が姉に預けたものだったようである。この南顧の過去も哀しいものがあるが、姪の友人のため狐族の封印を解くことに協力する。

この過程でも、様々な仕掛けを躱さねばならないが、冗談みたいな方法で突破する穆戦霆が笑える。それでもかなり殷琊の力にはなっているけど。おかげで一族が解放されて、悲願が達成された殷琊には安堵した。

その後も朱随が立ちはだかるものの、道生天師尊や吃苦大師も集合したために、ここでも二人は解放されてしまった。朱随はいつも空回りだな笑 それも私情が混じっているために師尊には心を読まれている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第26話~第30話。

自分が側にいれば、これからも南顔を傷付けることになるため、再度離れることにした嵇煬は、森羅を滅する方法を見付けたという嘘を吐いて、出て行ってしまった。本当はそんな方法などなかったのだが、、、その前に、自身を犠牲にして彼女を回復させることは忘れない。

 

南顔は、また何も明かさず置いて行かれたことを悲しむが、叔父の存在を殷琊から知らされたために、一旦、南顧を訪ねることにする。

序盤こそ怪しげだった殷琊だが、本当に優しくて友人思いの狐である。南顔の側にはいられないといいながら、近くで彼女を見守る嵇煬のために、森羅を消滅させる方法を懸命に探して吃苦大師へと辿り着く。一族を解放し、南顔をフォローしながら、嵇煬のことも気に掛ける殷琊は、大忙しながらも心は清いままである。

 

吃苦大師が提案した、たった一つの方法で、命を懸けて森羅を滅する挑戦を選んだ嵇煬は、四方に釘を打たれ、吃苦大師、殷琊、そして解放された殷琊の姉の力を元に、森羅の心境へ入って身体から追い出すことに成功する。

しかしここで聞かされた言葉は絶望しかない。

 

南顔が持つ七浮造業書の力は、魔を滅すことの出来る力であり、その反動で自身に毒を発するものだという。その邪悪な力が発動したために、南顔は81日後には命を落としてしまうという。

これを救いたければ、陰祝を吸収できる嵇煬が、五獄全ての陰祝を集めて、その身を南顔の手で消滅させるしかない。つまり、南顔を救いたければ自分の命を差し出さねばならないということである。五獄というからには、穢谷や幽泉獄のような陰祝が集まる場所が、あと3か所あるのだと思われる。

このことを、南顔には知らせずやり遂げねばならない嵇煬は、最期の一手を、彼女に下させるためにどういう理由を付けるのだろうね、、、互いに苦しい思いをせねばならないが、大義のためだとしても簡単には愛する男の命は獲れないからね。

 

南顧を訪ねて行った南顔は、妖丹を持つ母親は不老不死なのだから死ぬはずがない、という事実を聞かされる。

南顧は、かつて鮫娘のために行った所業で罰されたとき、代わりに罰を受けた姉をひたすら敬愛し、無事を祈り続けていたが、姉が心臓の病を経て亡くなってしまったのは、何者かの仕業だと疑惑を抱く。

南顔には血凰釵の行方を辿ることのできる神器を渡して龍都へ向かわせ、自分は囚われていた鎖をいとも簡単に外して道天生へ向かう。へ?そんなに簡単に外せるのか!今まで自分への戒めで自ら囚われていたのか笑

 

母親の死の原因を探るため、血凰釵を追って龍都に辿り着いた南顔と厲綿は、ここに血凰釵を盗んでいった魔頭が潜んでいると考える。しかし龍都では、ちょうど次の帝君を選抜する試練で、山海禁決を開くという抜群にタイミングの悪い時期だった。

その試練の会場となる山海禁決へ入る準備で、各地から神々が龍都に終結しているため、魔頭なるものが誰なのかは簡単には探せない。

厲綿の兄をそそのかして魔に墮とし、南顔の母親の心臓の病やその死の原因を作り、天帝だった嵇煬を貶めてこちらにも心臓の病を植え付け、あげく血凰釵を盜んで龍都に潜む魔頭なるものは、おそらく全て同じ人物だと思われる。

という想像は出来ても、怪しいじいさんだらけで一体誰なのか全然見当がつかない笑

 

南顔の母親と幼馴染で一緒に育った龍主は、山ほど疑われるような材料を持っているし、同じ幼馴染の孟霄楼(仰月堂堂主の弟)は常に怪しい。道天生の朱髄も怪しいが小者感極まりないため、これは除外するとして、道天生の師尊にも怪しさはある。

というわけで、魔頭なる者が誰なのかは全然分からない。

 

南顔も同じく、一体だれが母を殺めたのか見当が付かず、山海禁決にあるという「淪髄鏡」を手に入れるため、この帝君試練に参加することにする。淪髄鏡とは、過去の出来事を遡れる神器で、これを使って真相を得ようと考えたためである。

南顔を少し離れたところで見守る嵇煬もまた、この試練に参加し、山海禁決に入ることとなる。

 

この少し前に、二人が街で再会して、何も打ち明けてもらえず黙って去っていく嵇煬に憤る南顔が、その心中を打ち明けて怒りをぶつけるシーンがある。

この様な状況は、視聴者にとっても胸に響くシーンとなりそうなんだが、なんというか何も響くものがなかったな笑

ストーリーが悪いというわけではなく、南顔の嵇煬に対する想いが、言うほど見えないところが響かない原因なんだと思う、、、

逆に、嵇煬の方にはその想いが芝居から見えるためにちょっと切ないのだが、恋愛ターンで重要な役割を果たすのは、やはりヒロインの方だからな、と思うなど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第31話~第36話(最終話)。

澄ました顔して、本当に悪いヤツだな、、、

南嬈を巡っての三角関係と思わせて、四角関係というのが分かり、その上、應則唯(道生天の師尊)が、その勝者だったとは思いもよらなかった。

應則唯は、己の深い支配欲のため、愛を利用して涅槃妖心を奪い、敬愛を利用して六合道心も奪ったあげく、娘である南顔の梵骨禅心まで手に入れようとしていた。この心を奪われたために南嬈と嵇煬には共通の病が現れていたのである。

その他にも、先の天邪道宗主の末路や、南嬈を蘇らせるほど諦められなかった孟霄楼の心を利用して淪髄鏡を開かせ、その孟霄楼を止めるための龍主の犠牲など、この全てが、貪欲に求めた應則唯一人の所業だったのである。

終盤にぽっと出て来て父親と名乗る男を、そう簡単に騙されることなく正体を暴いた南顔には安堵した。

 

結果的に、意識を持ちながら完全に魔に堕ち、應則唯ごとこの世界に存在する全ての陰祝を吸収した嵇煬は、南顔の持つ七浮の力で消滅させられる。

選択肢はなく、別れを覚悟しながら過ごす最後の3日間は、実に切ないものがあるが、生まれ変わって再び出会う機会があるのが仙侠ファンタジーの良いところ。

 

途中で観るのをやめようと思いつつも、最後まで観てしまったが、最後の6話に全てが詰まっているため、挫折しなくて良かったと思う笑

相変わらず最後まで南顔の愛は感じられなかったが、その分を嵇煬が担っていたために、じんわりと最終話を迎えられる。

個人的には、天邪道宗主と妹の厲綿の部分が毎度切ない気持ちにさせられた、最後は特に。