君子盟 A League of Nobleman 全29話 | 一言難盡

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Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

 

『君子盟  A League of Nobleman』

2022年 1月~ 中国 全29話

 

原作 「张公案(張公案)」大风刮过(大風颳過)

 

出演

兰珏(蘭珏)→井柏然

张屏(張屏)→宋威龙(宋威龍)



ネタバレ 第1話~第5話。

逆臣という汚名を着せられた父親を持つ礼部侍郎(役人)の蘭珏。おそらく父親の罪は冤罪で事実は異なるのだろうが、本筋と並行して父親の汚名を注ぐために奮闘する蘭珏が描かれるのだと思われる。

蘭珏と南峒国との密信のやり取りは、それに関する内容だと思われるが、どうやら内容が漏れると反逆罪で死刑になりかねない物のようである。そこで蘭珏は、隙あらば貶めようとしてくる同僚の郭允に密信を奪われるぬよう、先んじて運び屋の奸商から奪う計画を立てる。


その計画に利用される張屏はただの一般人(貧しい書生)だが、洞察力、探求心が半端ない。というか、ちょっとした能力者。

これは面倒くさいヤツを巻き込んだなぁというくらい、まるでイノシシの張屏は、その能力を駆使して蘭珏の計画をぶち壊してしまう。故意ではないところがまた面倒。

何人にもへつらわず真っ直ぐに我が道を行く張屏は、金は無くとも自由に生きているようだが、近くにいるとマジめんどくさそう笑

 

この後に起きる舞妓事件と、してやったりとほくそ笑んでいる郭允を罠に嵌める策略を練る蘭珏に、またもやイノシシ張屏が邪魔してこないかとハラハラしてしまったが、蘭珏の策略に張屏の行動も組まれていたようである。

冷静沈着頭脳明晰な蘭珏の方が少し上手のようだが、鏡花水月術を使い、人の記憶を再現する事の出来る張屏もちょっとした能力者であり、見事な洞察力で真犯人を探し出す手腕は負けてはいない。しかしそれよりも、個人的には張屏のフィジカルに仰天してしまった。

 

真犯人の舞妓(蘭珏の父親が逆臣とされた戦に出征させられた軍人の娘)に予想外に攫われた蘭珏は、舞妓に仇討ちされそうになる既の所で張屏に命を救われるんだけど、、、

いやいや、そんなよく分かんない森のど真ん中をどうやって見つけたんだ笑

劇中で乗り物に乗っている張屏が皆無なのを考えると、おそらく徒歩で追っかけてきて見付けてくれたのだが、フィジカルすごくね?徒歩ですよ。

思えば、何かと思い付いて急に疾走したり、己の足で馬車を追ったり、そして極め付けが森まで徒歩だよ。どの役人よりも早く蘭珏を見付けてしまった張屏、しかも徒歩で。というか全力疾走だと思う笑 いやさすがです。

 

劇中ではフィジカルについては全く触れていないが、鏡花水月術に興味を示した蘭珏は、「当時父が連れていたあの女に使えるかも、、、」と言っている様子を見ると、やはり過去の父親の所業を探るために、張屏は必要になってくるのだと思われる。

秘密を全てさらけ出さなければこの術は使えないと言われ、一度諦めてはいたが、いずれ己の過去を晒す事になるのだろう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第6話~第10話。

新しい毒殺事件が発生し、現場に登場したのは刑部の王硯と、なぜか隣にいる庶民の張屏。得意の嗅覚で事件を嗅ぎ付けて来たのかと不思議だったが「どちらが先に事件を解決するか賭けるために俺が呼んだんだよ、へへ」という訳なので、張屏が自ら飛び込んで来た訳ではないらしい笑


王大人は、友達思いで、真面目に任務に取り組む気質であるが、こういう遊び心も持ち合わせていて実に清々しい男である。

捜査中は徒歩なのに、どうでもいい時に馬に跨って登場するのも笑える。

 

龔尚書の娘が関わっているのを事前に察知していた蘭珏は、それを張屏に気付かれぬよう、けん制するため事件解決への協力を申し出る。張屏としては、他人と何かを成し遂げることが苦手とあって気が進まない様子だったが、渋々これを受け入れ共に捜査を始める。

蘭珏が根回しをしていたのに、あっさり龔毓貞に辿り付いた張屏は「黒幕がいようとあなたも加担したのだから自首した方がいい。」と説得するが、蘭珏が登場してちょっとした修羅場となる。

 

黒幕は誰なのかと追及していった結果、二十年前に蘭珏の父親が汚名を着せられた出来事と結びついてくる摩籮村の話が登場する。

この事件の黒幕は、謎の人物にそそのかされ毒を開発して人を殺めてしまったが、彼自身は、失くした友人と共に純粋に極楽浄土へ行きたかっただけの男である。

ただこの黒幕も「残念だな、お前は一生真相(父親に起こった出来事)を知ることはない」と何かを知っている様子だったのに、逝ってしまったのでもう何も聞けない、、、

鏡花水月術を用いて、そそのかした謎の人物が誰なのかを張屏が執拗に尋ねていた様子をみると、この謎の人物が蘭珏の父親の出来事の鍵を握っているのかもしれない。

張屏もまた、夢なのか過去の記憶なのかは分からないが、蘭珏が父親に渡した匂い袋を持つ人物と鉢合わせている描写があったのを考えると、ひょっとして張屏は摩籮村の子なのか?そうなると、彼を拾った師父と呼ばれてる人は村の人ということになるが、術を使えるあたり普通の子ではないし、どこかで蘭珏の父親と交わっていたようである。

って、最大の謎解きはきっとココなんだな。最後は、自分で自分の記憶を探ることになるのかも。

 

全てをぶちまけて張屏に協力してもらったらどうだ?と言う王硯に、蘭珏としては、あまりこの件に深入りさせたくない様子がみえる。

融通の利かない真っ直ぐな心を持つ張屏は、行間が読めない部分があり不器用な人間である。しかし、道徳心は持ち合わせている事を既に知っている蘭珏は、この性格が故の無鉄砲さで危険に晒されないかを心配しているようである。


これを盗み聞きしていた張屏は、純粋に蘭珏に協力したいと思ったのか、或いは貪欲に真相を求める血が騒いだのか、蘭珏へ鏡花水月術で記憶を再現させないかと自ら申し出ることになる。

以前、己の心中を晒すのを躊躇い断っていた蘭珏だったが、なんとなく今回の事件で助け合いつつ解決する中で絆が深まったのか、これを承諾することにする。

唐突にこの二人の距離が縮まってちょっと困惑、、、

 

この回は、蘭珏の幼少からこれまでの回想があったりして、ちょっと切ない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第15話。

月曜に10話更新って、、、

 

蘭珏の記憶を探る旅(術で)に出た二人は、父と一緒にいたあの女性が誰なのかを突き止めようとするが、はっきりとは分からず一旦この旅は終わりとなる。

 

その後、以前太后に送られた鳳凰頭(キンキラ頭)を祭る工事中にそれが盗まれる(偽物とすり替えられてた)という事件が発生する。

これに首を突っ込んでしまった張屏は、蘭珏を巻き込み案の定大騒動となる。


柳太博の存在が煩わしく、なんとか失脚させたい太后は、この窃盗を彼の仕業にするよう暗に蘭珏へ下知するが、柳太博が犯した証拠もないことに頭を抱える。

どちらにしろこれが失敗すれば、初めに騒いだ張屏はおろか、蘭珏の首も飛ぶという事態に発展してしまう。この事を心配して涙目で登場の王大人、、、愛が深すぎる笑

これまで、父親に起こった真相を探るため、苦労を重ねてきた蘭珏を常に助けてきた王硯は、ぽっと出庶民の張屏を庇ってこんな条件を申し付けられた事が歯がゆくてたまらない。

この地位を失くし、何もなくなってしまったらどうするのだ、という心配で涙目にもなってしまうのだね笑

 

「まさか、あそこで太后が来るとは思わないだろ」

と苦笑いの蘭珏は、焦りを悟られないようにしていたのを、軽く王硯には見抜かれていたようである。

激おこの王硯は「事件の捜査は協力するけど、お前の命は守れんぞ」とか言いながら、ひたすら懸命に捜査に取り組む姿は愛だな、、、※この窃盗事件は、王硯が命懸けで届けた(蘭珏の)手紙のおかげで皇帝が動き、二人とも命は繋がった。

 

結果、この事件も摩籮村に結びついてくるわけである。

太后のために柳太博を貶めようとしていた玄机が、二十年前、自身の罪を隠蔽するため摩籮村全体に毒を降らせて村人を殺戮し、それを伝説のように仕立て上げたこと、父親が摩籮族の妖術を使う女に騙されて南に出向いたこと、そこでスパイに仕立て挙げられたこと、全てをぺらぺら口にしたことで段々と真相に近付いてくる。

 

その妖術と言われていたのが、正に張屏の使う鏡花水月術だったため「お、お前はあの時の妖女の息子ではないか!?3歳くらいの小さい子供を連れていたのに、途中で水器も子供もいなくなってたんだ!」とか言い出しちゃった途端、彼はそのまま刺客にヤられて逝ってしまう。


この状態で残された蘭珏と張屏、、、

蘭珏としては、この話を聞かされてもまだ充分ではなく、玄机だけが頼みの綱だったのに、刺客から彼を守れなかった張屏に激おこの様子で、遂に剣までもを向けてしまう。息子か?という話を聞いて父親の仇かもと思ってしまった部分もある。

「私を殺して恨みが晴れるなら、殺してください」

「これから先、私とお前との繋がりは一切ない」

「お前はお前の道をゆけ」

「わかりました、お元気で、、、」

 

え、張屏だって蘭珏の父親の汚名を晴らすべく懸命になっていたし、妖女の息子って話も寝耳に水だった上、刺客から受けた傷も深いのに、酷いじゃないの。

後に深く反省するとしても、今回は張屏が不可抗力すぎてマジかわいそう。迎えに来てくれた陳籌えらい、、、

 

朝廷で父の汚名を返上してもらうため、狂ったように玄机の字を真似る蘭珏の姿、、、こえぇ笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第16話~第20話。

16話を再生したら、まだ変わらず蘭珏の狂った姿がそこに笑

この間、傷心の張屏は、久々に師父の元を訪れ、過去に保護された経緯を聞く事になるが、どうやら森の中で張屏を見付けたようだから張屏の正確な生い立ちは未だ不明のままである。

 

父の汚名を晴らすため、太后に書面を提出しようと玄机の字を真似て、張屏の身分をも暴露しようとしていた蘭珏だったが、一時的な乱心期間は猫ちゃんの登場により終わりを告げる。

 

今回の新しい事件は、船上に漂い、学生たちを占いで惑わす鏡湖先生なる者が登場するが、この人物が科挙の試験場で混乱を招いて大騒動となる。そして、この人物も二十年前の摩籮村に関係しており、先の二つの事件も、結局、裏で操っていたのはコイツだったようである。

 

決別した蘭珏と張屏の縁は切れることなく、やはりこの事件で鉢合わせすることとなる。

父親のことを思い、仇の息子と思われる張屏と懇意にするのを避けようとする蘭珏は、実直で真面目な彼らしい行動だが、それをきちんと配慮できる張屏はただのイノシシではなかった、、、

 

この科挙を巡っての混乱は、最終的に大理寺の陶大人に行き着くためだけの導だったので、巻き込まれた結構な数の人らは皆かませ犬だったという、、、

幼い頃から大理寺の慕叶生の書物を見て育ち、憧れを抱いていた彼が陶大人だったと知った張屏だったが、実際の陶大人本人からの話は重すぎて、憧れどころではなくなってしまった。

 

二十年前の摩籮村の件に関わった者たちが次々に始末され、陶大人も次は自分の番なのは承知していたようだが、裏で操っていたのはどうやら太后だという認識をさせられる。

このまま太后が二十年前の黒幕だとすれば、蘭珏の仇は太后という事になるが、それなら鏡湖先生は、、、皇帝?

過去の悪事を暴くため、太后の手先として動いていた者が次々と粛清される様子を見ると、周辺から真相を暴きながら最終的には太后に辿り着くという算段なのか?

太后と皇帝が対立している様子を見ると、なんとなく皇帝しかいない気がするけど、私の予想は全く当たりませんいつも。

 

少し前に、張屏の母と思われる女と蘭珏の父親の関係が睦まじく見える描写があったのを考えると、二十年前の真相は伝わってる話とは違い、どちらも嵌められたのでは、、、?

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話〜第29話。(最終話)

蘭珏の旧友である辜清章(汪鐸)なる者が現れる。

ここで新たな人物が登場するとは、、、

出たものを観るだけで、面倒くさくて前もってあまり調べないから、ここで新人物が登場したのは少し驚いた。しかも超重要な人物だったのに笑

 

一見、病弱で弱々しくみえた彼は、登場した序盤は別段魅力も感じなかったが、回を追うごとに邪悪さが増し、最終的にはガチの美しい男となり、到底同じ人物とは思えないほどの存在感を放つ。

※「你真的了解我嗎」以降は、ひたすらゾクゾクする芝居を見せられるので必見である。

 

そして実は、この彼が太后の実子だったという事実が明らかとなる。

三十年前、息絶え絶えだった幼児の辜清章を救う儀式と見せかけて、実は取り換えた別の幼児を実子にし、辜清章を始末することにした太后と玄机。

おそらく、この儀式が成功して、実子が元気に生き返った、と前皇帝に見せるための芝居だったのだと思われる。

 

事情を知ってしまった張屏の母は、死にかけて捨てられていた清章を摩籮村へ連れて帰り、村に伝わる治癒法で辛抱強く治療した結果、彼は奇跡的に生き延びて現在の姿となったという。

そして、問題の二十年前の事件に繋がる。


元気を取り戻した清章を、実母(太后)の元へ戻した方がいいのではと考えた張屏の母は、賢人と評判の高い蘭珏の父にこの話を打診することにする。

しかしこの事を知った太后は、過去の悪事が掘り出されて明るみに出てはならぬ、と事情を知っている全員を皆殺しにしなければと思ったようである。

結局、太后と玄机の策略で全ての人間が葬られ、張屏の母は妖女、蘭珏の父は逆臣という汚名を着せられることとなる。


生き延びた清章はこれを知り、太后が守らねばならなかった面子、太后がここまで築いた地位や引っ張ってきた民、もろとも彼女の目の前で全て破壊してやろうと計画を立て、鏡湖先生として現れたようである。

このことを清章本人の口から聞かされた蘭珏と同時進行で、張屏もまた、自分の記憶を遡って真相を掴むことになるが、謎にその隣には戦に赴かされ南方(摩籮村の近く)へ出向いていた王硯の姿が、、、

ぽっと出の張屏にでも、一度縁ができたからには出来ることは全力で協力しよう、という王硯の姿勢にトキメキが止まらないわ笑

 

蘭珏は張屏と協力して、無関係な大勢の人々を犠牲を阻止することに奮闘し、多くの民を守ることに成功する。


しかしこれよりも、太后と清章の最後のシーンで、なんでかオイオイ泣いてしまった。

「これでもまだ後悔していないというのか」

「後悔などしない、むしろ、全ての人間を葬る事で、自分の秘密が誰にも知られないことに感謝している」


最後まで、自身の面子や立場を守ろうとする太后だったが、三十年前に捨てた我が子に一番好きな曇花(おそらく作り物の髪飾りか何か)を持たせ「曇兒這個名字、只属于你」(曇というこの名前はあなただけのもの)と別れ際に呟く太后の回想を見せられる。

自分の産んだ子を捨ててまでこの地位を守りたかったのだから、同情の余地はないのに、、、どうしてこんな回想を見せるんだ(´;ω;`)ウッ…


複雑だけど、我が子と共に己の心もそこに置き捨てて、この道を迷わず無情に生きる決心をした太后が「我的心、只属于你」と言っているみたいで涙とまらんかったよ。

※曇花とは3000年に一度だけ咲く花、いわゆる架空の花のことらしいが、仏教の中でも使用されている。その名前を乳名にした意味は分かりかねるが、それだけ貴重だという意味なら更に泣けるのである。

 

最後に、赤子を探しに来た母親のシーンがあったが、清章もこうやって捨てた事を後悔して迎えに来て欲しかっただけなのに、はっきり言葉にはして貰えなかったね、、、叫んだ乳名に気持ちは詰まってたけど。


この親子のせいで、私の中では主演の方の活躍が薄らいでしまったが、それはそれは大活躍したんですよ!

し、師父を亡くしても力の限りを尽くしました!

 

王大人と皇帝も、全てが終わった後に凱旋したけど、きっと大活躍だったんですよ!