想見你 Someday or One Day 時をかける愛 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『想見你 Someday or One Day 時をかける愛』
2019年 台湾 全13話(90分)
アマプラ配信中(全26話)
 
出演
黃雨萱ホァンユーシュエン/陳韻如チェンユンルー(柯佳嬿)
李子維リーズーウェイ/王詮勝ワンチュエンション(許光漢)
莫俊傑モージュンジィエ(施柏宇)
 
 
2019年に大ヒットしたらしい台湾のドラマ。
現在と過去を行き来するファンタジーにサスペンスが加わっているので、どうにも続きが気になってしまって視聴をやめられなくなってしまう中毒性の高いドラマ。
昨年亡くなられた黃鴻升(小鬼)もちょい役で出演されていた。

ネタバレあり
元々、ユンルーの死を阻止するために過去に戻ったユーシュエンのタイムトリップが始まりだったが、話が進むうちに、え?君も?あいつも?という調子で、まるで「アウトランダー」状態に陥る。(アウトランダーとは。。。アメリカ製作のイギリスドラマ。この場合は、岩を触った色んな人が現代と200年前の世界を行き来出来るってヤツ。)
まあ、そこはいいんですが、、、
 
そもそも過去に起きてしまった出来事は、ユンルーを始め、その周りの人達の人生にも暗い影を落とし、笑顔でいてもどこか哀しく、手放しに幸せを掴んでいるようには見えない。
飛び降りる前に、誰も自分の事なんて気に留めていないと言うユンルーだったが、いるじゃないかジュンジィエが。どうしてジュンジィエの声は届かないのか。求めている人からの言葉以外は届かないのか。
などと若干イーっとなりながら観ていたが、恋愛がメインなのかなと思わせて、実のところの主題は、自ら命を絶とうとしたユンルーがユーシュエンから言われたこの部分ではないかと勝手に思っている。

「我會那麼想要從世界上消失、不是因為我才世界太失望而是因為我對世界太多的期望」(この世界から消えたいと思うのは、この世界に失望したからじゃなく、逆に多くの希望を持っているから。)
「其實我比誰都清楚能被一個人放在心上、從來都不是理所当然的事、不管那個人是誰、是家人還是朋友都是非常難得、應該要被好好珍惜才對」(誰かに気を掛けてもらえるのは当たり前の事ではないの。それが家族であれ友達であれ、得難い存在なのだから大切にした方がいい。)
「想着想着就覚得這個世界、好像也沒有我想的那糟糕」(それを考えてたら、この世界は私が思っているほど悪いものじゃないなと思ったの。)
 

己を犠牲にしてまで助けたかったユンルーに、生きるのも悪くないと思わせた事だけでも、未来の自分を犠牲にした甲斐があったというものである。
 
かつては届かなかったユンルーの腕を引っ張り上げたジュンジィエに向かって、あなたがいてくれてよかったと言うユーシュエン、ここは私もジュンジィエを心底褒めてあげたい気分になった。
生きていたからこそ、その意味を考える事が出来る。だからこそ、ちょっとだけ立ち止まってみてほしいという作り手側の思いが見えた。
体感的には、Netflix配信の台湾ドラマ「次の被害者」から受けた感触に似ている。