君と歩く世界(De rouille et d'os) | 一言難盡

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Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.



『君と歩く世界(De rouille et d'os)』

2012年 フランス・ベルギー


監督 ジャック・オーディアール


出演

ステファニー(マリオン・コティヤール)

アリ(マティアス・スーナールツ)

サム(アルマン・ヴェルデュール)



タイトルと予告からして、障害を乗り越え強く生きる女と、それを支える男の感動話だろうと、観るのがあまり気が進まずにいた映画だったが、大きく予想に反してこれは、女に力を貰い、ダメ男が大きく成長する「アリ」の物語であった。


通常のヨーロッパ映画とは違い、この映画はBGMが不断に使用されており、ヨーロッパの映画も段々変化してきているのだろうかと思わせるが、最後ギリギリまでの、ダメ男のとことんなダメっぷりと、そのダメ男から生まれる恋愛に対しての淡白さは、やはりフランスならではの表現だろう。

この感じは・・・どっかで観たな「リード・マイ・リップス」だわ!と思ったら、なんですか同じ監督じゃないですか。


ステファニーにとっては、唯一自分の姿に差別の目を持たない(同情や偏見)アリに対し、恋愛にも似た感情を抱く。それに対しアリは、淡々と彼女との体の関係のみをこなす男として描かれているが、アリにとっても彼女は心の糧であるのを、実は気付いていないだけなのである。


貧困から脱出しようともがき、これまでにはなかった家族を思いやる人間にゆっくりと成長する男。

かつて、自分を抱えてキラキラした海へ連れ出してくれたその男に、やはり女も救われたのである。


ただの感動巨編ではないのが、予想に反し面白かったところだが、話の軸がぶれすぎていてもったいない気もする。

ともあれ、子供を突き飛ばして机の角で頭を打ったのが死への伏線でなくてよかったと思う。




↑総合格闘技のロシア人にいそうな顔・・・。

ロシアといえば、ヒョードルが一番好きだった。




↑マリオン、スッピンでも美しい。乳も美しかった。